「キッチンカーを開業したい!」と考えている方がまず把握すべきなのは、キッチンカーを開業する際の流れについてです。
具体的な流れを把握せずに、見切り発車でスタートさせてしまってはビジネスが成功することが難しくなります。
それどころか、必要な許可を得る手続きもおこなわずに出店してしまうなど、トラブルに発展してしまいかねません。
この記事では、これからキッチンカーを開業したいと考えている方向けに、キッチンカー開業の流れを6つのステップに分けて解説していきます。
内容通りに進めていけば、スムーズにキッチンカーを開業できますので、ぜひ参考にしてみてください。
キッチンカーを開業するときの流れ
キッチンカーを開業するときの主な流れは以下のとおりです。
- 計画を立てる
- 資金を集める
- 営業許可について保健所に相談する
- 車両を購入する
- 車両を改良する
- 保健所に申請してチェックを受ける
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 計画を立てる
ビジネスを成功させたいのであれば、事前にしっかりと計画を立てておく必要があります。
それはキッチンカーを開業する場合も一緒です。
販売する商品やターゲットとなる客層はもちろん、自らの強みや他業者との差別化、集客方法など成功させるための戦略についても事前に考えておくようにしましょう。
2. 初期費用などの資金を集める
キッチンカーでビジネスを始める場合、資金が必要になります。
開業にかかる初期費用はもちろん、ビジネスが軌道にのるまでの運転資金も確保しておかなくてはいけません。
キッチンカーは店舗を用意する必要がないので、通常の飲食店開業よりも初期費用を抑えて出店することができますが、それでも初期費用として200〜500万円ほどはかかると考えておくべきです。
大きい車両を用意したり、内外装にこだわる場合は、700〜800万円近い資金が必要になることもあります。 初期費用に加えて、当面の運転資金も用意しておくのであれば、500〜1,000万円ほどは用意しておくと安心です。
しかし、これだけの費用を自己資金のみで確保するのは現実的ではありません。
そのため、銀行などの金融機関からの融資の検討が必要になります。
ただ、銀行は実績のない人への融資を渋る傾向にあり、金利が高いこともあります。
そこでおすすめしたいのが、「日本政策金融公庫」です。
日本政策金融公庫は国が所管している政策金融機関の一つで、実績のない方でも融資してもらうことが可能となっており、金利が低いというメリットもあります。
また、キッチンカーを開業する場合、助成金や補助金を受給することもできます。
事前の申請が必要で、条件を満たす必要もありますが、調べておいて損はありません。
キッチンカーを開業する際に受け取れる助成金や補助金については、以下の記事に詳しくまとめているので、こちらもチェックしてみてください。
3. 資格や営業許可について保健所に相談する
開業に必要な資金を確保する目処がついたら、キッチンカーでビジネスをおこなうための営業許可・資格を取得しましょう。
まず営業許可は、キッチンカー営業予定の地域にある保健所で取得する必要があります。
キッチンカーの開業を検討している方の中には、準備が完了してから営業許可を取得しようと考えている方が結構な割合でいます。
しかし、スムーズに許可得て開業するためには、資金調達の目処が立った時点で保健所にいき、営業許可について相談しておくべきです。
キッチンカーの営業許可を取得するための条件はかなり細かく決められており、事前に確認しておかないと後々手直しや修正が必要になってしまう可能性があります。
また、営業許可に加えて「運転免許証」と「食品衛生責任者の選出」も必要になります。
勘違いされてしまいがちですが、調理師免許は必要ありません。
調理師免許は調理面において強みとなり、他のキッチンカーとの差別化にもつながるため取得して損はありませんが、必須というわけではないので、所有していなくても開業できます。
キッチンカーを開業する際に必要になる許可や資格の取得方法などについては、以下の記事で詳しくまとめているのでぜひ参考にしてみてください。
4. 車両を購入する
保健所への相談が完了したら、キッチンカーの営業に必要な車両を購入します。
キッチンカーの車両の入手方法には、
- 新車を購入する
- 中古車を購入する
- レンタルする
- リースで購入する
という、4つの方法があります。
それぞれの入手方法でのキッチンカーの費用相場は以下のとおりです。
入手方法 | 相場 |
---|---|
新車を購入する | 300~500万円 |
中古車を購入する | 150~300万円 |
レンタルする | 20~50万円(月) |
リースで購入する | 7~8万円(月) |
内外装にこだわって理想のキッチンカーで開業したいのであれば新車がおすすめですが、改装費まで含めると結構な金額になってしまいます。
一方、中古車で購入する場合であれば、改装費を含めたとしても新車の半額ほどで購入可能です。
また、新車や中古車で購入することで初期費用の負担が大きくなってしまうことを避けたいという方向けに、レンタルやリースで車両を用意するという手もあります。
キッチンカーの車両は入手方法によってメリット・デメリットが異なるので、以下の記事を参考にしながらどの方法で入手するか検討してみてください。
5. 車両を改良する
車両を用意したら、キッチンカーとして営業するための改良をおこなっていきます。
自分で改良する場合にかかる費用の目安は50万円ほどで、専門の業者に依頼する場合にかかる費用の目安は車両費も含めて160〜500万円ほどになります。
自分で改良する方が安上がりですが、車両の改良には専門的な知識と高い技術力が必要になるので、なるべく専門の業者に依頼するようにしてください。
レンタルやリースで車両を用意するのであれば、キッチンカーとしての基本的な改装は完了しているので、追加で大がかりな改良が必要になることはほとんどありません。
どの方法で車両を用意するにしても、保健所が定めているルールを遵守した車両でなくてはいけないので、保健所の定めている要件を確認しながら改良するようにしてください。
6. 保健所に申請してチェックを受ける
車両の改良が完了したら、車両を保健所に持ち込んでチェックしてもらいましょう。
万が一条件を満たしていないと判断されてしまった場合でも、指摘された点を修正し、改めて申請することができます。
保健所のチェックの結果、問題ないと判断されれば、2週間ほどで営業許可がおりるはずです。
営業許可がおりれば、はれてキッチンカーを営業できるようになります。
キッチンカーの出店場所もリサーチしておこう
キッチンカーはどこにでも出店できるわけではありません。
出店が認められている場所にしか出店できず、その土地の所有者の許可が必要になります。
出店場所の確保が遅れてしまうと、「準備が完了したのに営業できない…」となってしまいかねません。
そういった事態を避けるためにも、開業の準備と並行しながら出店場所のリサーチも進めておくようにしてください。
キッチンカーの出店場所をリサーチする方法には、
- 専用のサービスで探す
- SNSで探す
- 企業のホームページで探す
- 組合や協会に加盟して紹介してもらう
- 同業者に紹介してもらう
など、さまざまな方法があります。
おすすめなのは専用のサービスを使って探す方法で、代表的なサービスとしては、
- SHOP STOP
- 軒先ビジネス
- 出店情報ナビ
などがあげられます。
また、ハードルは若干高くなるものの、出店場所を自分で開拓することも可能です。
誰も開拓していないような出店場所に出店することができれば、ライバル不在で大きく稼げる可能性があります。
まとめ
キッチンカーを開業する際の具体的な流れについて紹介してきました。
キッチンカーを開業するためにはやるべきことがたくさんありますが、今回紹介した流れにそって進めればスムーズに開業できるはずです。
ただ、紹介してきたとおり、キッチンカーを開業するには出店場所の確保が必要不可欠です。
開業するまでの6つのステップと並行して、出店場所のリサーチや確保も忘れずにおこなっておくようにしましょう。