ひと月あたりのアクティブユーザーが400万人を超える人気のフードデリバリーサービス、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」。
新型コロナウイルスの影響で需要が高まっているということもあって、登録して利用する飲食店が急増しています。
これから飲食店を始めるのであれば、ウーバーイーツの利用も前向きに検討するべきですが、利用するにはまずサービス登録しなくてはいけません。
そこでこの記事では、ウーバーイーツの登録方法をわかりやすく紹介していきます。
- ウーバーイーツに登録する前に押さえておきたいポイント
- ウーバーイーツを利用するメリット・デメリット
- ウーバーイーツに登録した後の流れなど
についても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店がウーバーイーツに登録するときに知っておきたい基礎知識
ウーバーイーツへの登録や利用を検討しているのであれば、登録した後で「こんなの聞いてなかった…」となってしまわないためにも、以下の5点は事前にしっかりと把握しておくべきです。
- ウーバーイーツのシステム
- ウーバーイーツに登録するときにかかる初期費用
- ウーバーイーツを利用するときにかかる手数料と必要経費
- ウーバーイーツの対応エリア
- ウーバーイーツに登録できる飲食店の条件
それぞれ詳しく解説していきます。
ウーバーイーツのシステム
ウーバーイーツは飲食店のデリバリーを代行してくれるサービスです。
ウーバーイーツに飲食店を登録すると、ウーバーイーツ経由でユーザーからデリバリー注文が入るようになります。
ウーバーイーツには配達パートナーと呼ばれる料理の配達を専門におこなうスタッフが在籍しており、その配達パートナーに配達作業を代行してもらえるようになっています。
飲食店がデリバリーシステムを独自に導入しようとすると、手間やコストがかかりますが、ウーバーイーツを活用すれば手間やコストをかけずにデリバリーを始めることが可能です。
ウーバーイーツに登録するときにかかる初期費用
飲食店がウーバーイーツに登録する場合、50,000円の初期費用が発生します。
これには、以下のようなウーバーイーツ出店時にかかる費用がすべて含まれています。
- 注文を受け付けるタブレットのレンタル料
- 英語メニューの作成にかかる費用
- レストランパートナーアプリ連動設定費
50,000円と聞くと結構な金額に聞こえますが、30回の分割で支払うような仕組みになっており、一回あたり1,667円が毎週の売上から差し引かれるため、そこまで大きな負担になることはありません。
また、初期費用が無料になるキャンペーンがおこなわれていることもあります。
ウーバーイーツを利用するときにかかる手数料と必要経費
ウーバーイーツに登録して実際にシステムを利用する場合、ウーバーイーツ経由で注文が入ると手数料が発生します。
常時発生するのは配達手数料とサービス料の2つです。
配達手数料は、店舗から配達先までの距離や同じ時間帯の利用者数などによって毎回異なるため一概に「〇〇円」とは言えませんが、数十円〜数百円ほどです。
サービス料は注文金額の10%分を徴収されます。
また、注文の金額が700円と少額の場合、別途150円の手数料が発生します。
デリバリーに対応するにはデリバリー用の容器やお箸などの備品も必要になるため、これらも必要経費として発生することをしっかりと認識しておかなくてはいけません。
ウーバーイーツの対応エリア
ウーバーイーツは全国47都道府県すべてのエリアに対応しています。
そのため、どの都道府県の店舗でも登録してデリバリーを始めることができます。
ただ、47都道府県に対応してはいるものの、地域によっては利用できないエリアもあるようなので注意しなくてはいけません。
対応エリアは順次拡大しているようですが、未対応のエリアもあるので、ウーバーイーツのエリア確認ページから自分の店舗がある地域が対応しているかどうかチェックした上で登録するようにしてください。
ウーバーイーツ エリア確認ページ:https://www.ubereats.com/jp/location
ウーバーイーツに登録できる飲食店の条件
ウーバーイーツに登録できる飲食店の条件としては、以下の条件を満たしている必要があります。
- 飲食店営業許可証を保有していること
- 5種類以上のメニューを提供していること
- 週4日以上営業していること
- 1日3時間以上営業していること
飲食店営業許可証は飲食店を始める上で必ず必要になるものなので用意されていないということはないかと思いますが、それ以外の3つは注意が必要です。
メニューの数が5種類に満たない店舗の場合はメニューを増やさなくてはいけません。
また、シェアレストランのように営業時間が短い店舗は営業時間の調整が必要になってしまう可能性もあります。
ウーバーイーツを始める場合、注文を受けるための専用のタブレットが貸し出されますが、タブレットはインターネットに接続されていないと機能しないため、安定して接続できるインターネット環境も用意しておかなくてはいけません。
飲食店がウーバーイーツに登録するメリット
まだウーバーイーツに登録していない飲食店がウーバーイーツに登録してデリバリーサービスを始める主なメリットとして、4つがあげられます。
- 売上アップにつながる
- デリバリーのサービスを気軽に導入できる
- キャンセルされた分も入金してもらえる
- 注文の受け付けを任意で停止できる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
売上アップにつながる
ウーバーイーツは月に400万人ものユーザーが利用するサービスです。
その大人気のサービスに自分の店舗を出店した場合、たくさんのユーザーに注文してもらえる可能性があります。
通常、店舗の存在を多くのユーザーに周知するには手間がかかります。
広告を使って認知度を高めるのであれば、それなりの広告費が発生してしまうことも覚悟しておかなくてはいけません。
一方、ウーバーイーツは多少の初期費用や手数料こそかかるものの、登録さえすれば対象地域に住んでいるユーザーの目にとまるようになり、売上につながる可能性があります。
ウーバーイーツへの出店は、店舗の他に収益の柱をもう一つ作るようなイメージです。
デリバリーへの需要が高い地域であれば、店舗の売上よりもウーバーイーツ経由の売上比率の方が大きいというケースもあります。
デリバリーのサービスを気軽に導入できる
新型コロナウイルスが蔓延して以降、デリバリーの需要は高まり続けています。
実際にデリバリーの重要性を痛感している飲食店も少なくないかと思います。
ただ、デリバリーを導入するには手間もコストもかかるため、そう簡単に導入できるわけではありません。
ウーバーイーツを活用してデリバリーシステムを導入すれば、初期費用や手数料こそかかりますが、イチからシステムを構築する必要はありません。
登録するだけでデリバリーのシステムを導入できる点は、デリバリーの必要性を痛感している店舗にとって非常に魅力的なメリットになります。
キャンセルされた分も入金してもらえる
他社が提供するプラットフォームを利用する上で注意しなくてはいけないのが、キャンセル時の支払いについてです。
プラットフォーム側はユーザーの立場でシステムを構築することが多いため、ユーザー都合のキャンセルを店舗側が負担しなくてはならないようなケースも多々あります。
ただ、ウーバーイーツはすでに調理し始めている料理のキャンセルについては、料金がきちんと支払われるようなシステムになっているため、作るのにかかった手間や材料費が無駄になってしまうことがありません。
「調理し始めていること」という条件はありますが、ユーザー都合のキャンセルを気にせず対応できる点は飲食店にとって大きなメリットになります。
注文の受け付けを任意で停止できる
ウーバーイーツは飲食店にさまざまなメリットをもたらしてくれる魅力的なサービスですが、ウーバーイーツからの注文をさばきながら店舗を回すのは決して簡単ではありません。
店舗によっては予想外にウーバーイーツからの注文が入ってしまい、対応が追いつかなくなってしまうこともあるでしょう。
ただ、ウーバーイーツには注文受付を任意のタイミングで停止できる機能が備わっているので、注文が入りすぎて対応するのが難しくなった場合は一時的に注文の受け付けをとめる対応ができるようになっています。
飲食店がウーバーイーツに登録するデメリット
飲食店にさまざまなメリットをもたらしてくれるウーバーイーツですが、デメリットがないわけではありません。
実際にウーバーイーツを利用するかどうかは、メリットとデメリットをよく比較した上で判断する必要があります。
飲食店がウーバーイーツに登録することで懸念される主なデメリットとしては、3点があげられます。
- 手数料がかかる
- 価格の調整が必要になる
- オペレーションの調整が必要になる
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
手数料がかかる
先述したとおり、ウーバーイーツ経由で注文が入った場合は所定の手数料がかかります。
この手数料は注文が入るたびに合計金額から差し引かれるものです。
ウーバーイーツはユーザー数が多く、売上にも貢献してくれるため手数料を支払ってでも積極的に活用したいものですが、手数料の割合が大きいのでそれなりのデメリットになります。
価格の調整が必要になる
ウーバーイーツ経由で注文が入った場合、手数料を徴収されてしまうためメニュー価格を調整しなくてはいけません。
店舗と同じ金額でメニューを提供してしまうと、儲けが目減りしてしまうどころか、赤字になってしまう可能性もあるので、ウーバーイーツの手数料を含めた価格に設定し直した上で掲載する必要があります。
配達手数料は変動するため調整が難しいかもしれませんが、手数料として300円かかってしまうのであれば、店舗での提供価格に300円上乗せして提供するなどしてきちんと儲けが出るようにしましょう。
オペレーションの調整が必要になる
ウーバーイーツ経由で注文が入った場合、注文の確定から配達パートナーの受け渡しまで通常とは異なるオペレーションが発生するため、オペレーションの調整や慣れが必要になります。
具体的な流れは以下のとおりです。
- 専用のタブレットで注文を受け付ける
- 配達パートナーを手配する
- 注文の入った料理を作る
- 注文番号を貼り付けて配達パートナーに渡す
複雑なオペレーションではないので、慣れてしまえば特に大きな問題にはなりませんが、デリバリーサービスを利用したことがない店舗やデリバリーそのものをおこなった経験のない店舗だと慣れるまで時間がかかる可能性もあります。
飲食店のウーバーイーツへの登録方法
ウーバーイーツへの登録は必要な情報を入力するだけなので簡単におこなえます。
https://merchants.ubereats.com/jp/ja/
こちらのリンクからウーバーイーツの登録ページにアクセスしたら、
- 店舗名
- 店舗所在地
- 階数/部屋番号
- 名前
- 名字
- メールアドレス
- 電話番号
- 業種
といった情報を入力し、「送信」をクリックします。
後はウーバーイーツの担当者から連絡が入るので、担当者の指示に従って登録作業をおこなうだけです。
その後審査がおこなわれ、問題ないと判断されればウーバーイーツでビジネスを始められるようになります。
ウーバーイーツに登録した後の流れ
審査が完了してウーバーイーツへの登録が完了したら、
- メニュー作成
- 写真撮影
- 価格設定
- タブレット設定や動作の確認
といった流れでウーバーイーツで営業するための準備を進めていきます。
メニューは5種類以上用意してください。
写真は、ウーバーイーツで料理を注文するユーザーにとってメインの判断材料となるため、妥協せずなるべくいい写真を掲載するようにしましょう。
また価格設定は店舗の利益に直結するので、ウーバーイーツの手数料も含めた上で設定をおこなうようにしましょう。
ウーバーイーツでの注文の処理はタブレットを使っておこなうことになるため、タブレットの動作確認も必須になります。
まとめ
飲食店がウーバーイーツを利用する上で必要になる登録方法について、詳しく紹介してきました。
ウーバーイーツへの登録には初期費用もかかりませんし、月額費用なども発生しません。
ウーバーイーツを介した注文には手数料が加算されるようになっているものの、その分メニューの価格を調整するなどして対応すれば損をするようなこともありません。
登録も簡単におこなえるようになっているので、飲食店を始めるのであれば積極的に活用したいものです。
ただ、登録しただけで売上につながるわけではないので、今回紹介した「登録した後の流れ」などを参考にしながら運用に取り組んでみてください。