スイーツが好き、お菓子作りが好きな人の中には、「独立して自分のケーキ屋を開業したい」と考えている人もいますよね。
ケーキ屋やパティスリーは競合が多いため、開業して成功するには美味しいスイーツを作るだけでなく、開業場所の検討から集客施策まで検討する必要があります。
当記事では、ケーキ屋の開業を検討中の方に向けて、開業資金や開業までの流れ、成功の秘訣などを紹介しています。
ケーキ屋の開業は難しい?
ケーキ屋と言うと、小さなころからパティシエに憧れて、将来は自分のお店を持ちたいと考えている人は多いのではないでしょうか。
実際に街中を見ると、個人経営の店舗からフランチャイズのチェーンの店までさまざまなところにケーキ屋やスイーツ店があります。
そのため、ケーキ屋を開業し、成功を収めることは簡単ではありません。憧れだけでできる仕事ではないでしょう。
成功するケーキ屋になるには、スイーツ作りの技術と、経営ノウハウの両方が必要です。
スイーツ作りの技術は、既存店での修行や専門学校に通うなどで習得可能です。経営ノウハウに関しては、実際に店舗で働くほか、フランチャイズに加盟しての開業などの方法が挙げられます。
ケーキ屋の年収
一般的なパティシエの年収は平均200万~300万円程度です。
個人経営のケーキ屋やフランチャイズでのスイーツ店の開業の場合は、店舗の規模、集客具合によっても大きく変動しますが、人気店であれば年収500万円以上、中には年収1,000万円以上の繁盛店があることも事実です。
ただし、カフェや喫茶店、スーパーやデパートなど、スイーツを扱う競合店が多いため、ケーキ屋は簡単に儲かる職業ではありません。
ケーキ屋の開業方法
ケーキ屋やスイーツ店を開業するには、個人開業のほか、フランチャイズへの加盟という方法があります。
なお、どちらの開業方法であっても、実際に店舗を構えるケース、キッチンカーによる移動販売や催事販売を行うケース、ネット(オンライン)通販のみを行うケースがあります。
移動販売や催事販売、ネット販売であれば、店舗の近隣住民のみならず遠方に住んでいる人もターゲットとなるため、商機が広がります。
また、自宅を改装した開業も可能です。ケーキ屋の開業=店舗を取得する必要がある、と考える人は多いかもしれませんが、ネット販売のみ、テイクアウトのみのお店であれば店内に飲食スペースを設ける必要がありません。自宅を活用すれば、店舗取得費用がかからないため、初期費用を抑えることができます。
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ケーキ屋の開業に必要な資金
店舗の規模によりますが、ケーキ屋を開業するには1,000万円以上の初期費用がかかります。
初期費用には、店舗取得費、内外装の工事費、厨房等の設備費、備品・消耗品の費用、開業後のランニングコストなどが含まれています。
中でも高額なのが、店舗取得費と内外装の工事費です。店舗を取得する場合、初期費用として保証金や仲介手数料により、数百万円単位の費用負担が発生します。また、内外装の工事も数百万円以上かかることがほとんどです。
とはいえ、店舗を持つ場合、内外装工事はお店のコンセプトにもつながる部分であるため、ある程度の出費は仕方ありません。
なお、初期費用をできるだけ抑えたい場合は、店舗取得費や工事費がかからないレンタルキッチンの活用がおすすめです。
レンタルキッチンによっては飲食スペースが併設されているところもあるため、店内でスイーツを食べてもらいたい場合にも適しています。
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ケーキ屋のランニングコスト
ケーキ屋を開業する場合、初期費用だけでなく、開業後のランニングコストも考慮しなければなりません。
具体的には、店舗の賃料、光熱費、材料費、資材費、広告宣伝費、人件費などがあります。店舗の規模にもよりますが、毎月数十万円単位のランニングコストが発生すると考えておきましょう。
開業直後は経営が軌道に乗るまで売上が安定しないおそれもあります。ケーキ屋の開業にあたっては、3か月~半年分のランニングコストをまかなえるよう、事前に資金を用意してください。
ケーキ屋の開業に必要な資格・許可
ケーキ屋の開業にあたり、必要となる資格や許可は以下の通りです。
- 食品衛生責任者
- 菓子製造許可
- 飲食店営業許可(イートインスペースがある場合)
- 防火管理者(30人以上収容可能な店舗の場合)
スイーツを取り扱う飲食店の開業において、調理師や製菓衛生士の資格は必須ではありません。
また、パティシエの専門学校を必ず卒業していなければならないという決まりもないので、独学や他店で修行した人でも開業は可能です。
ケーキ屋開業までのステップ
実際にケーキ屋を開業するまでの流れを以下にまとめました。将来自分のスイーツ店を経営したいと考えている人は参考にしてください。
- コンセプトの決定
- 物件探し
- 内外装工事
- 設備工事
ケーキなどのスイーツを取り扱う店舗は各地にあるため、明確で特徴のあるコンセプトでなければ埋もれてしまう恐れがあります。
例えば若い女性をターゲットにした映えるケーキ屋にする、高級志向のメニューのみを提供する、種類の豊富さを強みにするなど、店舗の売りを決定しましょう。
コンセプトを決めた後は、ターゲットに合わせた物件探しを行いましょう。
例えば若い世代をターゲットにするのであれば住宅街よりも繁華街に、高級志向のお店にするのであればあえて駅から少し遠い場所に店舗を構えることも考えられます。
なお、物件の契約時には内外装工事についてもある程度確認を行います。契約後に「自分の思い通りの導線にならなかった」という事態に陥るのを防ぐためです。
さらに、ケーキやスイーツ作りに必要となる厨房設備の調達も必須です。
ケーキ屋に必要な設備としては、オーブンのほか、商品を飾るショーケース、メニューによってフライヤーなどが必要です。初期費用を抑えたい場合は、居抜き物件や中古設備を利用する方法もあります。
ケーキ屋の仕入先
ケーキ屋の開業準備と並行して行うのが、メニュー開発と仕入れ先の選定です。 主な仕入れ先には以下の3種があります。
- 専門の卸業者
- 製菓材料店
- インターネット販売
製菓専門の卸業者であれば、他の方法だと調達が難しい材料でも調達してもらえる可能性が高いでしょう。また、大量に仕入れることも可能です。
製菓材料店は、少量の材料を仕入れたいときに便利です。例えば、規模の小さいお店を開業する、季節限定のメニューを提供するといった場合の利用に適しています。
昨今ではインターネット販売も充実しているため、オンラインだけで必要な材料を調達することも可能です。自分にあった方法で材料を仕入れるようにしてください。
ケーキ屋の開業で成功する方法
ここではケーキ屋の開業を成功させるためのポイントを紹介します。競合の中に埋もれないためにもぜひ参考にしてください。
商圏を分析して立地を選ぶ
ケーキ屋は競合が多いため、開業時には商圏分析を行い、物件探しを行いましょう。
商圏とは、お店を開いた時に見込み客となる人が住んでいる範囲のことです。商圏を分析する際には、以下のような点をチェックして見てください。
- 開業を検討しているエリアの性別・世代・人口
- 世帯収入や消費動向
- 競合店の有無と提供している商品
開業を希望するエリア、または自宅周辺にはどういった人が住んでいて、どういったライフスタイルを好んでいるのか、さらに競合がいるのであれば、どういった商品を提供していて、売筋はなんなのかといったことを把握してください。
スーパーマーケットや飲食店を訪れるだけでも、どういった人が住んでいるのか傾向がわかります。
店舗の外観や内装こだわる
同じケーキを販売していても、「どんな場所で提供されるか」など空間演出により、顧客が商品に抱く印象は大きく異なります。
例えば、インパクトのあるデザインの外装にすれば、それが話題となり、SNSなどで拡散され興味を持って来店する人が出てくるかもしれません。
また、チョコレートケーキを売りにしているケーキ屋の外装がシックな色合いであれば、商品とマッチしてよりおしゃれなイメージを作ることができるでしょう。
デザインには正解・不正解がないため、提供する商品やターゲット、立地などを踏まえた上で競合店を見ながら検討するのがおすすめです。
取り扱う商品選びは入念に検討する
どのような商品を販売するかも、ケーキ屋の成功に大きく影響する要素です。商品ラインナップを検討する場合、以下のような決め方ができます。
- 定番商品
- 収益性の高い商品
- 人気商品
- 独自性の高い商品
定番商品はショートケーキなど、おなじみの商品のことです。初めて来店する人でも安心して購入できる点が特徴です。
収益性の高い商品には、フルーツタルトやカヌレ、シュークリーム、ミルクレープなどが挙げられます。
そのほかにも、低価格でお買い得な商品や他店にはない独自商品などをバランスよく盛り込むと良いでしょう。
もちろん、特定の商品に絞って徹底的にこだわるという方法も可能です。
この方法のメリットは、流行に影響されないこと、取り扱っている商品が流行になれば一気に売上を伸ばせることなどが挙げられます。
流行を取り入れる
ケーキやスイーツは流行の入れ替わりが激しいため、トレンドを取り入れたメニュー開発は集客を増やす上で重要な方法です。
近年では、イタリアの伝統的なスイーツで半球の形状が特徴的なズコットケーキや韓国ワッフル、飲むスイーツ、バターサンド、ケーキ缶、マリトッツォなどが流行しました。
また、常に流行を取り入れることで、おしゃれなお店、最先端のお店というイメージを確立し、若い世代の集客につなげられます。
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初期費用を抑える
自分のお店を開業するとなると、ついつい意気込んで高額な投資をしてしまいがちですが、開業直後から利益を安定して出せるケーキ屋は決して多くありません。
そのため、用意した初期費用をすべて開業資金に使ってしまい、資金繰りに困らないようにしてください。
利益が出なくても一定期間は経営が続けられるように、ランニングコストを踏まえて、初期費用に余裕を持たせておきましょう。
自己資金が足りない場合は、銀行の融資や、公的機関の補助金を利用した資金調達も重要です。
まとめ
今回は、ケーキ屋の開業方法や開業までの流れ、成功する方法などを紹介しました。
ケーキ屋やスイーツ店は、多数の競合の中に埋もれないためにも、明確なコンセプトを打ち出し、入念な商圏分析からなるターゲットに合わせた商品展開や集客施策が重要になります。
また、内外装のデザインにこだわること、流行の商品を取り扱うこともケーキ屋の経営の成功の秘訣です。