新型コロナウイルスの影響もあって近年人気と需要が高まってきているキッチンカー。
実際、街中でキッチンカーを見かけることも多くなってきたということもあって、
「キッチンカービジネスに興味をもっている」
「キッチンカーで商売を始めてみたい」
と、考えている方も多いのではないでしょうか?
ただ、実際に商売を始めるとなると、どうしても気になるのが「稼げるのかどうか」についてです。
この記事では、キッチンカーや移動販売の年収について紹介していきます。
稼げている人と稼げていない人の特徴や年収をアップさせるためのポイントなどについても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
キッチンカー・移動販売の年収相場
近年個人でも始めやすいビジネスとして人気が高まってきているキッチンカーや移動販売ですが、その平均年収は700万円ほどとなっています。
国税庁が「令和2年分民間給与実態調査統計」で発表している日本人全体の平均年収が約430万円であることを考えると、キッチンカーや移動販売はかなり稼げる可能性のあるビジネスだと言っていいでしょう。
ただ、ここで注意しなくてはいけないのが、年収700万円という数字はあくまでも平均値であるという点についてです。
キッチンカーでビジネスをおこなっている人の中には、年収1,000万円以上稼ぐ人もいれば平均年収とさほど変わらない400〜500万円ほどしか稼げていない人もいます。
また、思うように稼ぐことができず、300万円程度の年収か、あるいはそれ以下にとどまってしまっている方もいるでしょう。
そのため、安易に「キッチンカーや移動販売は平均年収以上の金額を稼げる魅力的なビジネス」と捉えてしまうのは避けるべきですし、稼げない可能性があるということも念頭においておくべきです。
キッチンカービジネスで稼げている人と稼げていない人の特徴や共通点
キッチンカービジネスへ参入するのであれば、稼げている人と稼げていない人の特徴や共通点を事前に把握しておくべきです。
ここからはキッチンカービジネスで稼げている人と稼げていない人、それぞれの特徴や共通点について詳しく解説していきます。
稼げている人の特徴や共通点
キッチンカーで稼いでいるオーナーの主な特徴としては、「稼ぐための努力をしている」という点があげられます。
稼いでいるオーナーもトントン拍子に稼げるようになったわけではありません。
しかし、うまくいかないことがあっても、決して腐ることなく努力し続けたからこそ稼げるようになったのです。
アンケートやSNSを通してお客さんの声をメニューに取り入れたり、出店場所や時間ごとにデータを取り、より良い出店場所・時間を模索するなど、できることはたくさんあります。
キッチンカーならではの自由度を最大限に活用し、試行錯誤しながら運営に取り組むようにしましょう。
稼げていない人の特徴や共通点
稼げている人とは逆に、現状に甘んじて努力をおこたっていたり、その兆候がある人はキッチンカーでのビジネスで稼ぐことはできません。
出店エリアやターゲットに合わせた集客方法やメニュー開発など、キッチンカーで行うべき施策を何もしていなければ、売上が停滞したり、徐々に下がって廃業へ追い込まれてしまう可能性もあるでしょう。
キッチンカーで稼ぎたいのであれば、経営を少しでも良くしていきたいと考え、行動に移せる姿勢が必要不可欠になります。
キッチンカービジネスにおける必要経費
キッチンカービジネスで稼ぐためには、どういったことにお金がかかるのかについても把握しておく必要があるでしょう。
頑張って売上を増やしたとしても、出ていくお金を把握できていない状態では収入を増やすことはできません。
キッチンカービジネスにおける主な必要経費としては、以下のようなものがあげられます。
- 食材費
- 梱包資材代
- ガソリン代
- 出店料
- 水道光熱費
- 消耗品費
加えて、大切な商売道具となる車両の維持費が必要になるのはもちろん、車両保険にも加入しなくてはいけません。
キッチンカーで販売した商品で食中毒が発生してしまうなど万が一の場合に備えてPL保険にも加入しておくべきです。
何にどれだけ費用がかかるのかについては、販売する商品やキッチンカーをどこに出店するかによっても異なるため、一概にいくら経費がかかるとは言いきれません。
一般的な飲食店よりも気軽に始めやすいキッチンカーと言えど、さまざまな必要経費が発生するということは覚えておくようにしましょう。
キッチンカービジネスで年収をアップさせるための6つのポイント
キッチンカービジネスでしっかりと稼ぎたいと考えているのであれば、事前に年収をアップさせるためのポイントを把握しておくことをおすすめします。
キッチンカービジネスで年収をアップさせる上で重要になる主なポイントとしては、6点があげられます。
- 売れる商品を取り扱う
- 客単価を上げる
- 商品を提供するスピードを上げる
- お客さんが集まりやすい場所に出店する
- SNSを活用する
- 経費を抑える
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
1. 売れる商品を取り扱う
年収をアップさせたいのであれば、売れる商品を取り扱わなくてはいけません。
いくら魅力的でおいしい商品でも需要がなければ売れませんし、稼ぐことはできません。
一方、平均的な味だとしても、需要のある商品を取り扱えばそれだけ売上を上げやすくなります。
取り扱いを検討している商品への需要をリサーチし、なるべく需要のある商品を販売するようにしましょう。
トレンドになっている商品を販売したり、これから人気が出そうな商品をいち早く取り扱って販売するのもおすすめです。
また、キッチンカーという販売スタイルの特性も考えて商品を選ぶことも大切です。
キッチンカーでは、出店場所として借りられるスペースがそれほど広くないため、基本的にお客さんが座って食事をおこなう席やスペースを提供することができません。
また、荷物になってしまうことを考えると、テーブルやイスをキッチンカーに積むことも現実的ではないでしょう。
そのため、キッチンカーで商品を販売する場合は、「お客さんが持ち歩きしやすい商品かどうか」に注目しながら取り扱う商品を選ぶことをおすすめします。
2. 客単価を上げる
キッチンカーでは。お客さんがその場にとどまって食事することができないため、どうしても客単価が低くなってしまいます。
一般的な飲食店の場合であれば、数千円の客単価が見込めますが、キッチンカーの場合、客単価が千円に満たないというケースも少なくありません。
そこで重要になるのが、客単価を上げるための施策です。
極端な例えではありますが、500円の客単価を1,000円にすることができれば、年収も倍になります。
客単価を上げるための施策としては、「松竹梅の法則」の活用がおすすめです。
安いメニューと高いメニュー、そして中間の価格帯のメニューを用意した場合、お客さんは中間の価格帯のメニューを無意識に選んでしまう傾向にあります。
そこで、3種類の価格帯のメニューを用意し、本当に売りたい商品を中間の価格帯である「竹」のメニューとして据えるのです。
梅にあたるメニューをなるべくシンプルに見せることで、竹のメニューや松のメニューをより選んでもらいやすくなります。
また、一人のお客さんになるべく多くの商品を購入してもらう施策も、客単価を上げる定番の施策になります。
例えば、ハンバーガーがメインの商品になるキッチンカーの場合、ポテトなどのサイドメニューやドリンクも一緒に販売して、一人のお客さんにさまざまな商品を購入してもらえるよう工夫しましょう。
3. 商品を提供するスピードを上げる
先ほど紹介した方法である程度客単価の低さを解消できるとは言え、キッチンカーの客単価を一般的な飲食店並みの水準まで持っていくのは困難です。
そこでぜひ意識してほしいのが、商品を提供するスピードについてです。
ただでさえ、商品単価が低くなってしまいがちなキッチンカーにおいて、商品提供に時間がかかってしまうというのは命取りです。
商品を提供するのに時間がかかればかかるほど一日の売上の上限も低くなってしまうので、一秒でも早く商品を提供できる体制を整えるべきです。
商品を提供するスピードを上げる方法はいくつかありますが、まず意識するべきなのがメニュー選びです。
提供するのに時間のかかるメニューを選んでしまうとスピーディーな提供が難しくなってしまうので、調理に時間のかからないメニューを選ぶようにしましょう。
また、梱包に時間のかからないメニューを選ぶことも大切です。
いくら調理にかかる時間が短くても、梱包に時間がかかってしまっていては意味がありません。
商品を提供する時間を少しでも短縮したいのであれば、調理にかかる時間とオペレーションにかかる時間を意識するようにしてください。
4. お客さんが集まりやすい場所に出店する
キッチンカーで稼ぐには、出店する場所選びも重要になってきます。
当たり前ですが、人の集まらないところに出店しても稼ぐことはできません。
ビジネスを始めたばかりの頃は、つい出店料を意識し過ぎてしまいがちですが、意識するべきなのは出店料よりも人が集まる場所かどうかです。
多少出店料が高めに設定されていても人が多く集まる場所であれば売上でカバーできるので、人が集まるところがどうかに注目しながら選ぶようにしてください。
大勢の人が集まる祭りやフェスなどのイベント会場へは、積極的に出店するべきでしょう。
5. SNSを活用する
決まった店舗を持たずに移動しながら商売をおこなえるフットワークの軽さはキッチンカーの大きな強みです。
しかし、店舗を持たず常に場所を移動しながら商売をおこなうため、お客さんが場所を把握しづらく、リピーターやファンがつきづらいというデメリットもあります。
そのデメリットを解消してくれるのが、SNSです。
TwitterやInstagramなどで公式のアカウントを用意し、店頭やチラシでフォローをうながしましょう。
SNSで出店情報を流すようにすれば、お客さんが出店場所や出店スケジュールを把握できるようになるので、キッチンカーならではの弱みをある程度カバーできます。
6. 経費を抑える
年収を上げたいのであれば、入ってくるお金を増やす努力だけでなく、出ていくお金を減らす努力も必要です。
キッチンカービジネスで発生する経費は先ほど紹介したとおりですが、
- 食材を安く仕入れて食材費を抑制する
- 梱包を簡素なものにして梱包資材代を抑える
- 長期契約をおこなうなどして出店料を抑える
など、やれることはたくさんあります。
売上を増やすための施策と並行してこれらの施策も積極的におこなうようにしましょう。
まとめ
キッチンカーでのビジネスに取り組んでいる方の年収について紹介してきました。
キッチンカーの平均年収は700万円ほどで、個人でおこなうビジネスとしては魅力的です。
しかし、あくまで平均値であって、必ずしもこれだけ稼げるようになるというわけではありません。実際に思うように稼げていない人もたくさんいます。
ただその一方で、平均年収以上に稼げている人がいるのも事実で、1,000万円以上稼げているという人も少なくありません。
大切なのは、稼ぐ方法を事前に把握し、実践しながらビジネスに取り組むことです。
これからキッチンカーで商売を始めてみたいと考えている方は、今回紹介した年収をアップさせるポイントを意識しつつ、ビジネスをスタートさせてみてはいかがでしょうか?