本記事では、フランチャイズで居酒屋を始めたいと考えている方に向けて、オーナーの平均年収や、フランチャイズを活用するメリット、懸念点などについて詳しく解説します。
フランチャイズに興味はあるものの、「活用する価値は本当にある？」
「独立開業の方が稼げるのでは？」と疑問に思い、足踏みをされている方も多いのではないでしょうか。
本部を選ぶ際のポイントや、おすすめの居酒屋フランチャイズについても紹介するので、フランチャイズが気になっている方にとって有益な情報が得られるはずです。
ぜひフランチャイズ居酒屋を始める際の参考書としてご活用ください。
フランチャイズ居酒屋オーナーの平均年収【1,000万円も狙える】
フランチャイズ居酒屋オーナーになるとどれくらいの年収を稼げるのか。
「Food's Route」に掲載されている居酒屋フランチャイズの月間営業利益は、平均104.9万円です。これを年収に換算すると、約1,259万円となります。
国税庁が公開する「令和４年分民間給与実態統計調査結果について」によると、サラリーマンとして活動している方の平均給与は約458万円とされています。
居酒屋フランチャイズのオーナーになれば、平均的な会社員の2倍以上の収入を得られる可能性があるのです。
会社員として働いて月間100万円以上を稼ぐのは至難の業であり、特別な資格や経験がある方でないとまず到達できません。
収入の大幅アップを目指すのであれば、フランチャイズ居酒屋は、挑戦する価値の高いジャンルといえるでしょう。
フランチャイズで居酒屋を経営するメリット
居酒屋をフランチャイズで開業した際に得られるメリットは、主に以下5つがあげられます。
- 業界未経験でも始められる
- 開業までの時間を短縮できる
- 開店初日から一定の集客が見込める
- 信頼できる仕入れ先を確保できる
- 好立地の物件を見つけやすい
いずれも、個人の力ではなかなか得られない魅力的なポイントです。
居酒屋・バーでおすすめのフランチャイズ
業界未経験でも始められる
フランチャイズでは、業界未経験者でも開業が目指せるよう、知識とスキルを段階的に習得できる充実した研修制度が用意されています。
開業後も、本部から運営に関する助言をもらえたり、スタッフ増員費用の一部を負担してくれたりといったサポートを受けられます。
経営を続けていくうえで何らかの問題に直面しても、一人で抱え込む必要はありません。
「居酒屋の勤務経験が無いから…」 「経営に関する知識が無いから…」と、悩んで開業に踏み切れずにいるなら、フランチャイズはうってつけの手段です。
開業までの時間を短縮できる
コンセプトの決定や食材供給業者の選定、料理メニューの考案など、居酒屋を開業する際はやることが山のようにあります。
自身の力だけで居酒屋を始める場合、これらをすべて自分で行なわなければならず、実際に開業するまでに多大な時間を要します。
その点フランチャイズの場合は、開業までの手順が確立されているため、店舗コンセプトやメニューを考案する必要もなく、効率的に準備を進められます。
独立開業と比べて数ヶ月ほどの時間短縮が可能となり、より早いタイミングで収益を得られるため、ローリスクに居酒屋を始められます。
開店初日から一定の集客が見込める
新しいお店を軌道に乗せるまでには、多くの時間と労力が必要となります。
特に、知名度がない状態からスタートすると、集客に苦戦するケースが多いのが現実です。
フランチャイズの場合は、既に確立されたブランド名と評判を活用できるため、開店初日から一定の集客が見込めます。
お客さんが集まれば口コミもすぐ広がり、経営が軌道に乗るまでの時間も短縮されるでしょう。
早期の経営安定化に繋げられるため、ネームバリューを活用できるのは、フランチャイズの大きな魅力といえるポイントです。
信頼できる仕入れ先を確保できる
信頼できる仕入れ先の確保は、居酒屋を安定的に続けるうえで特に重要な要素となります。
万が一、納期遅延や品質不良などのトラブルを頻繁に起こすような仕入れ先と提携してしまったら、普段の営業にも大きな支障をきたします。
しかし、これまでに飲食店の経営経験が無い方にとっては、信頼できる仕入れ先を見つけるというのはなかなか難しいものです。
その点フランチャイズなら、本部が仕入れルートを確保しているケースが大半のため、自力で仕入れ先を探す必要がありません。
本部の厳しい審査によって選定された仕入れ先のため、食材・商品の品質も一定レベル以上が確保されています。トラブルが起きるリスクも少なく、安心して運営に集中できるでしょう。
好立地の物件を見つけやすい
居酒屋を含む飲食業において、立地は成功を左右する重要な要素の一つです。
しかし、今までに出店経験が無い方からすると、どの物件が優良なのかを判断するのはなかなか難しいものです。
そもそも優良な物件はすぐに埋まってしまうため、個人で良い立地を確保するのは容易ではありません。
フランチャイズなら、本部が持つ過去の出店データや市場分析力を活用できるため、好条件の物件を効率よく見つけられます。
また、フランチャイズによっては、立地調査から物件交渉まで一貫して代行してくれるところもあります。
立地選びのリスクを大幅に軽減でき、初めての出店でも安心して進められるのです。
フランチャイズで居酒屋を経営する際の懸念点
フランチャイズで居酒屋を出店する場合、以下のように懸念すべき点もあります。
- 本部のトラブルは加盟店にも影響する
- 独自のアイデアを導入できない
- 競合が多い
本部のトラブルは加盟店にも影響する
フランチャイズは、ブランドの知名度を借りられるというメリットがある一方で、本部にトラブルが発生した際の影響も受けるという難点があります。
たとえば、本部が提供する商品や原材料に品質問題が発生した際、それが全加盟店に波及し、客離れを引き起こす恐れがあります。
そのうえ、本部で生じたトラブルは、個店の努力だけでは解決が難しい場合がほとんどです。
万が一に備え、本部はトラブル時にどのような対応をする姿勢があるのか、説明会などで入念に確認しておくようにしましょう。
独自のアイデアを導入できない
フランチャイズ店は、全店舗で同じ味や高品質なサービスを提供するために、使用する食材や原材料、内装や外装にいたるまで細かく規定されているケースが多いです。
オーナー独自のアイデアは取り入れてもらえない場合がほとんどで、オリジナルメニューを作成したり、店内のレイアウトを変えたりなどは基本的にできません。
「創意工夫をして理想的なお店を作りたい！」と考えている方にとっては、経営意欲が大きく削がれるポイントといえるでしょう。
なお、既定の基準は本部によって異なり、オーナーの方針をなるべく取り入れようと配慮するところもあります。
独自性もできる限り出していきたいと考えているのであれば、面談・説明会に参加した際に、オーナーの意見をどの程度柔軟に受け入れる姿勢があるのか確認しておきましょう。
競合が多い
居酒屋は、新規参入がしやすく需要も高いため、競合の多い業界です。
競合が多い中で顧客を効率よく獲得するためには、他の居酒屋との差別化を図るのが、基本的な経営戦略となります。
しかし、フランチャイズ加盟店だと、独自のサービスや特別なメニューの提供はできないため、他の居酒屋との差別化を図りにくくなっています。
競合が多く差別化も難しいため、ほかの業種よりも一層、出店場所の入念な選定や、本部の提供するマーケティング支援を最大限に活用することが重要となります。
居酒屋フランチャイズを始める際の費用相場
フランチャイズ加盟店として居酒屋を開業する際に必要な資金は、おおむね1,000万円が目安となります。
なお、これはあくまで目安であり、数百万円で開業できる場合もある一方、規模が大きめだと2,000万円以上の費用が必要となるケースもあります。
居酒屋フランチャイズに加盟する際の必要資金は、加盟金や保証金といった「初期費用」と、フランチャイズ本部に支払う「ロイヤリティ」の2つで構成されているのが基本です。
以下にて居酒屋を開業する場合の「初期費用」と「ロイヤリティ」の概要を詳しく解説します。
初期費用
フランチャイズ居酒屋を開業する際に必要となる初期費用は、主に以下がかかります。
- 加盟金…200万～300万円ほど
- 保証金…50万～200万円ほど
- 開業ノウハウ費…30万～50万円ほど
- 物件契約費…200万～300万円ほど
- 物件工事費…400万～1,000万円ほど
さらに細かく規定されているケースもありますが、基本的にどの店舗も、上記で紹介した費用は最低限かかると考えてよいでしょう。
特に物件工事費は、開業資金の中でも大きなウェイトとなるポイントです。物件をイチから改装するか否かによって数百万円以上もの差が生じるケースもあります。
コストをできる限り抑えたいのであれば、既存の居酒屋物件を引き継ぐ形での出店を検討するのが賢明でしょう。
補助金で費用が抑えられるケースも
初期費用を抑える手段として、補助金を活用するのも有効です。
フランチャイズで居酒屋を開業する場合、「事業再構築補助金」や「小規模事業者持続化補助金」といった補助金を受けられます。
補助金が支給されるのは開業後となるため、資金の事前準備は必要となりますが、高額な工事費の数十％以上が帰ってくる可能性があるため、活用しないのは損です。
ロイヤリティ
ロイヤリティとは、フランチャイズ本部のブランド利用権やサポートなどを提供してもらう対価として、毎月払う料金のことです。
ロイヤリティの金額規定は本部によって異なり、定額になっているところもあれば、売り上げの数％を徴収する変動制システムを採用している本部もあります。
また、ロイヤリティの相場額は業種によって開きがあり、居酒屋は人件費や設備費が大きくなりやすい分、他業種よりも相場が低めの傾向にあります。
居酒屋フランチャイズにおけるロイヤリティの大まかな相場は、以下のとおりです。
- 定額制の場合…8万～20万円
- 変動制の場合…売上の3～5%
なお、基本的に知名度が高い居酒屋フランチャイズほど、ロイヤリティも高くなる傾向です。
【費用比較】独立開業と差はほとんど無い
フランチャイズで開業する場合と、個人で独立開業する場合の費用額は、基本的に大きな差はありません。
開業にかかる費用は、物件の立地や広さ、工事の規模、設置する設備などによって大きく左右されるものであり、「独立開業なら安く済む」といったことはありません。
フランチャイズはロイヤリティが必要となるため、負担が大きいように感じられますが、集客力の向上を見込める点を考慮すると、決して高すぎるコストでもないでしょう。
かかる費用に差はほとんどないため、フランチャイズと独立開業どちらにすべきか迷った際は、「開業のしやすさ」や「自由度の高さ」といった点で比較しましょう。
フランチャイズで居酒屋を開業するために必要な資格
フランチャイズで居酒屋を開業する際は、主に「食品衛生責任者」「防火管理者」2つの資格が必要になります。
| 資格の名称 | 必要性 |
|---|---|
| 食品衛生責任者 | 飲食店を運営する際は必須 |
| 防火管理者 | 店舗の収容人数が30人以上となる場合に必要 |
| 資格の名称 | 取得にかかる費用 |
|---|---|
| 食品衛生責任者 | 10,000～20,000円ほど |
| 防火管理者 | 5,000～7,000円ほど |
いずれの資格も取得難易度は低めで、1～2日間の講習を受けるだけで獲得できます。
なお、調理師免許がなくても居酒屋は開業できます。
本部が提供するノウハウを学べば、調理経験が浅い方でも出店可能です。
居酒屋フランチャイズ本部を選ぶ際の3つのポイント
ここからは、自分に最適な居酒屋フランチャイズ本部を選ぶために知っておきたい、3つのチェックポイントを紹介します。
- 実績のあるフランチャイズ本部を選ぶ
- 独自の強みがある本部を選ぶ
- これまでの経験に応じて本部を選ぶ
開業後に後悔するリスクを減らす重要ポイントなので、ぜひ目を通してみてください。
実績豊富で集客力に期待できる本部を選ぶ
フランチャイズに加盟する大きなメリットは、ブランドの力を借りられるという点にあります。
実績がほとんどない本部だと、集客力も期待できず、安定的な経営が難しくなる恐れがあり、加盟するメリットも見出せません。
月間の営業利益はどれくらいなのか、店舗数は多いのかなど、実績を入念に確認したうえで加盟を検討しましょう。
独自の強みがあるかチェックする
居酒屋業界は競合が多いため、他店との差別化が重要な要素となります。
たとえば、特定の料理ジャンルに特化している、低カロリーメニューで若年層や女性客の集客に特化している、などの差別化戦略です。
差別化戦略を積極的に行なっている本部であれば、リピーターの獲得もしやすく、安定的な集客が期待できます。
独自の強みがある本部を選択し、その強みを最大限に活かして効率よく顧客獲得をしましょう。
これまでの経験に応じて本部を選ぶ
これまで働いてきた経験も、本部選びにおいては重要な判断要素となります。
たとえば、居酒屋で働いた経験が浅いようであれば、研修制度が充実している本部を選んだ方が賢明です。
調理技術や接客スキルなどを体系的に学べるプログラムがある本部であれば、経験不足を補いながら着実にスキルアップできます。
居酒屋で長年の勤務経験がある場合は、規制が少なくて自由度の高い本部を選んだ方が、自身のノウハウを活かして店舗運営を行えるためやりがいがあるでしょう。
自身の経験を振り返り、より相性が良いと思える本部を選びましょう。
おすすめの居酒屋フランチャイズ3選！
ここからは、おすすめの居酒屋フランチャイズを3社ご紹介します。
高い利益率を実現しており、安心して始められる案件のみを厳選したため、本部選びに悩まれている方はぜひ参考にしてください。
酒場 伸輔 株式会社J-Connect
酒場伸輔は、「餃子」「ラーメン」「もつ煮込み」が3大名物の居酒屋ブランドです。運営会社のJ-Connectは、食を通じて人々に笑顔を・人々に喜びを与えることを目指しており、日本全国で居酒屋ブランドを展開しています。運営本部がこれまで培ってきたノウハウによって、小商圏経営でも実績や収益化が見込むことができ、広告など集客業務においても本部による支援があるので、加盟店は店舗運営に集中することができます。
お酒の美術館 株式会社NBG
世界中のお酒を取り扱い、気軽に寄れるBARとして運営をしてるいま話題の「お酒の美術館」がFC加盟店を募集開始！駅・空港・商業施設をはじめ、日本初のコンビニ内バーを出店するなど、人々の生活のすぐそばへの出店をしています。
じとっこ組合 株式会社エー・ピーカンパニー
宮崎の契約農家が、皆様に本当に美味しい地鶏を味わっていただきたいとの想いによって作られた地鶏取扱い店です。宮崎名物「じとっこ焼」を中心に、宮崎産の野菜・果実などをはじめ、多彩な地焼酎も取り揃え「宮崎郷土」をお楽しみ頂ける地鶏取扱い店です。
まとめ
居酒屋フランチャイズチェーンのオーナーは、年収1,000万円以上の収益確保を実現している方も多く、挑戦する価値は十分にある経営ジャンルといえます。
ほとんどのフランチャイズでは、充実した研修制度が用意されており、経営に関するさまざまなサポートも受けられるため、ハードルが高いと思われがちな居酒屋経営も安心して実践できます。
ロイヤリティの支払いが必要になるのが難点ではありますが、ブランド力や確立された運営システムを活用できるメリットを考慮すると、十分に採算が取れる事業モデルといえるでしょう。
ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、自身と相性の良いフランチャイズ本部を見つけ、居酒屋経営への第一歩を踏み出してみてください。
この記事をシェアする
