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ゴーストレストランの違法性は?今後の規制に触れながら解説!

近年、新型コロナウイルスの影響で飲食店の時短営業や営業自粛があったことから、フードデリバリーの需要が高まりました。

外食産業の売上が低迷する中、好調に売上を伸ばしているのが「ゴーストレストラン」という新しい業態です。

ゴーストレストランは、実店舗を持たずにデリバリー専門店として営業する飲食店の業態のことです。

しかし、SNSや口コミサイトなどインターネット上では、「ゴーストレストランは違法なのでは……」という意見もあります。

そこで、当記事では、ゴーストレストランは違法なのか、今後の規制についても触れながら解説していきます。

飲食店を経営している方や、飲食店の開業を考えている人は、参考にしてください。

ゴーストレストランは違法?合法?

デリバリー料理

コロナ渦で下がった飲食店の売上を担保する手段として注目されている、ゴーストレストラン。

飲食店の経営者がゴーストレストランの立ち上げで最も気になるのがその「違法性」についてですが、今のところゴーストレストランが違法な店舗として摘発されたケースはありません。

ゴーストレストランは、デリバリー専門の飲食店です。

そのため、飲食店の開業に必要な「食品衛生責任者」といった資格、「飲食店営業許可書」などの許可を保有する店舗であれば、基本的に保健所から指摘を受けることはありません。

現状、「ゴーストレストランは違法ではない」と言えるでしょう。

ゴーストレストランは「違法性がまったくない」とは言い切れない

ゴーストレストランは、現状違法ではありませんが、「まったく違法性がない」と断言するのは難しい業態です。

なぜなら、法律に詳しい弁護士の中には、ゴーストレストランが違法となるおそれがある、と指摘する人もいるからです。

景品表示法に詳しい染谷隆明弁護士は「『専門店』とうたえばイメージが底上げされ、消費者も専門店なりの質を期待して注文する」と指摘。 「実態が専門店を名乗るのにふさわしいものとかけ離れていれば、景表法に抵触する可能性がある。消費者に誤解を与えない実態に合った表示が必要だ」と訴える。

新聞記事でも指摘されているように、ラーメン屋として営業許可を受けている店舗が海鮮丼の専門店を名乗るなど、ゴーストレストランの中には悪質な店舗もあります。

専門店ではないにも関わらずあたかも専門店かのように偽ると、消費者に優れた店舗・優れた商品であると誤解させてしまう「優良誤認」にあたるおそれがあるのです。

また、ゴーストレストランの中には、一箇所の店舗で複数の専門店を名乗って営業しているケースもあります。

ゴーストレストランの注文を受けるデリバリーサービスのプラットフォームでは、一つの営業許可証しか所有していないにも関わらず、専門店を名乗って複数の店舗を展開することを禁止しているところもあります。

よって、ゴーストレストランが今後規制されるおそれは十分あるでしょう。

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違法とならずにゴーストレストランを営業する方法

ゴーストレストランは、現在違法ではないものの、グレーゾーンという扱いです。

よって、現在飲食店を経営中の人や、これから独立して飲食店を始めようとしている人は、違法なゴーストレストランの営業をしないよう注意してください。

2023年2月現時点で、違法とならずにゴーストレストランを営業する方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 〇〇専門店という名称を使わない
  • 時間帯で営業する店舗を分ける
  • 同業種でテイクアウト専門店を開業する

それでは、ゴーストレストランの開業を検討する方に向けて、それぞれの方法について解説します。

〇〇専門店という名称を使わない

ゴーストレストランが違法となるおそれがあるのは、実態を偽るなどして消費者に優良誤認をさせた場合です。

よって、カレー以外も取り扱う店舗でカレー専門店を名乗るなど、「〇〇専門店」という名称でのゴーストレストランの開業は避けるべきです。

時間帯で営業する店舗を分ける

「〇〇専門店」というゴーストレストランを開業したい場合、時間帯で営業する店舗を分けることで、違法とは判断されにくくなるでしょう。

たとえば、夜は居酒屋として営業し、昼はデリバリー専用のからあげ専門店としてゴーストレストランを営業する、といったことが考えられます。

同業種でテイクアウト専門店を開業する

ゴーストレストランを営業していて違法と判断されないためには、店舗の実態とかけ離れた営業をしないことが必須です。

そこで、実店舗を営業中の飲食店がゴーストレストランを新規に開業する際、同業種のテイクアウト専門店にする、という方法があります。

たとえば、イートインスペースで喫茶店を営業しつつ、同じ調理設備を使って、デリバリー専門店のゴーストレストランを開業するなどがあります。

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ゴーストレストランはユーザーからの評判が悪い?

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現在、ゴーストレストランの営業や新規開業は、違法ではありません。

しかし、同一住所の店舗から「〇〇専門店」のゴーストレストランを複数出店するなど、消費者の優良誤認をまねく悪質なゴーストレストランは違法とみなされるおそれがあります。

悪質なゴーストレストランは、ユーザーからの評判が悪く、SNSを中心に批判的な意見や否定的な意見もあります。

Twitter上では、「一か所の店舗から20以上のもの専門店を名乗って運営するゴーストレストランがある」と指摘もされていました。

また、そうした悪質なゴーストレストランは、専門店を名乗りながら味や品質が悪い店舗もあるようで、注文して後悔しているユーザーの口コミも見受けられました。

ゴーストレストランは、違法性がまったくないとは言い切れない業態です。

よって、実店舗の信用を損なわずに売上をアップさせたい人や、飲食店の開業を成功させたい人は、ゴーストレストランの健全な営業を行ってください。

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ゴーストレストランは経営者にとってのメリットが多い

フライパンを持つシェフ

ゴーストレストランとして開業する飲食店や営業する飲食店が増加しているのは、ゴーストレストランは経営側にとってメリットの多いビジネスモデルだからです。

経営者がゴーストレストランを開業・営業する主なメリットとしては、

  • 初期費用を安く抑えられる
  • 場所代を安く抑えられる
  • ユーザーに利用してもらえる可能性が高くなる

の、3点があげられます。

それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

1. 初期費用を安く抑えられる

一般的なイートインの飲食店を始める場合、キッチンだけでなくお客さんが食事するための席を用意しなくてはいけません。

デリバリーやテイクアウト専門店を始めるにしてもお客さんが注文するために並べるよう、ある程度のスペースを確保が必要です。

また、店舗としての形をなすために、食器類や家具などを買い揃える必要もあり、初期費用が高くなります。

一方、ゴーストレストランは店舗としての実態をもたず、料理できるスペースさえあればいいため、初期費用を抑えて開業することができるのです。

2. 場所代を安く抑えられる

ゴーストレストランはスタッフが調理できるスペースさえあれば営業できるため、一般的な飲食店よりも店舗の賃料を安く抑えることができます

また、イートインで複数の専門店を営業しようとすると、店舗の数だけ場所を用意しなくてはいけないため、店舗の数だけ初期費用や毎月の家賃もかなりの金額になってしまいます。

一方、ゴーストレストランとして一つの場所で複数の専門店を営業する場合であれば、一店舗分の家賃のみで営業可能です。

ランニングコストの中でも大きな割合を占める場所代を安く抑えられる点は、経営する側にとって非常に大きなメリットだと言えるでしょう。

3. ユーザーに利用してもらえる可能性が高くなる

一つの店舗で複数の専門店を名乗って営業する場合、より多くのユーザーをターゲットに商売できるようになります。

例えば、海鮮丼の専門店として飲食店を経営する場合、注文してくれる可能性があるのは「海鮮丼を食べたい」と思っているユーザーのみです。

一方、ゴーストレストランとして一つの店舗が、

  • 海鮮丼の専門店
  • カレーの専門店
  • 中華料理の専門店

など、複数の専門店を名乗って営業する場合、

  • 海鮮丼を食べたい人
  • カレーを食べたい人
  • 中華料理を食べたい人

さまざまなユーザーに利用してもらえるようになります。

利用してくれるユーザーが多くなれば多くなるほど売上も多くなるので、これも経営者側にとっての大きなメリットだと言えるでしょう。

ゴーストレストランに対する規制が今後厳しくなる可能性

調理場の様子

ゴーストレストランは法的に規制されているわけではありませんし、優良誤認の可能性があるとは言え、摘発されるような店舗が出てきているわけでもありません。

そのため、営業許可など必要な手続きさえ済ませてしまえば、ゴーストレストランとして新たに飲食店を出店することは可能です

しかし、現状を考えるとゴーストレストランに対する規制は今後厳しくなっていくことが予測されます。

それは法的にというだけの話ではなく、ゴーストレストランにとっての生命線であるプラットフォームにおける話でもあります。

実際、デリバリーサービスとして国内最大級の規模を誇るUber Eatsゴーストレストランの規制に乗り出すという噂も出ています。

まだ噂の段階でしかありませんが、規制された場合、1拠点1レストランに規約が変更され、同じ住所・同じ店舗で複数の専門店を展開するような方法で営業できなくなってしまう可能性があります。

業界を牽引するUber Eatsがゴーストレストランの規制に乗り出すとなると、他のプラットフォームも追従することも予想されるため、今後ゴーストレストランが稼げる業態でなくなってしまう可能性は高いと言えるでしょう。

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まとめ

デリバリーへの需要が高まったことで問題視されているゴーストレストランについて紹介してきました。

ゴーストレストランは優良誤認として指摘される可能性を秘めている業態ではあるものの、実際に摘発されたようなケースは今のところありません。

そのため、きちんと飲食店の営業許可さえとっていれば違法性はないと言っていいでしょう。

しかし、ユーザーからの評判が悪く、問題視されていることを考えると、今からゴーストレストランとして飲食店ビジネスを始めるのはおすすめできません。

今後取り締まりが厳しくなっていく可能性もあり、プラットフォーム側の規制が厳しくなっていくと予想されています。

飲食店ビジネスには、フランチャイズでの開業と言ったなるべくリスクを抑えて始められる出店方法もあるので、そういった方法での開業を検討してみてはいかがでしょうか?

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