主婦だからこそ起業・開業して成功するチャンスがあります。
しかし主婦が一人だけの力で起業・開業し、成功に導くのは困難を伴います。
資金繰りや経営に関する知識、営業のノウハウ、市場の情報といった不足する部分を補うサポーターが必要です。
そこでこの記事では、主婦による起業・開業を成功させるためのポイントやサポート制度について解説します。
主婦が起業・開業で成功できるビジネスとは?
主婦が起業・開業し、それを成功させるなら、次のような特徴のあるビジネスモデルを選ぶことが大切です。
- 家でできる
- 時間の融通が利く
- 自己資金(開業資金)が少ない
家でできる
主婦が起業・開業するなら、自宅に拠点を置いて展開できるビジネスがおすすめです。
自宅に事業の拠点があれば、家事の合間に生まれる隙間時間をビジネスに充当できます。
また通勤時間がなく、帰宅した家族を出迎えることも可能です。
時間の融通が利く
時間の融通が利く業種やビジネスモデルを採用することも大切です。
主婦の場合、家族の状況に合わせてスケジュールを調整しなければならないことは多々あります。
例えば子供の急な体調不良によるお迎えや、学校行事、習い事の送迎です。 日中は会社勤務の夫の代わりに用事を済ませなければならないこともあります。 また自分が経営者となって起業・開業するなら、自分の裁量で自由に休日を設定したいものです。
営業時間内は常駐しなければならない仕事や、営業時間が明確に定められている仕事ではなく、空いた時間でできるビジネスモデルを選択してください。
開業資金が少ない
主婦が起業・開業するなら、開業資金を極力抑えて始められる仕事を選ぶことが大切です。
主婦が起業・開業する場合は、「家族の将来に備えて資金の余裕が欲しい」というものが大半です。
開業に費やす自己資金が大きくなるほど、万が一事業が軌道に乗らなかった際のリスクも大きくなります。
主婦の起業・開業では、小さく始めて大きく育てることを念頭に置いてください。
主婦が起業・開業する際に注意するポイント
主婦が起業・開業する際に注意すべきポイントが、次の4つです。
- 扶養や控除について考えておく
- 必要な手続きをあらかじめ確認する
- 使える制度を調べておく
- 人に相談する
扶養や控除について考えておく
税負担の面で不利にならないように、最低限の知識を持っておく必要があります。
例えば、パートで給与所得を得る場合は、年間103万円まで配偶者控除の対象になります。 しかし個人事業主の場合、事業所得で年間38万円を超えると配偶者控除の対象になりません。 また個人事業主としての事業所得が夫の年収の1/2以下かつ130万円未満でないと、健康保険の扶養に入ることができなくなります。また個人事業主としての事業所得が夫の年収の1/2以下かつ130万円未満でないと、健康保険の扶養に入ることができなくなります。
税制はイレギュラーに変わるほか、難しい計算を伴います。不安があれば、税理士のような専門家に相談すると安心です。
必要な手続きをあらかじめ確認する
起業・開業する際には、いくつかの手続きが必要です。
手続きの方法は、起業・開業の形態によって異なります。
主婦が起業・開業する方法を、事業形態別に必要な手続きについてご説明します。
個人事業主
個人事業主として起業・開業する際の手続きは、税務署で2つの手続きを行うことで完了します。
- 開業届の提出
- 税務申告の書類提出
基本的には上記2つの手続きのみで個人事業主として開業できます。
もし配偶者や15歳以上の親族に対して従業員として給与を支払う場合や、従業員を雇用して社会保険に加入させるといった場合は別途手続きが必要です。
【開業届の提出】
「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類に必要事項を記入し、税務署に提出します。
書式は国税庁の公式サイトから入手することもでき、郵送での提出も可能です。
【税務申告の書類提出】
個人事業主の確定申告には、青色申告と白色申告があります。青色申告する場合は、税務署への申請手続きが必要です。
「個人事業の開業・廃業等届出書」の「青色申告承認申請書」または「青色申告の取りやめ届出書」欄の「有」にチェックをつけ、「所得税の青色申告承認申請書」という書類を提出すれば申請できます。
「所得税の青色申告承認申請書」も国税庁のホームページから入手可能です。
なお白色申告の場合は、開業届を提出するだけで自動的に申請できます。
法人設立
法人の種類は多種多様です。
・株式会社 ・合名会社 ・合資会社 ・合同会社 といった会社から、 ・一般社団法人 ・一般財団法人 ・NPO法人 ・社会福祉法人 のような形態まで、法人に分類されます。
法務省に法人としての商標登録をすることで法人になることができますが、定款(ていかん)と呼ばれるいわば会社の憲法となるルールを策定しなければならず、資本金も必要です。
画像引用元:株式会社の設立の流れ(法務省)
また法人設立した場合は、会社としての登記完了後に健康保険や税務手続きが必要です。
フランチャイズ
フランチャイズに加盟する場合は、個人事業主もしくは法人としての起業・開業手続きとフランチャイズ加盟店としての手続きの両方が必要です。
主婦が起業・開業するなら、個人事業主としてスタートし、業績に応じて法人に移行することを考えるのが妥当です。
個人事業主であれば手続きが簡単で、資本金や開業手続きの費用もかかりません。
初期費用の負担を軽減しながら、速やかに事業を始めることができます。
使える制度を調べておく
主婦が起業・開業するならぜひ活用したいのが、自己資金の不足をサポートする助成金や補助金、融資といった各種支援制度です。
助成金や補助金は常に公募しているわけではありません。
また支援内容が変更されることもあります。起業・開業を考え始めたらすぐに支援制度についての情報を集めてください。
主婦が利用できる代表的な制度をいくつかご紹介します。
【主婦が利用できる制度例(融資)】※2022年7月現在
制度名称 | 運営元 |
---|---|
新規開業資金 (女性、若者/シニア起業家支援関連) | 日本政策金融公庫 |
新創業融資制度 | 日本政策金融公庫 |
生活衛生新企業育成資金 (新企業育成・事業安定等貸付) | 日本政策金融公庫 |
制度名称 | 対象者 |
---|---|
新規開業資金 (女性、若者/シニア起業家支援関連) | 女性または35歳未満か55歳以上の方 |
新創業融資制度 | 制限なし |
生活衛生新企業育成資金 (新企業育成・事業安定等貸付) | 女性は年齢制限なし (ただし飲食店の営業やクリーニング業・理美容業など一定の業種に限る) |
制度名称 | 限度額 |
---|---|
新規開業資金 (女性、若者/シニア起業家支援関連) | 7,200万円 (うち運転資金4,800万円) |
新創業融資制度 | 3,000万円 (うち運転資金1,500万円) |
生活衛生新企業育成資金 (新企業育成・事業安定等貸付) | 7,200万円~ (設備資金 ) |
上記は2022年7月現在のものです。内容は変動しますので最新の情報は各公式サイトをご確認ください。
募集期間に限りがありますが、次のような補助制度もあります。
- ものづくり補助金→個人事業主や中小企業のサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善にかかる設備投資の一部を支援
- IT導入補助金→小規模事業者や中小企業のITツール導入に必要な経費の一部を補助する制度
また地域に根ざした事業を支援する制度として、次のようなものもあります。
- 【東京都】女性・若手・シニア創業サポート事業
- 【愛知県】あいち女性起業家・経営支援プログラムCOMPASS
- 【大分県】女性起業創出促進事業「Oita Starting Woman」
「女性 起業 助成」「女性 起業 補助金」「女性 起業 融資」といったキーワードで検索すると、ご自身の事業に適した制度が見つかります。
人に相談する
主婦が起業・開業する際に大切なのは、早い段階で家族や周囲の人、起業を支援する窓口で相談することです。
家族や周囲の人の理解とサポートは、事業を成功させるために必須です。 家族の賛同を得られるよう、逐一相談して意見のすり合わせを行ってください。
また、限られた資金や時間をやりくりする必要があります。
堅実な事業計画を策定して起業・開業を進めることが重要です。
初めての起業・開業なら、各種相談窓口を活用して最新の有益な情報を収集してください。
無料で相談できる窓口には次のようなものがあります。
【無料の起業・開業相談窓口の一覧】
相談窓口 | 相談できる内容 |
---|---|
商工会議所 | ・起業・開業にかかる相談全般 ・開業手続きに関する案内 ・資金調達の相談 ・起業に向けたセミナー |
中小企業センター | ・起業・開業にかかる相談全般 ・開業手続きに関する案内 ・資金調達の相談 |
日本政策金融公庫 | ・資金調達の相談 |
創業手帳 | ・起業・開業にかかる相談全般 ・開業手続きに関する案内 ・資金調達の相談 ・税理士の紹介 |
相談窓口 | 相談方法 |
---|---|
商工会議所 | 窓口来所 (対応時間は地域により異なる) |
中小企業センター | 窓口来所 (対応時間は地域により異なる) |
日本政策金融公庫 | 窓口(要予約) オンライン(要予約) |
創業手帳 | 窓口(オンラインで事前申し込み) 電話(オンラインで事前申し込み) |
いずれも無料で専門家のアドバイスを受けられます。ぜひご活用ください。
主婦の起業に飲食店のフランチャイズがオススメな理由
主婦の起業・開業を成功させるためには、最小限の資金と労力で始められること、そして起業・開業に関するサポートが受けられることは欠かせません。
この2点を満たす方法の一つとして有効なのがフランチャイズという起業方法です。
フランチャイズで起業・開業するメリットには次のようなものがあります。
- 開業サポートを受けられる
- 知名度があり集客しやすい
- ライフスタイルに合わせた選択肢が多い
開業サポートを受けられる
フランチャイズを活用して起業・開業する最大のメリットは、開業にあたって必要なさまざまなサポートを受けられることです。
具体的には、資金の捻出から開業の準備、さらにオペレーションマニュアルやノウハウといった情報を得られます。
例えば商工会議所や中小企業センターといった機関は起業・開業に関する専門家ですから、起業・開業に関する幅広い知識を網羅しています。
一方のフランチャイズ本部は、事業内容に特化した専門家です。両者のサポートを得られれば、万全の体制で開業に臨めます。
知名度があり集客しやすい
フランチャイズ本部は、チェーン展開して成功している企業です。
フランチャイズで起業・開業すれば、すでに知名度のある店舗名で開業できるので、宣伝広告しやすく、集客しやすいメリットがあります。
集客に成功することは、事業を成功させるために欠かせない条件です。
無名の小規模事業者として事業をスタートした場合、知名度を上げるまでに時間がかかります。労力を最小化して起業・開業するなら、フランチャイズは有効な手段です。
ライフスタイルに合わせた選択肢が多い
フランチャイズで起業・開業できる業種は多岐に渡ります。
例えばテイクアウトやキッチンカー、カフェといった業種なら、主婦としての経験を生かしながら収入を増やすことが可能です。
挑戦したい業種でフランチャイズ展開している企業を探してみてください。
遠い夢に思えていた起業や自己実現も、フランチャイズという仕組みを活用することで、現実にすることも可能です。
まとめ
主婦としての経験は、起業・開業に大いに役立ちます。
ただしビジネスを始めるためには、専門的な知識や市場の動向に関する情報、そしてまとまった資金が必要です。
主婦の起業・開業なら、リスクを最小限にするための対策は欠かせません。
個人事業主として小さく始めるのも一つの方法です。
しかし将来を見据えてより大きく事業を育てることを考えるなら、フランチャイズという方法を検討する価値は十分にあります。