焼肉店を開業する際に重要となるのは、いったいどの部分でしょうか。商品の品質や店内の雰囲気、立地など、考えられるさまざまな条件があります。
中でも一番大切だといえるのが「煙やにおいの処理」です。
店内に煙がこもると服や髪の毛に臭いがつきますし、店外へ煙をそのまま出せばクレームにつながります。
この記事では、焼肉店における換気設備の大切さと、無煙ロースターについて詳しく説明します。
フランチャイズで焼肉店の開業を考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
焼肉店のフランチャイズは物件探しが大変
焼肉店を開業しようと考えた場合、店舗物件探しにとても難航するのは間違いないでしょう。
煙が近隣のクレームにつながる
焼肉屋のクレーム問題で必ずといってよいほど出てくるのが、排煙とにおいに関することです。
顧客として訪問するには、煙とにおいは食欲を誘うのでよい演出となります。しかし、近隣住民にとっては煙やにおいはクレームの対象でしかありません。
それを嫌がる貸主が、焼肉店の開業を認めないケースが非常に多くあります。
もし貸主から営業の許可が出たとしても、換気や排気の設備がなければ取り付けなければなりません。
焼肉屋の場合、換気や排気の設備は厨房だけではなくそれぞれの客席にも必要となるため、工事には費用と時間がそれなりにかかります。
居抜きでも排気設備に注意
設備投資を抑えるという意味では、焼肉屋を経営していた居抜き物件(内装がそのまま残っている店舗物件)を探すのも一つの方法です。
居抜き物件を借りる際には、換気設備やダクトがきちんと使えるかどうかがカギとなります。
換気設備が古いとダクト内部に油汚れがこびりつき、うまく機能せず営業に支障の出るケースがあります。
汚れがひどい場合、ダクトがつまってしまい換気できず、最悪火災などの事故につながりかねません。
設備の古い居抜き物件では、排気設備のリニューアルは必要と思っておいた方がよいかもしれません。
とくに街中など近隣に住宅がある店舗で営業する場合、煙の少ない排気設備や無煙ロースターの設置は必須と考えておきましょう。
換気や排煙の問題をおろそかにすると経営にも大きく影響が出るため、ある程度費用をかけてでも対策しておくことが必要です。
煙の少ない無煙ロースターとは
最近では、煙の処理に多くの焼肉屋で無煙ロースターが使用されています。
無煙ロースターとは名前の通り煙が少ないロースターで、店内に煙やにおいがこもらず、服や髪の毛に臭いがつきにくいのが特徴です。
焼肉屋で使用されている無煙ロースターは仕組みによって大きく2種類に分けられ、それぞれ煙の処理方法が異なります。
ダクト式
ダクト式無煙ロースターは、店内から店外に向けて排気ダクトをひき、そこから煙を逃がすタイプのものです。現在多くの焼肉店で使用されているのが、ダクト式になります。
ロースターと排気ファンをダクト管でつなぎ、排気ファンで煙を吸い上げて屋外へ排出します。
デザインやバリエーションが多く、店舗の雰囲気に合わせて施工できるのが特徴です。
ダクト式にも天井にダクトを引く「上引きフードタイプ」と、床下にダクトをひく「下引きフードタイプ」の2種類があります。
上引きフードタイプは、天井からフードを吊り下げて煙を吸いだすタイプで、清掃やメンテナンスが比較的簡単で、低コストで運用できるのがメリットとなります。
下引きフードタイプは、テーブルから吸引して床下のダクトを通して煙を排出します。天井にダクトが通せない場合や、見た目をすっきりさせるために使用されることが多いです。
なお、ダクト式では何も処理しなければ煙やにおいはそのまま外に排出されてしまいます。
そのままだとクレームにつながりますので、消煙装置や消臭装置を別途ダクトへ取り付けるなどの対策が必要不可欠です。
ノンダクト式
ノンダクト式無煙ロースターは、煙をロースター内部の集じん機に取り込み、フィルターを通して煙やにおいを減らすタイプのものです。
ダクトを設置する必要がないため、ダクトスペースが必要なく、テーブルの位置も自由にレイアウトできるメリットがあります。
またダクトのメンテナンスをする必要がなく、店外に煙やにおいが出ないのも大きな特徴です。
そのためダクトを設置できない比較的狭い店内で使用したり、宴会場やパーティー会場で利用されたりしています。
まとめ
ここまで、焼肉店の換気と無煙ロースターについて説明しました。
焼肉店を経営する上で一番大切ともいえるのが、煙とにおいの処理です。
いくらよい商品を提供していても、顧客や近隣からのクレームで営業できなくなるというのは避けたい問題です。
「臭くならない(匂いがつかない)焼肉屋」を目指すには、店内や店外への煙処理は、無煙ロースターと消煙・消臭装置の導入がもっとも有効となります。
顧客や近隣へ配慮した店づくりをするために、換気設備には細心の注意を払うように心がけましょう。