パン屋は儲かる?利益率や成功するためのコツを解説

パンの需要は食の洋食化に伴い拡大傾向にあり、需要も伸びています。

食品製造業の中でも高い利益率を誇る「パン屋」は儲かる業種です。

しかし競争率も高いので、パン屋で成功するためにはコツを抑えておかなければなりません。

そこでこの記事では、これからパン屋で開業を考えている人に向けて、パン屋の利益率パン屋で儲けるコツを紹介します。

パン屋は儲かるのか

パン

結論から言うと、パン屋は儲かる業種です。

その理由を次の2つの観点でご説明します。

  • パンの市場の動向
  • パンの利益率

パンの市場の動向

米を炊くより手軽で手間がかからないパン食は、時間に追われる現代人の生活スタイルにフィットした主食です。

総務省統計局が発表している調査から、米への支出の減少とパンへの支出の増加が進んでいることがわかっています。

2010年から2012年の平均値では、パンへの支出が米を上回り、以降ゆるやかにパン食にかける支出額は増加を続けています。

データ参照元:家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(総務省統計局)
URL:https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html

パン食の需要が伸び続ける背景には、次のような要因があります。

  • 食の欧米化
  • シンプルな食パンから菓子パン、惣菜パンとバリエーションが豊富
  • 調理せずそのまま食べられる

時間をかけずに手軽に食事を済ませることができるパンへの需要は、今後も増加することが予想されます。

パン屋の利益率

利益率とは、売上に対する利益の割合を示す指標です。

事業計画や業績を考える際に重要な指針となります。

パン屋で起業した場合に見込まれる利益率について、中小企業庁のデータから利益率の数字を抜粋したものが次の表です。

【パン屋の利益率】※単位はいずれも%

業種経営資本対営業利益率
菓子・パン小売業平均13.2
菓子小売業、パン小売業〔製造小売〕14.1
菓子小売業、パン小売業〔小売〕10.7
小売業総平均8.6
業種売上高対営業利益率
菓子・パン小売業平均7.4
菓子小売業、パン小売業〔製造小売〕7.6
菓子小売業、パン小売業〔小売〕7.1
小売業総平均4.3
業種売上高対総利益率
菓子・パン小売業平均56.0
菓子小売業、パン小売業〔製造小売〕62.0
菓子小売業、パン小売業〔小売〕39.0
小売業総平均39.0

参照元:中小企業の経営指標(中小企業庁)
URL:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/keiei_sihyou/h11/07_d.html

利益率には、次のようにいくつかの種類があります。

用語説明
経営資本対営業利益率・会社の本業の収益性をあらわす指標
・一般的な水準は6~10%程度
売上高対営業利益率・営業活動で得た利益が売上の何%に当たるかを示す数字
・主席性や経営効率の良否の指標
・一般的な指針は10%
・11%以上であれば優良水準とされる
売上高対総利益率・総利益(粗利益)の割合
・売上から原価を差し引いて算定
・数値が高いほど収益性や採算性が良いと判断できる
・全業種の中央値は26.9%

上記の3つの利益率について全業種の目安、小売業の平均値、パン屋(製造小売)の数値を比較したものが下の表です。

【全業種とパン屋の利益率の比較】※単位はいずれも%

利益率パン屋(製造小売)
経営資本対営業利益率14.1
売上高対営業利益率7.6
売上高対総利益率62.0
利益率小売業の平均値
経営資本対営業利益率8.6
売上高対営業利益率4.3
売上高対総利益率39.0
利益率全業種の目安
経営資本対営業利益率6~10
売上高対営業利益率10
売上高対総利益率26.9

参照元:中小企業の経営指標(中小企業庁)
URL:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/keiei_sihyou/h11/07_d.html

パン屋は利益率が高い業種です。

なかでも特筆すべきは、粗利率(売上高対総利益率)の62.0%という数値です。

粗利率が高いことは、大きな利益を出していることを示します。

市場の成長に伴い需要も拡大傾向にあること、またパンという利益を出しやすい商品を取り扱うパン屋は十分に儲かる可能性のある業種です。

パン屋の開業が厳しいと言われる理由

why?

パン屋は稼げる業種です。

ところがパン屋の開業・経営は容易ではありません。

帝国データバンクの調査によると、パン屋の廃業件数が増加していることが報告されています。

画像引用元:パン製造小売業者の倒産動向調査(2019 年)(帝国データバンク)

パン屋の開業、そして経営を継続することが困難になる原因は次の4つです。

  • 開業資金が高い
  • 食材の高騰
  • 競合が多い
  • 経営スキルの不足

開業資金が高い

パン屋の開業費用は、設備費用だけで300万円〜1000万円程度見込まなければなりません。

業務用のオーブンや発酵器、冷蔵庫、冷凍庫といった大型の設備は高価です。

開業資金を抑えるために居抜き物件を活用するほか、設備や備品はリースする、といった工夫が必要です。

食材の高騰

不安定な社会情勢を受けて、輸入食材の価格が高騰しています。

パンの主要な原材料である小麦粉も価格が高騰している食材の一つです。

原材料の価格が高騰すれば原価率が上がり、その分利益率は下がります。

画像引用元:輸入物物価指数(小麦)(日本銀行)

こういった輸入食材を取り巻く不安定な情勢に対する対策としては、次のようなものが考えられます。

  • 国産の原材料を使用
  • 小麦粉の代わりに米粉を使う
  • 高級食パンのようにパンの価格を高くする

これからパン屋で開業するのであれば、原価への不安を払拭するため、また儲かるパン屋を育てていく意味で、パンの単価を高く設定しても売れる方法を模索する必要があります。

競合が多い

パン屋は安定した需要に支えられているものの、競合が多い業種です。

大手スーパーやコンビニエンスストアがパンのオリジナルブランドを打ち出して、しのぎを削っています。

知名度や価格、立地の面で及ばない個人で営むパン屋の場合、強固な経営戦略なしに太刀打ちできません。

経営スキルの不足

パン屋で稼ぐためには、経営者としてのスキルが欠かせません。

必要なスキルは、大きく2つに分類できます。

  • パンを作るスキル
  • パン屋を経営するスキル

パンを作る技術があればパン屋を開業できます。

しかし経営を続けるには不十分です。

数字を読み解く力や将来設計する能力、取引先との付き合いといった対人スキルも求められます。

「パンを作ることはできるが経営スキルには不安がある」といった場合は、経営面でサポートを受けられるフランチャイズのような仕組みを活用することを検討するのも一つの方法です。

パン屋を開業するまでの手順

how to

実際にパン屋を開業するまでの大まかな流れを、時系列で示すと次のようになります。

  • パンを作る技術の取得
  • 開業資金の用意
  • 店舗のコンセプトやメニューを考案
  • 仕入れ先の選定
  • 物件探し
  • 店舗の場所や店舗のレイアウトを決定
  • 設備の購入・リース
  • 保健所で営業許可取得
  • 宣伝告知
  • プレオープン
  • 開業

パン職人と経営者を兼任しながら、かつ営業や接客もこなすイメージです。

パン屋の開業に必要な資格・届出

パン屋を開業するために、必ず必要な資格・届出は次の3つです。

  • 開業届
  • 食品衛生責任者
  • 菓子製造業の営業許可証
資格申請先
開業届税務署
食品衛生責任者保健所
菓子製造業の営業許可保健所
資格取得・届出方法
開業届税務署で申請(郵送やネットでも可)
食品衛生責任者食品衛生責任者養成講習会を受講(会場もしくはイーラーニングで受講)
菓子製造業の営業許可保健所へ事前協議の上で書類を提出、現地調査を受ける
資格取得費用(税込)
開業届無料
食品衛生責任者12,000円
菓子製造業の営業許可16,800円
注意

営業許可証の取得費用は東京都新宿区の場合

パンを販売する場合は、菓子製造業の営業許可が必要です。

イートインがある場合

店内にイートインコーナーを併設したパン屋の場合、飲食店の営業許可が別途必要です。

ただし食品衛生法の改正に伴って、イートインコーナーを設置しているものの、パン以外のメニューを提供しない場合は、菓子製造業の営業許可だけで営業できます。その際は、飲食店の営業許可は不要です。

例えば、店内で製造したパンを喫食するイートインコーナーをパン屋に併設する場合、菓子製造業の営業許可営業ができます。

しかしパン以外にサラダやスープを提供する、といった場合は、飲食店の営業許可が必要です。

資格申請先
飲食店の営業許可
(東京都新宿区の場合)
保健所
資格取得・届出方法
飲食店の営業許可
(東京都新宿区の場合)
保健所へ事前協議の上で書類を提出、現地調査を受ける
資格取得費用(税込)
飲食店の営業許可
(東京都新宿区の場合)
18,300円

他の業者が製造した商品を販売する場合

他の業者で調理した商品を販売する場合は、菓子製造業の営業許可に加えて食料品等販売業の営業許可が必要です。

資格申請先
食料品等販売業の営業許可
(東京都多摩地区の場合)
保健所
資格取得・届出方法
食料品等販売業の営業許可
(東京都多摩地区の場合)
保健所へ事前協議の上で書類を提出、現地調査を受ける
資格取得費用(税込)
食料品等販売業の営業許可
(東京都多摩地区の場合)
13,200円

店舗が広い場合に必要な資格

30人以上の人を収容できる大きなパン屋の場合は、防火管理者資格が必要です。

資格申請先
防火管理者資格
(東京消防庁の場合)
消防署
資格取得・届出方法
防火管理者資格
(東京消防庁の場合)
消防署で講習を受ける
資格取得費用(税込)
防火管理者資格
(東京消防庁の場合)
1,700円〜5,500円程度

防火管理者資格には甲種乙種があり、店舗規模によって受講する講座が異なります

詳しくは最寄りの消防署にご確認ください。

パン屋を開業して成功するコツ

コツ

競合ひしめく中でも成功しているパン屋が必ず押さえているコツがあります。

  • SNSを活用したブランディング
  • 適切な商品開発
  • 原価率のコントロール
  • 運転資金を用意

SNSを活用したブランディング

ライバルの多いパン屋の場合、知名度を上げることが必須です。

SNSを活用して他のパン屋にはない自店の魅力を余すところなくアピールしてください。

適切な商品開発

顧客層によって売れるパンの種類は異なります。

出店前に市場調査を綿密に行い、自店の強みを活かしたパンの需要が高いと考えられるエリアに開店し、商品を展開することが大切です。

例えばファミリー層の多いエリアに出店するのであれば、子供が好む種類のパンを多く展開する必要があります。

その際、手頃で毎日でも手に取りやすい価格設定を検討してください。

またオフィス街の近くに出店する場合は、手を汚さずに簡単に食べられる種類のパンを増やすことが大切です。

商品のラインナップも増やして、飽きずに何度でも足を運びたくなる仕組みを作ることも欠かせません。

原価率のコントロール

パン屋は利益を上げやすい業種ですが、廃棄ロスが大量に発生すれば原価率が上がり、利益は下がります。

来店の状況をデータ化して把握し、ロスを出さないペースでパンを製造できるようにコントロールすることは欠かせません。

運転資金を用意

パン屋を開業してから経営が軌道に乗るまでには、時間がかかります。

開業資金だけでなく、開店後の運転資金が潤沢に用意できるか否かが成功のカギです。

自己資金が少ない場合は、開業の段階で極力経費を抑えることで運転資金に充当してください。

パン屋を始めるならフランチャイズがおすすめ

パン屋

パン屋で開業して成功するためには、パンを作るスキルと同様に経営スキルが欠かせません。

「経営に関しては初心者で不安を感じる」といった状況であれば、フランチャイズで開業するという選択肢もあります。

パン屋のフランチャイズとは、企業に加盟し、チェーン店としてパン屋を開業することです。

「パン」の
フランチャイズ案件を探す

パン屋のフランチャイズのメリット

パン屋のフランチャイズを活用した場合、次のようなメリットが期待できます。

  • 開業や経営のサポートが受けられる
  • 知名度があるので、ブランディングが容易
  • 食材管理の手間が少ない

開業や経営のサポートが受けられる

開業準備から開業後の店舗のオペレーションや経営面まで、手厚いサポートを受けられます。

フランチャイズのオーナー企業は経営のスペシャリストですから、パン屋の経営を一から学ぶことも可能です。 またフランチャイズ本部によっては、開業支援制度を設けている企業もあるため、資金面での不安を解消に繋がります。

知名度があるので、ブランディングが容易

すでに知名度のある店舗名で開業できます。

知名度があるということは社会的信用度に繋がることから、無名の店舗として開業するよりも高い集客力を発揮することが可能です。

食材管理の手間が少ない

フランチャイズの場合、仕入れ先はオーナー企業があらかじめ契約しているため、自身で開拓する必要がありません。

仕入れる食材の吟味や、価格交渉が不要なので、開業にかかる負担を削減できます。

パン屋のフランチャイズの注意点

パン屋でフランチャイズ契約する場合の注意点は、加盟金ロイヤリティが発生するという点です。

加盟金とは、フランチャイズ契約するにあたって必要な商標やロゴ、経営のノウハウを受ける対価として支払うもので、契約時に支払います。

ロイヤリティは開業後、定期的に支払うものです。

これ以外にも、設備投資には大きな初期費用がかかります。 また開店したからといってすぐに利益を出せるようになるわけではないので、開店後しばらくは利益が出ない中でやりくりする必要があります。

ロイヤリティの金額は契約前に確認し、

  • 現実的に捻出可能な金額か
  • 売上の見込み額
  • 諸経費の支払い計画

を含めて、試算しながらご検討ください。

なおロイヤリティの体系はオーナー企業によって異なります。

ロイヤリティの体系について、フランチャイズの説明会を訪れた際や、本部の担当者と話をする際に確認することが大切です。

まとめ

まとめ

パン屋を開業するためには、パン作りの技術と経営スキルが必要です。

他にも資金や市場調査、資格の申請、宣伝活動など、なすべき業務は多岐に渡ります。

一人で全てをこなすのはあまりにハードルが高く、仮にできたとしても成功するまで維持できるかを考えるとかなりの困難があることは否めません。

パン屋は開業してからが勝負です。

成功に向けた長い道のりをサポートしてくれるパートナーを得る目的で、フランチャイズを検討する価値は十分にあります。

希望条件にあった
フランチャイズ案件を探す

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