飲食店のお手洗い(トイレ)は、その店の印象を決める重要な店舗設備の一つです。
しかし、重要な店舗設備であるはずのトイレを軽視している飲食店は意外と多く、トイレが原因となってリピーターの獲得を逃してしまっているケースも少なくありません。
この記事では、飲食店が徹底するべきトイレへの気配りについて紹介していきます。
- トイレへの気配りが重要になる理由
- 実際にトイレにどういった気配りをおこなえばいいのか
について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店を気持ちよく利用してもらうにはお手洗い(トイレ)への気配りが必要不可欠
飲食店での滞在時間は人それぞれですが、一般的な飲食店でも30分以上滞在することは珍しくありません。
居酒屋やバーなどお酒がメインの飲食店だと、数時間滞在するケースもあります。
その場合、必然的にトイレを利用する機会が多くなりますが、トイレが汚かったり不便だったりすると快適に過ごすことができません。
「こんなお店で食事したくない…!」と考えるお客さんも出てくるため、当然そのお客さんがリピーターになってくれることはありません。
最悪の場合、「あのお店トイレが汚くて…」「トイレが使いにくくて…」と悪い口コミを流されてしまう可能性もあります。
そういった事態を避け、リピーターの獲得につなげるためにもトイレへの気配りが欠かせないのです。
すべてのお客さんに共通するお手洗い(トイレ)への気配り
飲食店が意識するべき主なお手洗い(トイレ)への気配りとしては、以下の4点があげられます。
- 清潔な状態を常に保つ
- ニオイに配慮する
- 男性用と女性用を分ける
- 洋式の便器を用意する
それぞれの内容と必要性について詳しく解説していきます。
清潔な状態を常に保つ
飲食店が意識するべきトイレへの気配りの中で最も重要なのが、トイレを清潔な状態に保つことです。
いくら料理がおいしくても、トイレが汚いとそのお店をまた利用したいとは思いません。
お客さんが店舗の衛生観念に疑問を感じてしまう可能性もあるので、開店前・閉店後はもちろん、営業時間が長い場合は営業中も定期的に確認・掃除をおこない、いつでも清潔な状態を保っておくようにしましょう。
ニオイに配慮する
トイレはその性質上どうしてもニオイが発生してしまいますが、だからと言ってニオイを放置していいわけではありません。
すべてのお客さんに快適に利用してもらうためには、ニオイへの対策についても気を配る必要があります。
スプレーや芳香剤を用意してニオイが気にならないよう配慮するのはもちろん、トイレのニオイが外に漏れてしまわないよう、
- 換気扇を常に稼働させておく
- ドアの隙間を埋める
などの対応も必要になります。
男性用と女性用を分ける
小さな飲食店など元々の設備や構造的に対応が難しいケースもありますが、飲食店のトイレはなるべく男性用と女性用を分けるべきです。
異性でトイレが一緒だとどうしても気を使ってしまいます。
お客さんに余計な気を使わせてしまわないためにも、男性用と女性用を分けられるのであれば分けるようにしましょう。
洋式のトイレを用意する
和式のトイレしかない飲食店は、リフォームして洋式のトイレを用意するべきです。
日本財団がおこなったトイレに関する調査のデータを見てもわかるように、和式のトイレを好んで利用する人はほとんどいません。
参考:https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2021/06/new_pr_20210622_2.pdf
高齢の方など和式のトイレを利用すること自体が難しいお客さんもいるので、なるべく洋式のトイレを用意するようにしましょう。
男性客を意識したお手洗い(トイレ)への気配り
飲食店が意識するべきお手洗い(トイレ)への気配りの中には男性客向けのものもあります。
男性客向けの気配りについて解説していきます。
男性用のトイレには小便器を設ける
お客様に男性用のトイレをより快適に過ごしてもらうには、小便器も用意しておくべきです。
大便器しか用意されていないトイレだと手間が増えて不便に感じてしまう上に、トイレが混む要因にもなってしまいかねません。
また、大便器だからと言って必ずしもすべての男性が座って用を足してくれるわけではないので、便器や床が汚れやすくなってしまいます。
掃除や管理の手間を避けるためにも、男性用のトイレには大便器だけでなく小便器も用意しておくようにしましょう。
女性客を意識したお手洗い(トイレ)への気配り
飲食店が意識するべきお手洗い(トイレ)への気配りの中には女性客向けのものもあります。
女性客を意識したお手洗いへの主な気配りとしては、2点があげられます。
- パウダーコーナーを設ける
- 照明は明るめに設定する
それぞれの内容と必要性について詳しく解説していきます。
パウダーコーナーを設ける
トイレを利用するタイミングで化粧を整える女性は少なくありません。
そのため、女性用のトイレにはパウダーコーナーを設けておくと喜ぶ方も多いでしょう。
また、ちょっとしたアメニティを用意しておくと、より印象が良くなります。
照明は明るめに設定する
トイレで化粧を整える女性が多いことを考えると、女性用のトイレの照明は明るめに設定しておくべきです。
雰囲気を出すためにトイレの照明をあえて暗めに設定している飲食店も多いかと思いますが、個室やトイレ全体の照明を暗めに設定していたとしても手洗い場の照明はなるべく明るめに設定しておくようにしましょう。
家族連れのお客さんを意識したお手洗い(トイレ)への気配り
家族連れのお客さんがよく来店する飲食店は、家族連れのお客さんを意識したお手洗い(トイレ)への気配りについても考えなくてはいけません。
家族連れのお客さんを意識したお手洗いへの主な気配りとしては、次の2点があげられます。
- 広い個室を設ける
- ベビーシートを設ける
それぞれの内容と必要性について詳しく解説していきます。
広い個室を設ける
飲食店の中にはお子さんと一緒に来店できることを強みにしているところも多いかと思います。
そういった店舗が用意しておきたいのが、お子さんと一緒に入れる個室です。
小さなお子さんを連れて来店する場合、トイレに行きたくなったからと言ってお子さんを残して席を離れることはできません。
お子さんを連れてトイレを利用することになるため、ある程度広さのあるトイレが必要になります。
ベビーカーが必要な年齢のお子さんを連れているお客さんであればなおさらです。
小さなお子さんを連れているお客さんでも一緒に入れる広い個室を用意するようにしましょう。
ベビーシートを設ける
おむつの外れていない小さなお子さんを連れたお客さんが来店するような飲食店には、ベビーシートの設置が必須になります。
席でおむつを交換することはできませんのでトイレで交換することになります。
ただ、ベビーシートが設けられていないとおむつを交換することができません。
おむつが必要な小さなお子さん連れのお客さんは、ベビーシートの有無で店舗の利用を決めることも少なくありません。
そういったお客さんにも気兼ねなく来店してもらいたいと考えているのであれば、ベビーシートの設置を検討しましょう。
まとめ
お手洗い(トイレ)への気配りを徹底するべき理由に触れつつ、飲食店が取り組むべきトイレへの気配りについて紹介してきました。
飲食店のトイレは広さや備わっている設備が決まっているため、今回紹介した気配りの中には実施するのが難しいものもあるかと思います。
取り組むのが難しいものに予算をかけて無理やり取り組む必要はありませんが、取り組めそうなものがあれば、ぜひ取り組むべきです。
トイレが綺麗で快適な場所にすることで、お客さんにより居心地の良い空間を提供できるようになり、リピーターになってもらえる可能性が高まります。
逆にトイレが汚かったり快適に利用できないと、どれだけ料理が美味しくてもリピートしてもらえなくなってしまうので、積極的に改善するようにしましょう。