これから飲食店を開業したいと考えている方の中には「店舗の経営がうまくいくか心配…」と、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?開業資金の調達や物件選び、メニュー開発、スタッフの採用など、やるべきことは山積みです。
そういった方の強い味方となってくれるのが、「飲食コンサルタント」の存在です。
この記事では、飲食店の開業や経営をサポートしてくれる飲食コンサルタントについて紹介していきます。
飲食コンサルタントの概要や役割だけでなく、おすすめのコンサルティング会社についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の開業をサポートしてくれる「飲食コンサル」とは
飲食コンサルタントとは、飲食店の開業や運営に関する専門的なアドバイスを提供する事業者のことを指します。また、フリーランスで活動しているコンサルタントもいます。
多くの場合、実際の飲食店経営での成功体験や、数多くの開業支援の実績を持つ専門家が、クライアントの状況に応じた具体的なアドバイスをおこないます。
飲食コンサルタントの支援内容は多岐にわたります。
事業計画の策定から、立地選定、店舗設計、メニュー開発、スタッフ教育まで、開業に必要なあらゆる要素をカバーします。また、すでに営業中の店舗に対しては、売上改善や業務効率化、新規事業展開などについてのアドバイスもおこないいます。
特に重要なのは、経営者の想いや目標を実現可能な形に具体化する力です。漠然とした開業プランを、実現性の高いビジネスモデルへと昇華させることで、開業後の安定経営への道筋を示してくれます。
飲食コンサルタントが必要な理由
飲食店を開業する場合、必ず飲食コンサルタントのサポートが必要になるというわけではありません。
飲食コンサルは、経営者でもスタッフでもない第三者的な目線で業務の無駄を見抜き、効率化を図ってくれます。
飲食店を開業する場合、必ず飲食コンサルタントのサポートが必要になるというわけではありません。
実際、飲食コンサルのサポートを受けずに店舗の経営を成功させている飲食店はたくさんあります。
ただ、飲食店の開業と経営のプロである飲食コンサルタントに入ってもらえれば、失敗リスクを最小限に抑えられ、店舗の経営が成功する確率が高まるのも事実です。
そのため、これから開業する飲食店経営を何としても成功させたいと考えている方は、飲食コンサルタントの利用も検討してみてください。
また、店舗経営の具体的な道筋が立っていない場合や不安を抱えている場合も、一度コンサルタントに相談すると何か発見があるかもしれません。
飲食店がコンサルタントを利用した方がいいケース4つ
飲食店経営において、専門家の支援が必要な場面は数多く存在します。特に以下のようなケースでは、コンサルタントの知見を活用することで、より効率的な課題解決が期待できます。経営判断の重要な分岐点では、積極的な活用を検討しましょう。
自社のリソースが足りない
飲食店の開業や運営において、しばしば問題となるのが人材、資金、時間などのリソース不足です。特に開業初期は、限られたリソースを最大限活用する必要があります。
コンサルタントは、効率的なリソース配分の方法を提案します。例えば、最小限の人員でも運営可能なオペレーション体制の構築や、優先順位を考慮した設備投資計画の立案など、現状のリソースを最大限活用する方法を示してくれます。また、必要に応じて外部の協力会社や人材の紹介など、不足するリソースを補完するための具体的な支援も提供します。
自社にノウハウが足りない
飲食店経営において、専門的な知識やノウハウの不足は大きな課題となります。特に初めて飲食店を開業する場合や、新しい業態に挑戦する際は、この問題が顕著になります。
コンサルタントは、メニュー開発から原価管理、衛生管理、接客サービスまで、実践的なノウハウを提供します。また、飲食業界特有の商習慣や、効率的な運営方法など、経験に基づいた具体的なアドバイスも得られます。このような専門知識の提供は、開業時のリスク軽減や早期の経営安定化に大きく貢献します。
業績改善が必要な時期
売上低迷や利益率の低下に直面している場合、外部からの客観的な分析と改善提案が有効です。コンサルタントは、豊富な経験と知見を活かして、問題点の特定と解決策の提案を行います。
具体的には、メニュー構成の見直し、原価率の改善、オペレーションの効率化など、即効性のある改善策を提示します。また、市場環境や競合分析に基づいた中長期的な経営戦略の立案もサポートします。
新規出店や事業拡大のタイミング
店舗展開や事業規模の拡大を検討する際は、慎重な計画立案が必要です。コンサルタントは、市場調査からビジネスモデルの構築、収支計画の策定まで、包括的なサポートを提供します。
特に、新規出店における立地選定や、多店舗運営のためのマニュアル整備、人材育成システムの構築など、拡大に伴う様々な課題に対して、実践的なアドバイスを提供してくれます。
飲食コンサルの主な役割
飲食店の開業をサポートしてくれる飲食コンサルですが、飲食コンサルの具体的な役割としては、
- 計画の立案
- 内外装の企画
- 取引先の仲介
- 経営支援
- メニューの開発
- スタッフの育成
- 業務の効率化
の、7つがあげられます。
それぞれの役割について詳しく解説していきます。
1. 計画の立案
開業した飲食店が成功するかどうかは、出店前の計画にかかっていると言っても過言ではありません。
飲食コンサルは、その計画の段階からサポートしてくれます。
具体的なサポートの内容としては、
- コンセプト設計
- ターゲット設定
- 立地の選定
などがあげられます。
これまで飲食店を経営した経験がない方の場合、飲食店の開業に関する知識がないため、これらの段階でつまづいてしまう方も少なくありません。
大事なスタート部分で、経験豊かな飲食コンサルにサポートしてもらえるのは非常に魅力的です。
また、店舗を開業するまでの全体的なスケジュールの設定もサポートしてくれます。
2. 内外装の企画
魅力的な飲食店にはインテリアにもこだわる必要があります。
また、店舗の顔となる入り口や外観も店のコンセプトやターゲットにマッチしたものにする必要があるでしょう。
飲食コンサルは、これらの内外装についても企画をしてくれます。
店舗のコンセプトにマッチする壁紙や床材などの基礎的な部分から、導入する家具までトータルで企画してくれるので、こちらで1から企画する必要がありません。
また、おしゃれなお店になるように企画してくれるだけではなく、
- 厨房の位置
- 導入する設備
- 厨房から客席までの導線
など、使いやすさも考慮してくれます。
3. 取引先の仲介
飲食店の経営を成功させる上で重要になるのが、仕入れ業者などの取引先です。
お客さんに提供する食材や飲み物を安く仕入れることができれば、その分メニューを安く提供できるようになるため、店にとっての強みになります。
また、味や品質を担保するためには良質な食材を提供してくれる取引先とのつながりが欠かせません。
これまで飲食店を経営したことがない方の場合、取引先とのパイプを作るのに苦戦してしまうことも多いのですが、飲食コンサルに任せればこういった問題も解決してくれます。
飲食コンサルを提供しているコンサルティング会社では、各分野の取引先と太いパイプを構築していることが多く、コンサルを依頼した場合は、それらの取引先との仲介をしてもらえます。
また、コンサルティング会社によっては、内装業者やガス・水道・電気などの各工事業者を紹介してもらうことも可能です。
4. 経営支援
飲食コンサルは飲食店の開業サポートだけでなく、開業後も経営が上手くいくようにサポートしてくれます。
これまで飲食店を経営したことがない方の場合、店舗の経営が上手くいかない原因を見つけることができず、八方塞がりになってしまうケースも少なくありません。
飲食コンサルは、知識と経験を元に分析をおこない、改善するべきポイントと具体的な改善策を提示してくれます。
後は、その改善策に従って改善点や問題点を1つずつクリアしていくだけです。
また、比較的店舗経営が上手くいっている店舗に対しても、売上をさらに向上させる方法などを提示してくれます。
5. メニューの開発
繁盛する飲食店には魅力的なメニューが欠かせません。
飲食コンサルはメニューの開発もサポートしてくれます。
これまでに飲食店を経営したことがない方がメニューを考案すると、どうしても趣味趣向が反映され、偏ったメニューになってしまう傾向があります。
こだわりを持ってメニューを作成することは大切ですし、お店のコンセプトやターゲットによってはこだわりが強い方がいいケースもあります。
しかし、そういった例外的なケースを除き、基本的には多くのお客さんから支持される魅力的なメニューを用意するべきです。
飲食コンサルはこれまでの経験やデータを元に、店舗やターゲットにあったメニューの開発をしてくれます。
6. スタッフの育成
飲食店を開業する上で、スタッフの採用も検討しなければいけません。
実際にスタッフを指導してくれるのはもちろん、マニュアル作成や指導の仕方についても丁寧に教えてくれます。
しかし、スタッフの育成は決して簡単なものではなく、育成がうまくいかずに経営が安定しない店舗もたくさんあります。
飲食コンサルはスタッフの育成についてもサポートしてくれます。
健全な店舗経営には業務の効率化が欠かせません。
実際にスタッフを指導してくれるのはもちろん、マニュアル作成や指導の仕方についても丁寧に教えてくれます。
飲食業界に強いコンサルティング会社5選
飲食店を開業するのが初めての方など、知識や経験が乏しい方にとって強力な味方となる飲食コンサルですが、実際に依頼する場合、どういった会社を選べばいいのでしょうか。
飲食のコンサルティング会社の中には、こちらが期待している以上の成果をもたらしてくれる会社もあれば、思うようなサポートを提供してくれない会社もあります。
そこで、飲食業界に強いおすすめのコンサルティング会社を3社ピックアップしてみました。
それぞれのコンサルティング会社の概要や特徴について詳しく解説していきます。
1. 株式会社コロンブスのたまご
画像引用元:コロンブスのたまご
飲食店向けのコンサルサービスを提供しているコンサルティング会社の中でも他社を圧倒するほどの20年以上の実績を持つ、「株式会社コロンブスのたまご」。
創業44年のパイオニア的企業で、これまでに3,300もの飲食店の開業や経営をサポートしてきている定番のコンサルティング会社です。
ビジネスモデルの構築や店舗のコンセプト設計はもちろん、事業資金の調達などもサポートしてもらえます。
飲食店の開業について具体的に相談したい方向けに、22,000円で60分間相談できる「飲食店開業相談室」というサービスも用意されているので、興味のある方はぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか?
2. 株式会社船井総合研究所
画像引用元:船井総研フードビジネス支援部
日本を代表する経営コンサルティング会社、「株式会社船井総合研究所」。
実績こそ先ほど紹介した株式会社コロンブスのたまごには及びませんが、それでも全国47都道府県で647社の飲食店をコンサルティングしてきた実績があります。
また、一般的な外食ビジネスだけでなく、スイーツ専門店や今流行りのデリバリー専門飲食店のコンサルティングにも対応しています。
3. 株式会社STAYDREAM
画像引用元:飲食店のコンサルティングなら株式会社STAYDREAM
大企業飲食店での店長経験や、外食産業でビジネスコーチとして培った知識を持ち合わせた代表本人がコンサルティングを担当してくれる「株式会社STAYDREAM」。
代表は中小企業診断士の資格も持っており、毎年100店舗以上コンサルティングを行なっているそうで、震災の被害を受けてしまった店舗以外は黒字化や売上の大幅アップにつながっているというから驚きです。
「本当に困っている人を助けたい」という思いから、個人経営の飲食店や中小企業が経営する飲食店を優先的にサポートしているという点にも好感が持てます。
また、
- 居酒屋
- ワインバー
- イタリアンレストラン
- お好み焼き店
- 郷土料理店
など、これまでにコンサルティングしてきた飲食店の種類も豊富で、さまざまな店舗のコンサルティングに対応できるという強みも持っています。
4. 株式会社FORCLE(フォークル)
画像引用元:株式会社FORCLE(フォークル)
デジタル活用による集客支援に強みを持つコンサルティング会社です。従来型の経営支援に加え、オンライン予約システムの構築やSNS運用など、現代のニーズに合わせた包括的なサポートを提供しています。
参考:https://forcle.co.jp/blog/webmarkteing-restaurant/
5.AtoZ Design(エートゥーゼット デザイン)
画像引用元:ホームページ制作・Web制作 |AtoZ Design
ー初めての開業からフランチャイズ化まで徹底サポート
AtoZ Designは、飲食店開業からフランチャイズ展開までを一貫して支援する企業です。経営者のビジョンを形にするため、店舗コンセプト設計から運営改善まで、幅広いサポートを提供しています。
ーAtoZ Designが選ばれる理由
デザイン力とIT戦略を強みとするAtoZ Designは、飲食店の価値を最大化し、成功へと導くパートナーです。豊富な実績と柔軟な対応力で、開業から成長までのサポートを提供しています。
ーデジタルマーケティングで効率的な経営を実現
原価・人件費・管理費用の削減や業務効率化のため、飲食店に必要な最新ITソリューションを提案。デジタルの力で経営課題を解決し、他店舗に差をつける一歩先の経営をサポートします。
ーIT導入でコスト削減と業務のDX化
原価・人件費・管理費用の削減や業務効率化のため、飲食店に必要な最新ITソリューションを提案。デジタルの力で経営課題を解決し、他店舗に差をつける一歩先の経営をサポートします。
飲食店開業をご検討の際は、ぜひご相談ください。
飲食業界でのビジネスに挑戦するならフランチャイズへの加盟がおすすめ
魅力的な面も多い飲食コンサルですが、飲食コンサルに入ってもらったからと言って必ずしも成功するわけではありません。
また、それなりのコンサルフィー(費用)の支払いが発生することも忘れてはいけません。
そこでぜひおすすめしたいのが、フランチャイズ加盟して飲食店を開業するという方法です。
これから飲食店を開業する場合、経営が成功する可能性を高める方法は飲食コンサルによるサポートだけではありません。
すでに成功しているフランチャイズに加盟し、そのお店の看板を借りて、飲食店経営のノウハウを提供してもらいながら経営に取り組むこともできるのです。
フランチャイズに加盟する場合、
- 加盟金
- 保証金
- ロイヤリティ
などの支払いも発生しますが、すでに成功している店舗のノウハウを参考にしながら店舗経営をおこなえる点は非常に魅力的です。
フランチャイズによっては充実した研修制度を設けているところもあり、そういったところに加盟すればコンサルに指導してもらうよりも実践的に学べます。
また、人気と知名度の高いお店の名前を借りて店舗運営に取り組めるのは、飲食コンサルでは用意できないフランチャイズならではの大きなメリットになります。
飲食コンサルのサポートを受けるかどうかで悩んでいるのであれば、フランチャイズという選択肢があることも把握しておきましょう。
まとめ
飲食開業と経営の強い味方「飲食コンサル」について紹介してきました。
飲食コンサルは、飲食店の開業や経営をさまざまな角度・形でサポートしてくれる存在です。
コンサルを依頼する際はそれなりのコンサルフィーが発生しますが、手探りの状態で飲食店を始めるよりも、プロである飲食コンサルに依頼した方が安心でしょう。
ただ、「飲食コンサルに依頼すれば必ず成功する」というわけではないので、実際にコンサルを依頼する際は、今回紹介させてもらったコンサルティング会社の情報を参考にしてみてください。
また、飲食店を成功させる可能性を高める方法として、「すでに成功している飲食店のフランチャイズに加盟する」という方法もあるので、ぜひそちらも検討してみてください。