蕎麦屋を開業するには、個人で開業する以外にもフランチャイズに加盟するという方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、必要な資金も異なるため、自分の理想とする蕎麦屋に近い形式や予算に応じた開業方法を選択することが重要です。
この記事では、蕎麦屋の開業方法や開業に必要な資金、利益を生み出し成功する蕎麦屋になる秘訣を解説します。
蕎麦が好きで自分で手がけた蕎麦を多くの人に食べてもらいたい、将来は脱サラして自分のお店を持ちたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
蕎麦屋の開業方法とメリット・デメリット
蕎麦屋を開業する際、個人店とフランチャイズのチェーン店では、以下のような違いがあります。
個人店
個人で蕎麦屋を開業する場合のメリットは、店舗運営に関する全てを自由に決められることです。
自分のこだわりのメニューや内装、立地などを反映させた店舗作りができるので、
「自分は高品質の蕎麦を提供したいからメニュー数は少なくする」といった対応も可能です。
一方で、蕎麦作りの技術だけではなく、店舗の経営ノウハウも必須となることがデメリットと言えるでしょう。
飲食店の勤務経験がない人など、全くの初心者や未経験者が個人経営の蕎麦屋をいきなり開業するというのは現実的ではありません。
フランチャイズのチェーン店
フランチャイズに加盟して蕎麦屋を開業する場合のメリットは、本部からさまざまなサポートを受けられる点です。
例えば、物件探しや店舗運営マニュアル、メニューや現場でのオペレーションの共有があります。
中には資金面でのサポートをしてくれるフランチャイズもあります。
認知度の高い蕎麦屋のブランドであれば、開業直後から集客もしやすいでしょう。飲食店の独立開業が未経験の方にはおすすめの方法と言えます。
ただし、個人での開業と比べると自由度は低いことがデメリットです。自分がしたいことがあっても、本部の方針でできないこともあるため注意してください。
蕎麦屋の開業に必要な資金
蕎麦屋の開業に必要な資金は、店舗の立地や広さにもよりますが、1,000万円以上とされています。
開業資金の大半は物件の取得費・工事費・設備費なので、居抜き物件を利用する、中古の機材を使用するなどにより、開業資金を抑えられます。
なお、フランチャイズの場合、本部が開業支援として資金援助を行っていることもあり、場合によっては自己資金500万円程度の開業も可能です。
ただし、フランチャイズの加盟費や研修費などが発生し、毎月ロイヤリティの支払いも行わなければならないのでよく検討してください。
蕎麦屋の開業・成功が難しい理由
蕎麦屋に憧れて開業する人は少なくありませんが、蕎麦屋の開業・運営は難しいとされています。その理由としてあげられるのが、開業資金の高さや仕込みの大変さ、客単価の低さなどです。
蕎麦屋の開業資金は1,000万円以上と他の飲食店と比べても高額であるため、資金をいかにして集めるかは最初のハードルとなります。
また、開業したとしても、毎日の蕎麦の仕込みが大きな負担になる恐れがあります。特に手打ちの蕎麦を提供しようとしている場合、仕込みだけで時間がかかってしまうでしょう。
そのほかにも、蕎麦は1人あたりの単価が1,000円前後なので、開業資金の回収には時間がかかります。早く黒字化して事業を成功させるには、サイドメニューやお酒を提供するなどして、客単価を上げる工夫をしなければなりません。
蕎麦屋の年収は?
蕎麦屋を開業した場合の年収は、約350〜450万円程度とされています。もちろん店舗の規模や蕎麦の材料費などによって異なりますが、一般的な会社員より低い水準に留まることが多い傾向にあります。
年収をアップさせるには、客単価を上げることがポイントです。蕎麦以外のサイドメニューやトッピングを選べるようにする、セットの定食を作るといった対応もできます。
また、ディナー営業を行うことも1つの方法です。ディナーの際にはランチとメニューを違うものにし、お酒も提供するなど、客単価を上げる工夫をしましょう。
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蕎麦屋を開業するまでの流れ
ここでは蕎麦屋を開業するまでにどのようなステップを踏むのか解説します。将来は脱サラして蕎麦屋を開業したいと考えている方、まず何から始めればいいのかわからないといった方は参考にしてください。
蕎麦の作り方を身につける
手打ちの蕎麦を提供する場合、蕎麦の作り方を身につける必要があります。手打ちの場合、蕎麦粉や水の割合、練り方、切り方などによって蕎麦の仕上がりが大きく変化します。
そのため自分が納得できる蕎麦はどのようにして作るのか、基本を身につけておきましょう。個人で作り方を学ぶこともできますが、有名蕎麦店などで修行をしながら蕎麦の作り方を習得するケースもあります。
なお、蕎麦は製麺機を使って作ることも可能です。この場合、蕎麦自体は機械が自動で作ってくれますが、材料の配分や温度管理、材料を投入するタイミングなどを勉強する必要があります。
コンセプトの検討
どのような蕎麦屋にしたいのか、コンセプトを明確にする必要があります。例えば、ファミリー層をターゲットにして、サイドメニューも充実させたお店にする、蕎麦の味わいをとことん楽しんでもらうためにメニューは少なめにする、といったコンセプトが考えられます。
コンセプトは、お店のメニューや立地、ターゲット層のベースになる部分であるため、入念に検討するようにしてください。
メニュー開発
蕎麦と一言で言っても、かけや盛り、かき揚げ蕎麦、天ぷら蕎麦、きつね蕎麦、とろろ蕎麦などその種類はさまざまです。
メニューのバリエーションが多い方が顧客にとっては魅力的かもしれませんが、その分仕込みの手間やコストがかかります。
そのため、ターゲットを明確にしたうえでコストや手間とのバランスをとりつつメニューを決めるようにしましょう。
必要な資格・許可の取得
蕎麦屋のような飲食店の開業にあたっては、食品衛生責任者の資格を取得しなければなりません。これは1店舗に1人設置することが法律で定められています。
また、飲食店営業許可も取得する必要があります。これは、その名の通り飲食店の開業にあたって必要な届出です。いずれも取得自体は難しくないため、早めに取得できるようにしておきましょう。
店舗探し
店舗の立地によって顧客層が異なるため、物件はコンセプトに基づいて探すことが大切です。例えば、ファミリー層をターゲットにしているのであれば、駅前や繁華街、オフィス街の近くよりも郊外の方が適しているでしょう。
店舗が見つかったら内外装の工事を行います。内装や外装もコンセプトからずれないように注意しなければなりません。
なお、蕎麦屋の開業にあたっては、居抜き物件を使うことも可能です。居抜き物件は、前のオーナーが蕎麦屋や別の飲食店を営んでいて、厨房の設備や内外装の設備が残っている物件のことです。内外装の工事費用を抑えられるというメリットがあります。
調理器具などの調達
店舗を取得したら、調理などで使用する各種器具の調達も進めましょう。調達するものは店舗によっても異なりますが、具体例としては、蕎麦釡やフライヤー(揚げ物を提供する場合)、炊飯器(ご飯系のメニューも提供する場合)、冷蔵庫、製氷機、寸胴、椅子、テーブル、せいろ、箸、などが挙げられます。費用負担を少しでも抑えたい場合は、中古品を活用することも1つの方法です。
蕎麦屋の開業が失敗する理由
蕎麦屋を開業したものの、売上が思ったよりも伸びず廃業となってしまうケースは少なくありません。その主な理由としては以下のような点が挙げられます。
・蕎麦の仕込みが予想以上に大変で製造量に限りがあった
・利益回収ができない
・コンセプトが立地にあっていない
自家製麺を提供する場合、仕込みに時間がかかると提供できる蕎麦の数が少なくなり、売上が思ったほど伸びなくなる恐れがあるでしょう。
また、売り上げを伸ばそうとしてメニュー数を増やしたり、最新の設備を揃えたりしたものの、客足が予想よりも伸びず、資金繰りに苦しんでしまうケースもあります。蕎麦屋の運営に当たっては、自分の生活に必要な費用や店舗運営に必要な資金を踏まえたうえで資金計画を立てることが大切です。開業直後から大きな投資をするのではなく、徐々に進めていくことがポイントとなります。
そのほかにも、立地とお店のコンセプトがあっていないために、売上が伸びないケースもあります。例えば、高い回転率が特徴である立ち食い蕎麦屋を住宅街で開業しても客足は伸びないでしょう。同様に、ビジネスマンのランチタイムを狙いにしている蕎麦屋が、蕎麦やだしにこだわっていて提供までに時間がかかっていると集客は難しくなります。
成功する蕎麦屋になるには?
最後に蕎麦屋の開業にあたって、検討しておきたい大切なポイントを紹介します。店舗運営を大きく左右する要素でもあるため参考にしてください。
蕎麦を自分で作るか自動化するか
手打ちは時間も手間もかかる重労働ですが、その分自分のこだわりを反映させやすい点が特徴です。一方の機械は、材料を投入すれば基本的に自動で製麺してくれるため、手間や負担が軽減されます。また、個人の製麺スキルに依存しないため、オーナー自ら製麺しなくても従業員に任せることができます。
サイドメニューの選択
売上アップを目指すために、蕎麦だけでなくサイドメニューを提供するのかどうかも検討する必要があります。
例えば、天ぷらなどのトッピングメニューを豊富に用意する、ご飯ものやおかず系のメニューを用意するといったことが考えられるでしょう。
蕎麦屋によってはカレーを提供しているケースもあります。
そのほかにも、ランチ営業だけでなく、ディナー営業を行い、ディナーはセットメニューにするといったこともできるでしょう。
お酒を提供する
蕎麦を食べながらお酒を飲みたいと考える人は少なくありません。そのため、お酒を提供するのかどうか、提供するのであれば時間帯はどうするかといったことを検討しましょう。
例えば、ランチタイムは蕎麦のみでお酒はなし、ディナー営業ではお酒の提供も行うといった形ができます。蕎麦にあう高級な日本酒や焼酎を提供できれば、ほかの蕎麦屋との差別化にもつながるでしょう。
お酒を提供する場合、どのお酒が蕎麦に合うのかについても検討しなければなりません。また、お酒の調達コストや手間もかかるため注意してください。
回転率を上げる
具体的な例としては、従業員の雇用やキャッシュレス決済システムの導入などが挙げられます。
従業員を雇用することでオーナーは調理に集中することができます。
また、キャッシュレス決済システムがあれば、会計時のお釣りのやりとりがなくなるためよりスムーズになるでしょう。
もちろん従業員の雇用やシステムの導入にはコストがかかるため、資金繰りが苦しくならない範囲で取り組んでみてください。
まとめ
今回は、蕎麦屋の開業方法と必要な資金、蕎麦屋を開業した場合の平均年収などについて解説しました。
蕎麦屋を開業する場合、個人開業とフランチャイズでの開業の2種類があります。開業費用はフランチャイズの方が安い傾向にありますが、個人の場合自分のこだわりを反映できるといったメリットもあるため、自分がどのような蕎麦屋にしたいのかによって開業方法を選びましょう。
うどん・蕎麦でおすすめのフランチャイズ
アサイー&ヘルシーサンド『808スタイル』
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