飲食店を経営していく上でスタッフの育成は欠かせません。
しかし、スタッフを育成する重要性やメリットがわからず、飲食店開業する上で不安を感じている方や、「未だにスタッフの育成に取り組めていない」という現役経営者も多いのではないでしょうか?
この記事では、飲食店のスタッフの育成について紹介していきます。
- 飲食店がスタッフの育成に力を入れるメリット
- スタッフ育成に失敗する理由
- スタッフ育成を成功させる上で押さえておきたいポイント
などについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店がスタッフの育成に力を入れるメリット
飲食店がスタッフの育成に力を入れることで期待できるようになる主なメリットとしては、3つがあげられます。
- サービスの質が向上する
- お客さんの評価につながる
- スタッフの定着率が向上する
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
サービスの質が向上する
スタッフの育成に力を入れるとスタッフのオペレーション能力や接客力が高まり、店舗全体のサービスの質が向上します。
サービスの質が高くなり、そのことが口コミで広まればより多くの来客が見込めます。
「良いお店だったな」
「また行きたいな」
と、思ってもらえる可能性も高くなるため、リピーターの獲得にもつながるでしょう。
お客さんの評価につながる
スタッフの育成に力を入れたことでサービスの質が向上すると、お客さんからの評価も高まります。
例えば、これまで基本的な接客ができておらず、お客さんからの評価が低くなっていたのであれば、育成によってスタッフが接客を身につけるだけでお客さんからの評価が大きく変わるはずです。
また、料理やドリンクの提供が遅いことで評価が悪くなっていた場合、育成によってオペレーションが効率化されて提供スピードが向上すれば、お客さんからの評価も上がるでしょう。
飲食店の売上には食べログやGoogle Mapsの口コミが大きく関係してきます。
スタッフの育成によってユーザーの評価が変わって良い口コミが投稿される機会が増えれば、来客が増え、売上の向上にもつながるはずです。
スタッフの定着率が向上する
これまでスタッフの育成に力を入れていなかった飲食店がスタッフの育成に取り組む場合、マニュアルを作成することになります。
このマニュアルによって期待できるようになるのが、スタッフの定着率の向上です。
個人が経営している飲食店では、マニュアルが用意されていないケースが多々あります。
経営者や店長、先輩スタッフが口頭で教育してスタッフを育成するのが一般的です。
しかし、口頭での指導で一人前になるのは時間がかかりますし、とにかく大変です。
その大変さに耐えきれず辞めてしまうスタッフもたくさんいますが、しっかりとマニュアルを用意していつでも学べる環境を用意しておけば、そういった事態を避けられます。
また、スタッフの育成に力を入れるのであれば評価制度を用意して頑張りが給与や待遇に反映される環境を整えるべきです。
評価制度も定着率の向上に大きく貢献してくれます。
近年はどの業界も人手不足が深刻で、特に飲食業界は7割以上の店舗が「人手不足の状態が続いている」と回答するほど人手不足に悩まされている状態です。
スタッフの定着率が向上するという点は非常に大きなメリットになるでしょう。
飲食店がスタッフの育成を成功させるために知っておくべき4つのポイント
飲食店のスタッフの育成が失敗する最大の理由は、育成を成功させる方法を学ばず、見切り発車で取り組みをスタートさせてしまうからに他なりません。
飲食店がスタッフの育成を成功させるためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
そのポイントを押さえた上で育成をスタートさせるようにしましょう。
主なポイントとしてあげられるのは、4点です。
- マニュアルを用意する
- 評価制度を用意する
- 育成には時間がかかるということを理解しておく
- 他社の事例や考え方を参考にする
それぞれ詳しく解説していきます。
マニュアルを用意する
飲食店の経営者が、スタッフの育成への取り組みをスタートさせる上で欠かせないのが「マニュアル」です。
スタッフを育成する前に必ずマニュアルを作成し、用意しておくようにしましょう。
大手の飲食店はスタッフ育成マニュアルに沿って育成をしているため、どの店舗にいっても安定したサービスが受けられます。
マニュアルが用意されていないと、スタッフ育成を進める上での指標がないため、経営者や店長のやり方に左右されてしまい、質が担保されません。
また、日によって指導内容や指摘が異なってしまうことも多々あり、オペレーションが統一できずにトラブルに発展することもあります。
そういった事態を避けるためにも、マニュアルを用意し、流れに沿って育成できる環境を整える必要があるのです。
評価制度を用意する
スタッフの育成を成功させたいのであれば、スタッフの頑張りや貢献度を評価する評価制度も用意しておかなくてはいけません。
評価制度が用意されていない場合、いくら頑張ったとしてもその頑張りが評価されず、従業員の向上心やモチベーションを保つことができません。
頑張りや学ぶ姿勢が評価される評価制度は、スタッフの意欲をかき立ててくれます。
また、評価制度は、評価の基準がわかりにくかったり、給与や待遇に反映されなければ意味がありません。
評価制度を用意するのであれば、どうすれば評価に反映されるのかを明確にしましょう。
また、評価によって得られるメリットもわかりやすい形で提示するなど、スタッフのモチベーション向上につながるようにしましょう。
育成には時間がかかるということを理解しておく
これまでスタッフの育成に取り組んだことがない方や力を入れたことがない方は、その結果がすぐに反映されると考えてしまう傾向があります。
スタッフの育成に取り組めば、すぐにオペレーションの質が向上して売上アップにつながると考えている経営者も多いのではないでしょうか?
しかし、スタッフの育成への取り組みがすぐに結果に反映されることはほとんどありません。
人材の育成にはとにかく時間がかかります。
なかなか結果に反映されず、やきもきすることもあるかと思いますが、これがスタッフの育成の難しさでもあります。
このことを理解しておかないと、スタッフの育成への取り組みを早々に諦めてしまいかねません。
そうなってしまわないためにも、結果が出るにはある程度時間が必要になるということを念頭に置きながら取り組むようにしてください。
他社の事例や考え方を参考にする
個人店の経営者は、スタッフ育成に自己流で取り組もうとしてしまうことが多いです。
しかし、飲食店で働いた経験や後輩を育成した経験がない方が、自己流でスタッフ育成に取り組もうとすると失敗してしまう傾向にあります。
自己流にこだわらず、他社のスタッフの育成に関するノウハウや事例・考え方を積極的に取り入れて参考にするようにしてみましょう。
また、書店にいけば、スタッフの育成方法に関する本もたくさん並んでいるので、それらを参考にしながら育成に取り組むのも良いでしょう。
厚生労働省が公表している「外食産業の人材育成のために」という資料も参考になるのでチェックしてみてください。
参考:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000093810.pdf
まとめ
飲食店のスタッフの育成について紹介してきました。
スタッフの育成は手間がかかり、スタッフ育成に失敗してしまう飲食店は意外と多いです。
しかし、飲食店を繁盛させたいと考えているのであれば、育成には積極的に取り組むべきです。
取り組む際は今回紹介した4つのポイントを意識しながら取り組むようにしてみてください。