夫婦での開業を考えている方で、フランチャイズを視野に入れている方も多いと思います。
夫婦で事業を始めるには、フランチャイズに加盟して進めるのは非常に向いています。
ただ、どのように進めると良いかよくわからない、メリットとデメリットを知りたいという方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、夫婦でフランチャイズ経営をするにあたってのポイント、メリットデメリット、おすすめの業種について説明します。
『夫婦で起業を考えているがどう進めるとよいかよくわからない』という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
夫婦でフランチャイズ経営を始めるには
夫婦でフランチャイズ経営を始めるにあたって、下記のポイントを押さえて進めるとよいでしょう。
フランチャイズの仕組みを知る
夫婦でフランチャイズ運営を考えている場合、まずはフランチャイズの仕組みをよく知っておくことが大切です。
フランチャイズの仕組みを簡単に表すと、次の通りになります。
- フランチャイズ本部に加盟し、決められた加盟金とロイヤリティ(ブランドの使用料など)を支払う
- 加盟店側は支払いの対価としてフランチャイズ本部の持つブランドや商品の販売権、経営のノウハウを得られる
フランチャイズ経営ではどの企業に加盟するか、どの程度自己資金が必要となるかが非常に重要となります。
候補となる複数社から資料を集めて、夫婦で運営するのに適している企業をよく検討しましょう。
お互いの考えと価値観をすり合わせる
夫婦で事業を開業するにあたり、お互いにどのような考えと価値観を持っているか明確にしておきましょう。
開業する業種や業態、事業計画の内容、どのくらいのレベルで仕事に取り組むかなど、夫婦で意見交換してすり合わせておくのが大切です。
お互いにあまりにもかけ離れた考えを持っていると、協力して事業を進めるという目的が果たしづらくなります。
二人で事業を始めるのですから、夫婦ともども前向きに取り組める仕事を選ぶのが重要です。
夫婦の役割分担を決める
人間は誰しも得意・不得意の分野があるものです。一人だけではなく夫婦で運営するのですから、お互いの得意分野が活かせるような役割分担をしておくとよいでしょう。
たとえば夫が「調理と店舗運営」、妻が「接客と経理」というように仕事上の役割を分担したほうが、それぞれの業務に注力できるメリットが大きいです。
お互いに得意分野に注力することで、経営もスムーズに進められます。
合わせて家庭内での役割分担も決めておくことで、仕事にも家庭にもよい影響が出て意思の疎通もはかれます。
役割分担を決めつつ、意思の疎通をお互いにはかれるような距離感を保つのが、夫婦でのビジネスを成功させる秘訣といえるでしょう。
片方が副業としてサポートする方法もある
夫婦両方とも専業とせず、片方が会社勤めのまま副業でサポートする方法もあります。
片方が会社員であれば、収入面でのリスクヘッジや社会的な信用などメリットも多いです。
事業が安定するまでは、片方が副業でバックオフィス業務を請け負うだけでも大きな援助となります。
ただし、副業が認められていない職についていたり、“夫婦とも専業とする”ことを加盟の絶対条件とするフランチャイズ企業があったりしますので、その点は注意が必要です。
夫婦でフランチャイズ経営するメリット
夫婦でフランチャイズ経営をするにあたって、主なメリットは次の3点です。
①資金調達しやすくなる
どのような業態でも開業するにあたっては、開業資金が必要です。資金調達する場合、自己資金と融資の2通りの方法があります。
自己資金を使う場合、夫婦二人分の預貯金が資金として利用できるので、一人で開業するより資金的に楽です。
融資を受ける場合でも、一人だと審査が通らなくても夫婦が連帯保証人になれば通りやすくなります。
資金調達がしやすいことは、経営を早く軌道に乗せるためには大きな手助けとなります。
②経費が抑えられる
夫婦で経営すると、諸経費を抑えやすくなります。事務所として自宅を使用できる業種であれば、固定費が安くあげられます。
とくに人件費と交通費については、従業員を雇うと避けられない問題です。夫婦であれば経営の内情もわかっているため、そのあたりの調整が用意にできます。
従業員を雇うぶんを夫婦間で調整して回せば、かなりの経費出費を抑えられます。
③夫婦で一緒にいる時間が増える
夫婦で一緒に経営に携わるため、一緒にいる時間が増えます。常に一緒にいるため意思決定が早くでき、物事へ迅速な対応ができます。
プライベートの問題も夫婦間でスケジュール調整ができますので、仕事と家庭の両立を図りやすいのも大きなメリットです。
ただし、「夫婦なのだから話し合いをしなくても通じ合っている」ではビジネスはうまくいきません。どんなささいなことでも、お互いに話し合いをする姿勢をもっておくことはとても重要です。
夫婦でフランチャイズ経営するデメリット
夫婦でフランチャイズ経営をすると、メリットだけではなく当然デメリットもあります。
①失敗すると夫婦ともに職を失う
夫婦二人とも専業で起業した場合、もし経営がうまくいかなかった場合に二人とも職を失ってしまう危険性があります。
『最低でも1年程度の生活費を確保しておく』、『経営が波に乗るまでどちらかが本業を持っておく』など、金銭面のリスク分散を考えておくとよいでしょう。
②福利厚生がなくなる
専業で開業した場合は、会社員のときのような福利厚生はありません。
保険類は自分で加入しなければならないので、その分の費用負担が増えることは理解しておき、計算しておきましょう。
また、何らかの理由で店舗を休業するとそのまま収入に響きます。
自営業に有給休暇などはありませんので、収入の保証がありません。逆にいえば働いた分が収入となるので、体調管理などには十分注意が必要です。
③夫婦の関係性が変わる
夫婦で開業すると夫婦でありながらビジネスパートナーともなるため、関係性は少し変わります。
ずっと一緒にいることで仕事とプライベートの線引きがあいまいになると、トラブルの原因となります。
お互いに余裕がないと夫婦という遠慮のない関係上、意見交換が激しくなり、取り返しのつかない溝ができてしまいかねません。
お互いに相手が悪いと責任転嫁せず、冷静に対処できるよう努めなければなりません。
夫婦で始められるおすすめの業種は?
夫婦で始めるのに向いている業種は、下記の通りとなります。
いずれの業種でも未経験から開業しようと考えている方は、フランチャイズ企業を利用すると経営ノウハウが得られるのでおすすめです。
飲食店
飲食店は、夫婦での起業がとくに多い職種となります。経営には
- 調理場のある店舗
- 保健所の営業許可
- 食品衛生管理者の資格
が必要です。飲食店は生存競争が激しく、一から立ち上げて成功させるには難しい職種でもあります。
ネームバリューやノウハウを持っているフランチャイズ企業の力を借りれば、飲食店初心者でもスムーズに開店まで進められるでしょう。
各種販売業
コンビニエンスストアやリサイクルショップ、ネット通販などの各種販売業も、夫婦での開業におすすめとなります。
販売する商品を仕入れて在庫する必要があるため、独自で開業するにはある程度資金を準備しておく必要があります。
販売できる商品は多岐にわたりますが、医薬品や酒類などは販売に資格がいるので注意しましょう。
介護サービス業
介護サービスは、ここ最近需要の伸びている業種となっています。夫婦で開業すると男女がそろっているので、利用者の抵抗を減らせるメリットがあります。
業務内容によっては資格が必要となるので、内容をよく精査して開業準備をしましょう。
まとめ
夫婦で独立開業するということは、デメリット面もありますがメリットの部分が非常に大きいです。
フランチャイズは夫婦で開業するには非常に向いており、夫婦そろっての加入が優遇されている企業などもあります。
まずはどのような業界でどのように進めるのか、企業や業種の情報収集と自分たちにあっているかをよく検討するのが非常に重要です。
「普段から一緒にいるから」となあなあにせず、お互いに納得のうえで開業に進むと経営はうまくいくでしょう。