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バーの開業に必要な資金や資格とは?開業までのステップやよくある失敗も解説

バーの開業に必要な資金や資格とは?開業までのステップやよくある失敗も解説

"夜の街に新たな彩りを添える自分だけのバーを開業する"多くの人にとって夢のような目標ではないでしょうか?しかし、バーの開業は決して簡単ではありません。適切な準備と知識が必要不可欠です。

経済産業省の統計によると、飲食店の開業から5年後の生存率は約30%と言われています。その中でもバーは、特に慎重な準備が求められる業態です。開業時の資金計画から、各種許認可の取得、お客様の集客まで、さまざまな課題を乗り越える必要があります。

この記事では、バーの開業に必要な具体的な知識と手順を、実践的な視点からご紹介します。成功への第一歩は、正しい知識を得ることです。これから開業を考えている方に向けて、準備から開店までの道のりを詳しく解説していきます。

バーの開業に必要な資金と資金調達の方法

バーの開業に必要な資金と資金調達の方法

バーの開業には、想像以上の資金が必要です。物件の確保から内装工事、設備投資まで、開業前に発生する費用を適切に見積もることが重要です。また、開業後の運転資金も含めた資金計画が成功の鍵となります。

目安の資金

バーの開業に必要な資金は、規模や地域によって大きく異なります。一般的な20坪程度のバーを例にとると、総額で1,000万円から2,000万円程度が必要となります。

内訳としては、内装工事費が400万円から800万円、設備費用が300万円から500万円、保証金や家賃などの物件費用が200万円から400万円となります。さらに、在庫仕入れや開業後の運転資金として100万円から300万円を見込む必要があります。

詳細な費用の内訳として、厨房設備(製氷機、食器洗浄機、冷蔵庫など)に150万円前後、音響設備に50万円程度、照明設備に30万円から50万円、エアコンなどの空調設備に70万円程度が必要です。
また、食器やグラス類の購入に30万円から50万円、POS システムなどの管理機器に50万円程度、看板や外装工事に100万円前後を見込む必要があります。
さらに、開業時の在庫(お酒、ソフトドリンク、食材など)として最低でも100万円程度の準備が必要です。

資金調達の方法

資金調達には、主に以下のような選択肢があります。自己資金だけでなく、複数の調達方法を組み合わせることで、より安定した開業が可能となります。

銀行からの融資を受ける場合は、綿密な事業計画書の作成が不可欠です。政府系金融機関である日本政策金融公庫は、創業融資の制度が充実しており、比較的低金利で融資を受けることができます。

また、創業補助金や各種助成金の活用も検討に値します。地域や条件によって受けられる支援が異なるため、早めに情報収集を始めることをお勧めします。

日本政策金融公庫の融資制度では、新創業融資制度を利用すると、最大3,000万円まで、無担保・無保証人での借入が可能です。金利は年1.21%~2.90%(2024年4月現在)程度です。

また、民間銀行でも飲食店向けの専門融資プランがあり、例えば売上入金を担保とした融資なども活用できます。クラウドファンディングを利用する場合は、事前の会員募集や先払いチケットの販売など、開業前から顧客を確保できる利点があります。
支援者特典の設計が重要で、オリジナルカクテルの命名権や限定イベントへの招待など、魅力的な特典を用意することで調達成功率が高まります。

バーの開業に必要な資格と届出

バーの開業に必要な資格と届出

バーの開業に必要な資格と届出は、以下の通りです。

  • 食品衛生責任者
  • 酒類販売業免許の取得
  • 消防法関連の届出
  • 風俗営業許可申請
  • 道路使用許可申請
  • 建築確認申請

それぞれ詳しく解説します。

バーを開業するには、複数の資格と許認可が必要です。これらは地域によって細かい規定が異なることもあるため、管轄する役所に確認しながら進めることが大切です。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、バーを含むすべての飲食店で必ず設置が求められる資格です。講習会の受講により取得でき、受講料は1万円程度です。

講習内容には食品衛生の基礎知識や、食中毒予防の具体的な方法が含まれます。開業後も定期的な講習の受講が必要となり、従業員の衛生管理の指導も食品衛生責任者の重要な役割となります。

酒類販売業免許の取得

お酒を提供するバーには、必ず酒類販売業免許が必要です。申請から取得までには2か月から3か月ほどかかります。

税務署への申請が必要で、人的要件や場所的要件など、細かな基準を満たす必要があります。また、申請時には事業計画書や資金計画書なども求められます。

消防法関連の届出

消防法に基づく各種届出も重要です。防火管理者の選任や消防計画の作成、消防設備等点検報告など、安全管理に関わる書類の提出が必要です。

届出内容は店舗の広さや収容人数によって変わってきます。消防署への事前相談をおこない、必要な設備や書類を確認しましょう。

風俗営業許可申請

深夜営業をおこなう場合は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律にもとづく許可が必要です。申請には様々な要件があり、立地条件なども影響します。

道路使用許可申請

看板の設置や路上駐車場の確保などで道路を使用する場合は、警察署への申請が必要です。この許可は定期的な更新が必要となります。

建築確認申請

店舗の改装や建築を行う場合は、建築基準法に基づく確認申請が必要です。用途地域による制限や防火地域の規制なども確認が必要です。

バーを開業するまでの5つのステップ

バーを開業するまでの5つのステップ

バーを開業するまでのステップは、以下の通りです。

  • コンセプトと事業計画の作成
  • 物件選びと内装工事
  • スタッフの採用と教育
  • 仕入れ先の選定
  • 開店準備と広報活動

バーの開業を成功させるためには、計画的な準備が欠かせません。このステップに沿って、着実に準備を進めていきましょう。

コンセプトと事業計画の作成

バー開業の第一歩は、明確なコンセプト作りです。ターゲットとなる客層や提供する価値を具体的に定める必要があります。

事業計画では、売上予測や必要経費の算出を行います。月間の固定費として家賃、人件費、水道光熱費などを計上し、変動費としてドリンクや食材の仕入れ費用を見積もります。これらの数字を基に、損益分岐点を算出することで実現可能な事業計画が立てられます。

具体的な数値目標として、客単価(5,000円から8,000円程度)、1日の目標来客数(平日20名、週末30名程度)、月間売上目標(300万円から500万円)などを設定します。
また、季節による売上変動(夏季-20%、冬季+30%など)も考慮に入れる必要があります。人件費は売上の25%以内、原価率は30%以内に抑えることを目標とし、家賃は売上の8%以内が望ましいとされています。

マーケティング戦略では、SNSでの情報発信計画や、近隣企業へのアプローチ方法なども具体的に立案します。

物件選びと内装工事

物件選びでは、繁華街からの距離や競合店の有無、賃料などを総合的に判断します。物件の条件は開業後の売上に直結するため、慎重に検討する必要があります。

内装工事では、デザイン性と機能性のバランスが重要です。カウンターの高さや照明の配置など、細かな部分まで使い勝手を考慮した設計を心がけましょう。

物件選びのポイントとして、前テナントの業態や退去理由の確認も重要です。特に給排水設備や電気容量、ガス配管の状況は、工事費用に大きく影響します。
内装工事では、カウンターの材質や椅子の高さ、照明の色温度など、細部にこだわることで居心地の良い空間を作ることができます。工期は通常1.5〜2ヶ月程度で、工事監理費用として工事費の10%程度を見込む必要があります。
また、近隣住民への工事説明と騒音対策も忘れずにおこないましょう。

スタッフの採用と教育

良質なサービスを提供するために、スタッフの採用と教育は特に重要です。採用時には経験だけでなく、人柄や接客センスも重視します。

教育では、お酒の知識やカクテルの作り方だけでなく、緊急時の対応衛生管理についても徹底的に指導します。

具体的な採用基準として、接客経験3年以上、カクテル作成の基礎知識必須、英語での簡単な接客が可能などの条件を設定します。
給与体系は、正社員の場合月給25万円から30万円、アルバイトは時給1,200円から1,500円が一般的です。教育プログラムは、入社後1ヶ月間の研修期間を設け、カクテルの基本技術、食品衛生、接客マナー、緊急時対応などを段階的に指導します。
また、定期的なスキルテストや接客ロールプレイングを実施し、サービス品質の維持・向上を図ります。スタッフのモチベーション維持のため、技能検定の受験支援や資格取得支援制度も設けましょう。

仕入れ先の選定

安定した品質のドリンクや食材を提供するために、信頼できる仕入れ先の確保が必要です。複数の業者から見積もりを取り、価格と品質のバランスを考慮して選定します。

仕入れ先は最低でもメインの取引先2社、バックアップとして1社を確保することをお勧めします。酒類の仕入れでは、定番商品の価格だけでなく、希少銘柄の調達力や緊急時の対応力も重要な選定基準となります。
支払条件は、開業当初は現金取引が一般的ですが、取引実績を積むことで掛け取引(締め払い)に移行できます。在庫管理システムを導入し、適正在庫(通常2週間分)を維持することで、資金効率を高めることができます。
また、季節商品や限定商品の情報提供体制も確認しておきましょう。

開店準備と広報活動

開店前には、試作や接客のリハーサルを重ねて、サービスの質を高めます。また、チラシやソーシャルメディアを活用した広報活動で、開店前から認知度を高めていきます。

開店の1ヶ月前からは、SNSでのティーザー広告を開始し、開店への期待感を醸成します。プレオープンでは、近隣企業や地域の有力者を招待し、口コミの核となる支持者を作ります。
また、地域情報誌やグルメサイトへの掲載も効果的で、掲載費用として20万円程度を見込んでおきます。写真撮影は専門家に依頼し(10万円程度)、訴求力の高い画像を用意します。

オープン後1ヶ月間は、来店特典やSNSでの投稿キャンペーンなど、集客施策を集中的に実施することをお勧めします。メディア向けの記者発表会も検討しましょう。

バーの開業でよくある失敗

バーの開業でよくある失敗

バーの開業でよくある失敗は、以下の通りです。

  • 開業資金の見積もりが甘い
  • 立地選定の失敗

開業時の失敗を防ぐため、典型的な事例を把握しておくことが重要です。他人の失敗から学ぶことで、リスクを最小限に抑えることができます。

開業資金の見積もりが甘い

多くの失敗例に共通するのが、開業資金の見積もりの甘さです。予想外の出費や売上が安定するまでの運転資金を十分に確保できていないケースが目立ちます。

特に注意が必要なのは、予備費の確保です。内装工事の追加費用や、想定以上の在庫の必要性など、予期せぬ支出に備える必要があります。また、開業後3か月程度は十分な売上が見込めないことを前提とした資金計画が重要です。

立地選定の失敗

立地選定の失敗は、売上に直結する重大な問題です。賃料の安さだけを重視して、人通りの少ない場所を選んでしまうケースが多く見られます。

重要なのは、ターゲット層の行動パターンを考慮した立地選びです。駅からの距離、周辺のオフィス街の有無、競合店の状況など、多角的な視点での検討が必要です。

人材確保・育成の不備

適切な人材の確保と育成ができないことも、大きな失敗要因となります。経験者の採用にこだわりすぎて人件費が高騰したり、逆に未経験者の教育が不十分だったりするケースが見られます。

バーの開業を成功させるポイント

バーの開業を成功させるポイントは、以下の3つです。

  • リピーターを逃さないようにする
  • 徹底した衛生管理
  • 効果的な販促活動

それぞれ詳しく解説します。

リピーターを逃さないようにする

バー経営の成功には、安定したリピーター確保が不可欠です。そのためには、お客様一人一人に対する細やかな気配りが重要です。

来店時の好みを記憶し、次回来店時に活かすことで、特別感のあるサービスを提供できます。また、常連客同士のコミュニケーションも大切にし、居心地の良い空間作りを心がけましょう。

具体的な施策として、ポイントカードシステムの導入(来店10回で5,000円分のドリンクチケット進呈など)や、誕生月特典(ボトルキープ料金20%オフなど)の設定が効果的です。
また、顧客管理システムを活用し、来店履歴や好みのドリンク、アレルギー情報などを記録・活用することで、パーソナライズされたサービスを提供します。常連客向けの試飲会や新メニュー提案会(月1回程度)を開催することで、コミュニティ形成も促進できます。

特別な日には手書きのメッセージカードを添えるなど、心のこもったサービスを心がけましょう。LINEなどのSNSを活用した情報発信も、来店頻度の向上に効果的です。

徹底した衛生管理

衛生管理は、バー経営の基本中の基本です。グラスの洗浄方法から、氷の取り扱い、カウンターの清掃まで、細部にわたる手順を明確化し、スタッフ全員で徹底します。

具体的な衛生管理手順として、グラス洗浄は4槽シンク方式(予備洗い→洗剤洗浄→すすぎ→殺菌)を採用し、乾燥後は清潔な布で磨き上げます。
氷の管理では、専用のスコップを使用し、1日1回以上の清掃・消毒を実施。カウンターやテーブルの消毒は、開店前、営業中2時間おき、閉店後の計7回以上実施します。
食材の温度管理はデジタル温度計で記録を取り、生もの(レモンやライムなど)は仕入れ日時をラベリングして管理します。
また、月1回の専門業者による害虫駆除と、年2回の床下清掃も必須です。

効果的な販促活動

口コミを意識した販促活動が効果的です。ソーシャルメディアでの情報発信や、季節限定メニューの提供など、話題性のある取り組みを継続的に行います。

具体的な販促予算として、月々の広告費15万円(SNS広告7万円、地域情報誌4万円、チラシ制作・配布4万円)を確保します。
InstagramやX(旧Twitter)では、週3回以上の投稿を目標とし、カクテル制作動画やスタッフ紹介、季節のおすすめメニューなどを発信します。
また、近隣企業向けの法人会員制度(月会費制、飲み放題プランなど)の導入や、平日限定のハッピーアワー(17時~19時、全品30%オフなど)の設定も効果的です。
イベント企画として、月1回のカクテル教室(参加費5,000円)や、年4回の季節限定メニューの試飲会なども集客に貢献します。

まとめ

バーの開業には、周到な準備と十分な知識が必要です。資金計画から各種許認可の取得、人材育成まで、やるべきことは多岐にわたります。

しかし、綿密な計画と情熱があれば、必ず成功への道は開けます。この記事で紹介した内容を参考に、一つ一つ着実に準備を進めていってください。

開業後も、常にお客様の声に耳を傾け、サービスの改善を続けることが、長期的な成功につながります。自分らしいバーづくりを目指して、ぜひ挑戦してみてください。

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