- ハンバーガー屋の開業を検討しているが、儲かるのだろうか?
- ハンバーガー屋の年収や開業資金について知りたい
- 競合店舗に勝つためにはどのような対策を打つべきか
このようにお考えの方に向けて、本記事では「ハンバーガー屋の開業」について解説。そもそもハンバーガーという業態は儲かるのか?という視点から、開業するメリットや開業手順、ハンバーガー屋で利益を出す方法を説明します。
工夫次第で儲かる!需要も競合も多い
結論先に言うと、ハンバーガー屋は工夫次第で儲かります。昨今のテイクアウト需要の増加などによってハンバーガーの需要も増えました。
しかし、その分競合も多いため、ハンバーガー業界で勝つのは容易ではありません。
ただ、朝昼夜どの時間でも客入りを見込めること、他店にはない変わり種のメニューを作りやすいなど、ハンバーガー屋ならではの特徴を活かせば勝機はあります。
ハンバーガー屋の利益は?
ハンバーガー屋の利益率は、一般的な飲食店と大きく変わりません。ただ、居抜き物件を借りたり、少人数で店を回して人件費をカットしたりすれば、その分利益は上がります。
売上120万円と仮定した場合(1個800円のハンバーガーを月間1,500個売った場合)の収益例を見てみましょう。売上原価は40%を仮定します。
- 売上原価:48万円
- テナント家賃:15万円
- 水道光熱費:3万円
- 人件費(スタッフ1人):10万円
- 販促費:2万円
月間費用の合計は78万円となり、利益は42万円です。年収ベースで504万円です。
ただし、ハンバーガーが月間1,500個(1日50個)売れる繁盛店となった場合の計算ですので、売上が見込めないおそれも考慮しておきましょう。
チェーン店と比べると、ハンバーガー1個800円は高めです。ただ、チェーン店と同じ価格設定を行っても埋もれてしまうので、個人店は「商品力」で勝負することをおすすめします。商品が魅力的であれば、ある程度高めの価格設定でも、お客様に喜んでいただけるでしょう。
ハンバーガー屋を開業するメリット
続いて、ハンバーガー屋を開業するメリットを見ていきましょう。
朝・昼・夜どの時間でも客入りを見込める
ハンバーガー屋の一番の強みともいえるのが、来店時間を選ばないことです。大手ハンバーガーチェーンにも「朝セット」や「昼セット」があるなど、時間に応じたメニューを提供しています。
ハンバーガー屋を朝食として利用する人から夕食や夜食として利用する人までさまざま。おやつとして利用する人もいます。
さらにいえば、お腹が減っていなくても立ち寄りやすい業界でもあります。営業時間を伸ばし、ハンバーガーからサイドメニューまでメニューを豊富に用意しておけば、さまざまな客層を拾える可能性があるのです。
イートインとテイクアウトを共存させやすい
ハンバーガー屋は、イートインとテイクアウトを共存させやすい業態といえます。たとえば「サンドイッチ」はテイクアウトのイメージが強いですが、ハンバーガーはイートインで食べる人もいればテイクアウトをしたい人もいます。
実際に大手ハンバーガーチェーンに行ったことのある人も、イートインとテイクアウト両方を利用したことのある人がほとんどではないでしょうか。店内も店外どちらも対応しているので、幅広い客層をターゲットとすることができるのです。
特別な資格なしで開業できる
ハンバーガー屋の開業には、特別な資格は必要ありません。他の飲食店と同じで、食品衛生責任者と飲食店営業許可のみ。メニューもマニュアル化してある程度研修すれば作れるようになります。ハンバーガー屋は、誰でも始められるビジネスといえるでしょう。
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ハンバーガー屋の開業に必要な費用
ハンバーガー屋の開業資金は、店舗型だと1,000万~1,500万円ほど必要です。
ただし、開業資金の大半は物件の取得費であるため、居抜き物件を活用する、小規模なテイクアウト専門店にする、キッチンカーで開業するといった方法で費用を抑えることも可能です。
なお、ハンバーガー屋を開業する際には、以下の費用が発生します。
- 物件取得費:数十万円〜500万円
- 内装工事費:数十万円〜200万円
- 設備や備品の購入費用:50〜100万円
- 数ヶ月分の運転資金:200〜300万円
- 食材の原材料費:数万円〜数十万円
- 販売促進費用:数万円〜数十万円
スタッフを雇う場合、上記に加えて人件費も発生します。
また、開業間際は経営が不安定で「思ったよりも売上が少ない」という事態にも陥りやすいため、開業資金とは別に半年程度の運転資金も初期費用として用意しておくと良いでしょう。
ハンバーガー屋を開業するまでの流れ
ハンバーガー屋を開業するメリットや費用をお伝えしました。続いて、ハンバーガー屋を開業するための詳しい手順を紹介します。
競合店と市場をリサーチする
儲かるハンバーガー屋になるためには、差別化が必須であるため、出店希望エリアの競合店と市場のリサーチを行いましょう。
もちろん、人通りが多いエリアほど売上は見込めますが、駅構内やショッピングモールといった商業施設内などは出店費用が高いためリスクがあります。
リスクを最小限に抑えるためにも、ある程度の人通りがあり、競合店がない(あるいは少ない)エリアをおすすめします。
もしエリア内に老舗や人気のハンバーガー屋がある場合、新規出店しても売上を伸ばすのは難しいでしょう。よほどの勝算がない限り、出店を見合わせた方がよいでしょう。
コンセプトとターゲットを決める
出店エリアが決まったら、店舗のコンセプトとターゲットの決定です。
コンセプトは、店舗のこだわりや想いだけでなく、周辺にある飲食店の事情も勘案しましょう。周辺事情を考慮し、自分たちが思い描くコンセプトを作り上げます。
ターゲットは、ビジネスパーソンが多いエリアなら、20~30代の忙しい男性向けの食べごたえのあるハンバーガーを作る。若年層の女性をターゲットとするなら、ヘルシーでも満腹感のあるハンバーガーを作るなど。
コンセプトやターゲットが固まったら、並行してメニューやレシピ、仕入れ先なども調べておくとスムーズです。
テナントを契約する
コンセプトとターゲットが決まったら、次にテナントの契約です。テナントは「好立地」かつ「低家賃」のものを探すのがおすすめ。
自店にとってベストなテナントを見つけるためにも、複数の不動産窓口を回るのがおすすめ。いくつか候補をピックアップし、内覧した上で一番良いテナントに決めましょう。
テナント探しでは、物件取得費や内装費のことも勘案しておいてください。まとまった費用がいくらかかかるのか、テナント引渡し後どの程度の内装工事が必要かなどを契約時に相談し、あらかじめコストを見積もっておきましょう。
テナント引き渡し後、内装工事を進める
無事にテナントを契約できたら、内装工事を進めましょう。イートインを行うかどうかで内装工事費は大きく変わります。
イートインとテイクアウトを同時に行う場合、客席と調理ができる厨房設備、レジ対応ができるスペースを確保しましょう。テイクアウトの場合、客席は必要ないので少ないスペースですみます。
最初から設備が揃っている「居抜き物件」を借りた場合、10万円程度で施工が完了することも。スケルトンで借りた場合は数百万円かかるなど、テナントの契約状態によって内装費は大幅に変わります。初期費用を抑えるために内装をどうするべきか考えながら動くことが大切です。
飲食店営業許可を取得する
ハンバーガー屋は飲食店なので、飲食店営業許可が必要です。開業予定エリアを管轄する保健所に申請を出し、担当者の現場チェックでOKが出ることで許可が通ります。
飲食店営業許可を取得するためには、「食品衛生責任者」の資格が必要です。衛生管理を担う人を1人配置しなければならない(店長またはオーナー)ので、代表者が許可を取りましょう。食品衛生責任者は講習を受けることで取得できます。
開業準備
無事に営業許可が通ったら、いよいよ店舗オープンです。しかし、開業すぐに店舗が混むとは限りません。お客さんが少ないことに備えて、SNSなどを使った集客も同時並行しましょう。スタッフを雇用する場合は、作業マニュアル体制も整えておいてください。
ハンバーガー屋を開業する際のコツと注意点
ハンバーガー屋は一般的な飲食店と比べても開業メリットが多い業態です。ただ、競合と同じ経営手法ではうまくいかないのも事実。ここでは、ハンバーガー屋を開業する際のコツと注意点をお伝えします。
他店に負けない商品力やマーケティング力が不可欠
ハンバーガー業界は参入しやすいがために多様化しており、さまざまなコンセプトの店舗が生まれています。
そのため、他店との競争に巻き込まれないようなオリジナル性の高い店舗を作らなければなりません。
そこで大切になってくるのが「商品力」です。他店がまだ始めていない独自性かつ美味しいハンバーガーを作る必要があります。
試作を繰り返して商品力を高めたり、生み出した商品を多くの人に食べてもらうためマーケティング力が必要だったり。人気店にするために必要な要素は多いです。
魅力的なハンバーガー店を作るためにも、商品力とマーケティング力を高める工夫をしましょう。
生き残れる可能性の高い立地・テナントを選ぶ
お伝えしたように、ハンバーガー業界は競合が多いです。ある程度人通りがある場所に店舗を構えると、少なからず競合に巻き込まれるでしょう。
その際に、売上を見込めないリスクも考えておくことが大切です。もちろん、駅前や商業施設の一角など毎日何千人、何万人が通るような場所は理想ですが、コストのリスクを踏まえた上でテナントを借りましょう。
開業コストとランニングコストが大きいと、売上が出なかった時のリスクが大きいです。そのため最初のコストをいかに抑えるかが重要となります。多少立地が悪くても商品力やマーケティング力が高ければ勝算はあるので、物件取得などのイニシャルコスト(初期費用)と、賃料や人件費などのランニングコストは慎重に考えましょう。
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まとめ
ハンバーガー屋は、時間を問わず集客を狙えたり、イートインとテイクアウトを共存しやすかったりと開業メリットが多いです。しかし、最近は競争が激しくなっているので他店とどう差別化するか考える必要があります。自店にしかないオリジナルの商品を作り、適切なマーケティング施策を打てれば、十分に勝算はあるといえます。ぜひ本記事の内容を、ご自身のハンバーガー屋開業にお役立てください。