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キッチンカー(移動販売)を開業するには?流れと失敗例を解説

キッチンカーを開業するうえで非常に大切なのが、やるべきことと流れを正しく把握することです。

具体的な流れを把握せずに見切り発車で始めようとすると、スムーズに進められず開業するまでに時間がかかってしまいます。

特に、キッチンカーを開業・運営するには必要な許可や資格が必要になるため、未取得の状態で始めてしまうと摘発されてしまいます。

この記事では、「これからキッチンカーを開業したい」と考えている方に向けて、キッチンカーを開業するメリットや開業するときの流れを7つのステップに分けて解説していきます。

内容通りに進めればスムーズに開業ができるので、ぜひ参考にしてください。

キッチンカーを開業するメリット

キッチンカーでの移動販売を開業するメリットはさまざまです。特に以下の点で、通常の飲食店に比べて優れています。

短い期間で開業ができる

実店舗を持った飲食店を開業するには、物件の工事や設備・備品の用意などをしなければならないことから、6か月から1年程度の期間が必要になります。

ですが、キッチンカーの場合は店舗が必要でないため、短ければ3か月程度で開業することができます。

好きな時間・場所で営業ができる

実店舗を持った飲食店は、営業するにあたって事前に営業日や時間を決めておく必要がありますが、キッチンカーは事業主の好きな時間・場所で営業が可能です。

そのため、集客率が低い平日に休みを取って、イベントなどが開催されて人の外出が多い土日、祝日に営業するということができます。

開業資金とランニングコストが安い

キッチンカーは、実店舗を持つ飲食店よりも開業資金とランニングコストが抑えて開業・運営することができます。

日本金融政策公庫」が行った2020年度の飲食店の開業費用の平均は989万円でしたが、キッチンカーは「車両費」と「調理場の設備」があれば開業でき、200~500万円程度で開業が可能です。

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キッチンカーを開業するときの流れ

飲食店シェフの男性

キッチンカーを開業するときの主な流れは以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説していきます。

1. 事業計画を立てる

キッチンカーでのビジネスを成功させるには、最初に「何を販売するのか」「ターゲットとなる客層」「開業資金や運営経費は具体的にどのくらいか」をまとめた事業計画を立てましょう。

特に、国や自治体から補助金や助成金を受け取るには、審査の際に計画書の提出を求められるので、具体的な内容を記載した計画書を作っておく必要があります。

事業計画書を作るときに考えること

2.販売・提供するメニューを考える

キッチンカーでビジネスを始める場合、資金が必要になります。

事業計画書を作成する段階で提供する料理が決まったら、実際に販売・提供する具体的なメニューを考えましょう。

キッチンカーに積める調理設備は限られているため、その中で作れる料理を考え、選ぶ必要があります。

したがって、自分が「売りたいメニュー」よりも、「売れる確率が高いメニュー」に重きをおいて考えるようにしましょう。

3.出店する場所を決める

販売・提供するメニューが決まったら、次に出店・営業する場所を決めましょう。

場所選びは、ビジネスを成功させるうえで非常に大切で、いくら素晴らしい料理が完成したとしてもターゲットとなる客層が営業場所にいなければ失敗してしまいます。

そのため、会社員の若い女性をターゲットにするならオフィス街の平日の日中、家族連れをターゲットとするなら休日のショッピングモールや公園の近くなどを営業場所に選んで売上を最大化できるようにしましょう。

さらに、移動販売の場合、仕込みを別の場所で行う必要も考えておかなければなりません。

キッチンカー内はスペースが狭いため、仕込みをおこなうのは現実的に難しいです。居宅での仕込みか、物件の借り入れを検討しましょう。

キッチンカーの出店場所を探す・決める方法

4. 開業・運営に必要な資金を集める

事業計画書が完成したら、まずはキッチンカーの開業・運営に必要な資金を集めましょう。

開業するための初期費用が必要なのはもちろんですが、開業して間もない時期は売上が少ないので、ビジネスが軌道に乗るまでの運転資金も確保しておく必要があります。

ですが、初期費用は自分一人では用意が難しい大きな金額になるため、銀行からの融資や国・自治体からの補助金・助成金を利用しましょう。

基本的に、銀行は実績のない人への融資を躊躇う傾向があるので、実績が無くても融資してもらいやすい「日本政策金融公庫」を利用するのがおすすめです。

また、国や自治体からの補助金・助成金を受給するには、事前の申請をして条件を満たす必要があります。

5. 営業に必要な車両を購入する

キッチンカーの営業に必要な許可・資格を取得したら、最後に実際に使用する車両を購入しましょう。

キッチンカーの車両の入手方法は4つありますが、方法によって予算目安が異なるため、自分の予算に合わせて考えましょう。

なお、内外装にこだわって理想のキッチンカーに仕上げて開業したいのであれば新車を購入するのがおすすめですが、改装費も含めると費用が高くなってしまいます。ですが、中古車で開業する場合は、新車の半額ほどの費用で購入できます。

また、少しでも初期費用を抑えて開業したいのであれば、レンタルやリースで車両を用意するのも選択肢の1つです。

入手方法相場
新車を購入する300~500万円
中古車を購入する150~300万円
レンタルする20~50万円(月)
リースで購入する7~8万円(月)

内外装にこだわって理想のキッチンカーで開業したいのであれば新車がおすすめですが、改装費まで含めると結構な金額になってしまいます。

一方、中古車で購入する場合であれば、改装費を含めたとしても新車の半額ほどで購入可能です。

また、新車や中古車で購入することで初期費用の負担が大きくなってしまうことを避けたいという方向けに、レンタルやリースで車両を用意するという手もあります。

キッチンカーの車両は入手方法によってメリット・デメリットが異なるので、以下の記事を参考にしながらどの方法で入手するか検討してみてください。

6. 車両を改良する

車両を用意したら、キッチンカーとして営業するために改装をしましょう。

改装にかかる費用は、車両の大きさによって変動し、業者に依頼する場合は車両費も含めて150万円~400万円程度になります。

注意

自分で改装すれば100万円程度が相場ですが、改装するには専門的な知識と高い技術力が必要になるため、なるべく専門の業者に依頼するのがおすすめです。

保健所がチェックするポイント

改装する際は、保健所が定めている規定を守っていないと完成しても営業できないため、規定を確認したうえで行いましょう。

7. 必要な許可や資格を取得する

キッチンカーとして使用する車両の改装まで完了したら、営業場所の地域にある保健所で「営業許可」を取得しましょう。

保健所の営業許可を取得せずに営業すると「無許可営業」となり、罰則として2年以下の懲役、または200万円以下の罰金となってしまいます。

営業許可の取得条件は、かなり細かく決められていますが、スムーズに進めば2週間ほどで取得できるでしょう

また、飲食物を提供するキッチンカーでは「食品衛生責任者」の資格が1人以上取得している必要があるため、必ず取得しておきましょう。食品衛生責任者は、講習を受けて確認試験に合格すれば取得ができます。

開業に必要な許可と資格一覧

名称理由
保健所の営業許可営業許可がないと、キッチンカーを開業できないため※5年おきに更新する必要がある
食品衛生責任者飲食物を提供する店舗を運営する際に必要となるため※講習を受けると取得可能で、調理師や栄養士の資格をすでに持っていれば講習の参加が免除となる
普通自動車免許キッチンカーを運転する際に必要となるため
調理師免許、栄養士未取得でも開業・運営はできるが、あればお客さんの信用度が上がる可能性があるため

キッチンカー(移動販売)で成功するポイント

SNSを駆使して集客を行う

キッチンカーで成功するためには、X(旧:Twitter)やInstagramなどのSNSを駆使してお店の宣伝を行い、集客率の増加を図りましょう。

フォロワーが増えて認知度を上げるには時間がかかるケースもありますが、拡散力はあるため、めげずに毎日更新し続けましょう。

こだわりを出しすぎずに売れるものを提供する

キッチンカーで成功率を上げるには、自分のこだわりを前面に出しすぎず、確実に売れるものを提供するようにしましょう。

自分のこだわりが詰まったメニューばかりだと、お客さんは「どんな味がするか」想像しにくく購入をためらう可能性が高く、売上が伸びにくいです。

そのため、こだわったメニューも置きたいなら、オーソドックスな万人受けするメニューも用意しておくようにしましょう。

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キッチンカー開業・運営で失敗する例

客単価が低くて利益を出せない

キッチンカーで販売するものによりますが、特性上「昼食」または「軽食」として利用される機会が多いため、客単価が低い傾向にあります。

反対に、販売価格を上げて客単価を高くしようとすると、集客が悪くなり経営状況が悪化して廃業せざるを得なくなります。

したがって、料理に使う食材の仕入れ値を交渉して原価を下げたり、サイドメニューを工夫してセットで注文してもらえるように工夫しないと失敗する可能性が高いです。

営業場所を確保できない

せっかくキッチンカーを開業できたとしても、営業する場所を確保できずに事業が失敗してしまうケースがあります。

例えば、イベントやショッピングモールの一角を間借りして営業するためには、事前に申請して出店料を払う必要があります。

特に、多くの人が集まると予想される大規模イベントだと、出店料を払ってもそれ以上の利益が見込めるため、すぐに募集枠が埋まることがあります。

また、フランチャイズに加盟して開業すれば本部のサポートによって出店場所を確保できますが、個人で開業すれば自分で出店場所を探す必要があるため、必ず確保できるとは限りません。

悪天候などの外的要因による経営状況の悪化

キッチンカーは基本的に屋外で営業することになるため、天候によって売上が左右されます。

例えば、雨が降っている日や気温が非常に高く、熱中症の危険がある日は外出する人が減り、お店に来るお客さんも比例して少なくなります。

したがって、天候によって売上が減る日があることを想定した上で利益を出せる事業計画を立てないと失敗するでしょう。

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起こりうるトラブルに備えて保険に加入しておく

営業していると、提供した食品を食べたお客さんが「食中毒」になって、賠償金を支払わなければならないことがあります。

ですが「PL保険(生産物賠償責任保険)」に加入しておくと、賠償金を補償してもらえるので、出費を抑えるためにも加入するのがおすすめです。

他にも加入しておくべき保険がいくつかあるため、下記の記事を参考にして加入する保険を選んでください。

まとめ

まとめ

キッチンカーを開業する際の具体的な流れについて紹介してきました。

キッチンカーを開業するためにはやるべきことがたくさんありますが、今回紹介した流れにそって進めればスムーズに開業できるはずです。

ただ、紹介してきたとおり、キッチンカーを開業するには出店場所の確保が必要不可欠です。

開業するまでの6つのステップと並行して、出店場所のリサーチや確保も忘れずにおこなっておくようにしましょう。

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