新型コロナウイルスが流行して以降、アクリル板を設置する飲食店が増えてきています。
そのため、「アクリル板を設置するべきかな…」と、設置を検討している飲食店開業者や経営者も多いのではないでしょうか?
しかし、アクリル板の設置にはメリットもあればデメリットもあります。
また、実際に設置する場合は注意しなくてはいけないポイントもあるため、それを事前に確認しておかなくてはいけません。
この記事では、飲食店がアクリル板を設置する際に知っておきたい基本的な知識について紹介していきます。
- アクリル板を設置するメリット・デメリット
- アクリル板の購入方法
- アクリル板を設置する際の注意点
などについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店がアクリル板を設置するメリット
飲食店がアクリル板を設置するかどうかを考える上でまず確認しておきたいのが、「アクリル板を設置することでどういったメリットが期待できるようになるのか」についてです。
飲食店がアクリル板を設置する主なメリットとしては、以下の3点があげられます。
- 安心して店舗を利用してもらえる
- スタッフが新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減できる
- コロナ対策適正店舗の認証を受けられる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
安心して店舗を利用してもらえる
飲食店を利用するお客さんの中には、「店舗で飲食したいけど、新型コロナウイルスの感染が怖くてなかなか利用できずにいる」という人もたくさんいます。
しかし、「きちんと対策されている店舗なら安心して利用できる」と考えている人も多く、アクリル板を設置して対策していることをアピールすることで、そういったお客さんの来店を促せるようになります。
せっかく来店しようと思ってくれているお客さんを逃さないためにも、アクリル板の設置は積極的におこなっておきたいところです。
スタッフが新型コロナウイルスに感染するリスクを軽減できる
アクリル板の設置によってどこまで新型コロナウイルスの感染やウイルスの拡散を防げるかについては、専門家の間でも意見が分かれています。
実際にアクリル板を設置すれば安心というわけでもありません。
ただ、アクリル板を設置することで多少なりとも感染のリスクを抑えられるのであれば、積極的に設置するべきです。
アクリル板の設置は、お客さんの感染を防ぐのはもちろん、店内で働いているスタッフの感染を防ぐ効果もあります。
スタッフ間で感染者が出てしまうと、最悪の場合休業しなくてはいけなくなってしまう可能性もあるので、スタッフの感染を防ぐことができる点もアクリル板の設置によってもたらされる大きなメリットになるでしょう。
コロナ対策適正店舗の認証を受けられる
消毒液を設置してアクリル板を設置するなど新型コロナウイルスへの対策がしっかりとおこなわれている店舗は、自治体から「コロナ対策適正店舗」の認証を受けることができます。
認証を受けた店舗だということをアピールすることで、お客さんにより安心して利用してもらえるようになるでしょう。
また、認証を受けることで、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発せられた場合の補助金の受給も可能になります。
飲食店がアクリル板を設置するデメリット
アクリル板の設置を検討しているのであれば、メリットだけでなくデメリットについても確認しておかなくてはいけません。
飲食店がアクリル板を設置するデメリットとしては、次の3点があげられます。
- コストがかかる
- 手間がかかる
- 壊される可能性がある
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
コストがかかる
飲食店が席に設置するアクリル板の価格は製品によって異なるものの、3,000〜5,000円ほどで購入できます。
そのため、席の少ない店舗であれば数万円の出費で対応できるでしょう。
一方、席の多い店舗になると数十個単位で購入しなくてはならないため、かなりコストがかかります。
数十万円単位の出費になるケースも少なくありません。
ただ、自治体によってはアクリル板を購入するなどコロナ対策をおこなう店舗に対して補助金を出している場合もあるので、アクリル板を購入する際は補助金についても確認するようにしてください。
手間がかかる
アクリル板の設置には手間がかかります。
席の少ない店舗であれば数時間の対応で済みますが、席の多い店舗になると丸一日かかってしまう可能性もあります。
席の多い店舗の場合は、休日を返上しての対応が必要になるかもしれませんし、店舗を休みにしての対応が必要になるかもしれません。
また、自治体によっては設置のルールが厳格に決められている場合もあります。
それらのルールを厳守しながら設置する必要があるため、なおさら時間と手間がかかります。
壊される可能性がある
飲食店がアクリル板を設置して営業をおこなう上で厄介なのが、来店するすべてのお客さんがアクリル板の設置を良く思っているわけではないという点についてです。
顔の横や目の前に大きなアクリル板が設置されているとどうしても圧迫感を感じてしまい、アクリル板をどかしてしまうお客さんもいます。
そういったお客さんがいると他のお客さんが楽しく過ごませんし、場合によっては他のお客さんが退店してしまう可能性もあります。
また、より厄介なのがアクリル板を壊してしまうお客さんです。
実際、アクリル板を壊されて頭を抱えている店舗は少なくありません。
参考:https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20211112c.html
飲食店がアクリル板を設置する場合、そういったお客さんへの対処についても考えておく必要があります。
アクリル板の購入方法
アクリル板を設置することを決めたのであれば、アクリル板の購入方法についても確認しておきましょう。
アクリル板は、店舗か通販サイトで購入することができます。
それぞれの購入方法の概要やメリット・デメリットについて解説していきます。
店舗で購入する
アクリル板は店舗で購入することができますが、取り扱っている店舗が意外と少なく、実際に購入できる店舗は限られてしまいます。
まずは、どこでアクリル板を取り扱っているか調べる必要があります。
また、店舗まで足を運んだにも関わらず「在庫がなかった…」というケースも想定されるので、在庫は事前に確認しておくと良いでしょう。
現物のサイズ感など確認しながら購入を検討できるのは、店舗購入ならではのメリットです。
在庫さえあれば、その場で購入してその日のうちに設置することもできます。
ただ、デメリットとしては、その店舗の営業時間にあわせて店に足を運ばなくてはいけないので、時間と手間がかかります。
通販サイトで購入する
アクリル板を取り扱っている店舗がそこまで多くないこともあり、地方はそもそもアクリル板を取り扱っている店舗がない可能性もあります。
そこでおすすめなのが、通販サイトでの購入です。
実物を確認することはできませんが、画像やサイズなどの情報が細かく掲載されている通販サイトで購入すれば、失敗したり粗悪品が届いたりすることはないでしょう。
通販サイトであれば、わざわざ店舗を探す必要や店舗まで足を運ぶ必要がないというメリットがあります。
一方、お店の場所や通販サイトによっては送料がかかってしまう可能性があります。
アクリル板の自作はおすすめできない
店舗に設置するアクリル板は、自作しようと思えば簡単に自作できてしまいます。
しかし、アクリル板を自作して設置するのはおすすめできません。
アクリル板の形状やサイズなど規格が設けられているケースがほとんどです。
例えば、兵庫県の場合、「パーティションの高さは、目を覆う程度の高さである(参考)17歳男性の平均座高は、92cm(平成27年度学校保健統計調査)」というルールが設定されています。
参考:https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk42/ninsyo.html
あくまで一例ですので、必ずしもこのルールが適用されるわけではありませんが、自治体によってより細かくアクリル板の規格が指定されている可能性があります。
アクリル板を自作して設置したとしても、規格を満たせていないとコロナ対策適正店舗の認証は受けられません。
制作する手間や時間を無駄にしてしまわないためにも、規格を意識して制作されている市販のアクリル板を購入し、設置するようにしてください。
飲食店がアクリル板を設置する際の注意点
飲食店がアクリル板を購入して店舗に設置していくときに注意しなくてはいけないのが、設置のルールについてです。
自治体によっては、アクリル板を設置する間隔や設置する場所などのルールを厳しく定めている場合があります。
代表的なルールとしては、以下のことがあげられます。
- カウンター席の場合1mの間隔をあけて席と席の間にアクリル板を設置する
- テーブル席の場合「+」の形になるようにアクリル板を設置する
アクリル板を設置してはいるものの、これらのルールを守れていない場合、コロナ対策適正店舗の認証が受けられないケースもあるため注意しなくてはいけません。
実際にアクリル板を設置する際は、店舗のある地域の自治体ホームページで設置のルールを確認した上で設置するようにしましょう。
まとめ
アクリル板を設置するメリット・デメリットについて紹介してきました。
アクリル板の設置には手間やコストがかかりますが、新型コロナウイルスの影響がまだ落ち着く様子がない点を考えると、一日でも早くアクリル板を設置するべきでしょう。
アクリル板が設置されていないというだけで利用を避ける人もいるので、そういったお客さんに来店してもらうためにも設置は必須です。
何より、店舗からコロナの感染者が出てしまったりクラスターが発生してしまったりして休業せざるを得なくなってしまうケースを考えると、対策はしておくべきです。
実際に購入する場合は、それぞれの自治体が設けているルールを確認しながら購入するようにしましょう。