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キッチンカーの営業に資格や許可は必要?申請の流れや条件について解説

キッチンカーの営業に資格や許可は必要?申請の流れや条件について解説

キッチンカービジネスは、店舗を構えるわけではないため一般的な飲食店のような許可や面倒な手続きが必要ないと考えている方も多いでしょう。

しかし、キッチンカーとして営業するにしても取得するべき資格や許可がいくつかあり、キッチンカーとなる車両さえ用意すれば営業を始められるというものではありません。

この記事では、キッチンカーの営業に必要な資格や許可について紹介していきます。

許可申請の流れや許可を得る上で満たさなくてはならない条件などについてもあわせて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

キッチンカーでのビジネスに必要な許可や資格

チェックリスト

キッチンカーでビジネスを始める上でまず確認しておきたいのが、必要な許可や資格についてです。

キッチンカーでのビジネスに必要な許可や資格としては、

  • 運転免許証
  • 営業許可
  • 食品衛生責任者の選出

の、3点があげられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

運転免許証

キッチンカーを出店する場合、出店場所までキッチンカーを運転して向かうことになるため、運転免許証が必要です。

ほとんどのキッチンカーは普通自動車運転免許で運転可能ですが、キッチンカーのサイズによっては別の運転免許証が必要になります。

また、免許の取得日によって運転できる車両が異なるので、この点にも注意が必要です。

例えば、平成29年3月11日よりも前に取得した普通自動車運転免許であれば、「車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満」までの車両であれば運転できます。

一方、平成29年3月12日以降に免許を取得している場合は「車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満」と、運転できる車両の条件がより制限されてしまっています。

つまり、成29年3月12日以降に免許を取得した方の場合、2トントラックをキッチンカーとして用いるには準中型免許の取得が必要になるのです。

キッチンカーを開業する際は、用いる車両の種類に合わせて運転免許証を用意する必要があります。

営業許可

キッチンカーの出店には、保健所からの営業許可も必要になります。

営業許可とは、保健所が指定する条件を満たしたキッチンカーに対して発行される、指定の区域におけるキッチンカーの出店に対しての許可です。

この許可を得ずにキッチンカーを出店し、摘発されてしまった場合、禁固刑や罰金が課せられます。

また、営業許可には5年の有効期限があり、キッチンカーの営業を継続するにはその都度更新が必要になります。

食品衛生責任者の選出

キッチンカーとして営業するには、食品衛生責任者の選出も必要です。

食品衛生責任者とは、店舗における衛生管理の責任者です。

店舗の衛生面に問題がないかを管理し、不衛生だと思われる箇所がある場合は改善や改善のための指導をおこないます。

また、食材の保管方法など衛生管理や品質管理も食品衛生責任者の役割の一つです。

キッチンカーなどお客さんに料理を提供するビジネスを始める場合、一つの店舗に対し、食品衛生責任者を最低一人は選出するよう義務付けられています

食品衛生責任者の資格の取得は難しくありません。各自治体の講習を受け、保健所に申請するだけで取得できます。

資格の取得には一万円ほどかかりますが、すぐに取得できるので、なるべく早く取得しておくようにしましょう。

また、

  • 調理師
  • 栄養士
  • 製菓衛生師
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 船舶料理士
  • 医師
  • 歯科医師
  • 獣医師
  • 薬剤師

などの資格を所有している場合は、講習を受ける必要がなく、保健所の窓口に申請するだけで食品衛生責任者の資格を取得できるようになっています。

キッチンカーでのビジネスに調理師免許は必要?必要ない?

キッチンカーや飲食店などお客さんに料理を提供するビジネスを始める場合「調理師免許が必要になる」と考えている方は少なくありません。

しかし、調理師免許を所有していなくてもお客さんに料理を提供することはできます

調理師免許はあくまで調理師を名乗れるという類の資格であって、料理を提供するのに必要な資格というわけではありません。

調理師免許を持っている方がお客さんに信頼してもらいやすいという強みはありますが、キッチンカーのビジネスにおいて絶対に必要というものではありません。

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キッチンカーでの営業には各自治体での許可の取得が必要

スーツ女性のOKサイン

キッチンカーでビジネスを始める場合は営業許可を取得する必要があると紹介してきましたが、一つの自治体で許可を取得すればどこでも営業できるようになるというわけではありません

キッチンカーでの営業には、各自治体にある保健所での許可の取得が必要になります。

例えば、埼玉県にはかなりの数の市がありますが、埼玉県全域でキッチンカーを営業したいとなった場合、

  • さいたま市
  • 川越市
  • 越谷市
  • 川口市

などにある保健所に出向いて申請をおこない、それぞれ営業許可を取得しなければいけません。

「さいたま市で営業許可を取得したから、埼玉県内であればどこでも営業していい」とはならないのです。

県内すべての自治体に対して申請が必要というわけではありませんが、自治体によっては営業許可の取得がかなり細かく分けられているケースもあります。

キッチンカーでビジネスを検討している方の中にはキッチンカーで全国各地をまわりながら営業したいと考えている方もいますが、その営業方法は現実的ではありません。

キッチンカーを始める際は、あらかじめ営業する区域をある程度決めておく必要があると考えられます。

営業許可を取得する際にクリアしなくてはならない条件

飲食店で働く女性

キッチンカーでの営業を許可してもらうためには、保健所が定めた条件をクリアしなくてはいけません。

細かな条件は保健所によって異なるため、保健所に確認する必要がありますが、主な条件としては以下のようなものがあげられます。

  • 運転席と調理場との仕切り
  • 給排水タンクの設置
  • 非接触水道の有無
  • シンクの数と大きさ
  • 収納ケースや棚の数や大きさ
  • 手洗い石鹸と消毒液の有無
  • 換気扇の有無
  • 冷蔵庫と冷凍庫の有無
  • ゴミ箱の有無

それぞれ詳しく解説していきます。

1. 運転席と調理場との仕切り

トラックタイプの車両にキッチンのベースを設けるキッチンカーであれば気にする必要はありません。

ただ、大型のバンなどを改良してキッチンカーにする場合は、運転席と調理場を完全に分ける必要があります

これは、衛生的な観点から設けられている条件になります。

2. 給排水タンクの設置

調理には水が欠かせませんが、キッチンカーは水道に接続しているわけではないので自由に水を給水することができません。

そのため、40〜200リットル程度の給排水タンクを搭載している必要があります。

求められるタンクの容量は調理の仕方や使用する食器などによって異なります。

3. 非接触水道の有無

キッチンカーの水道設備は、蛇口に触れなくても水を止めることができる非接触水道でなくてはいけません。

センサーが搭載されている非接触の水道を搭載をするようにしましょう。

4. シンクの数と大きさ

キッチンカーにも調理するためのシンクが欠かせません。

シンクの数や大きさにもルールがあります。

ただ、シンクの数や大きさに関するルールは自治体によって異なるので、問い合わせるなどして確認してください。

5. 収納ケースや棚の数や大きさ

収納ケースや棚には、害虫や害獣の侵入を防ぐフタや扉が備わっている必要があります。

隙間の広さなど厳格にルールが決まっている場合もあるので、こちらも申請する予定の自治体に問い合わせて確認するようにしてください。

6. 手洗い石鹸と消毒液の有無

キッチンカーは食品を取り扱う場所なので、食中毒の発生を避けるために、手洗い石鹸や消毒用のアルコールなどを常備しておく必要があります。

7. 換気扇の有無

キッチンカーには換気扇も必要です。

「窓の開放によって喚起できる」と考えている方も多いかと思いますが、換気扇がないと保健所からの許可がおりませんので注意してください。

8. 冷蔵庫と冷凍庫の有無

冷蔵・冷凍の必要がある食品を取り扱う場合は、冷蔵庫や冷凍庫の設置も必要になります。

また、冷蔵庫や冷凍庫を稼働させるには電気も必要になるため、電気を供給できる設備も搭載しておかなくてはいけません。

9. ゴミ箱の有無

キッチンカーでは生ゴミなどさまざまなゴミが発生するため、ゴミ箱も必要です。

フタ付きのものでないと害虫や害獣が発生する可能性があるため、こちらもフタ付きのものが必要になります。

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キッチンカーの営業許可を取得する際の流れ

焼きそばのキッチンカー

保健所でキッチンカーの営業許可を取得する際の主な流れは以下のとおりです。

  • 営業したい地域の保健所に相談する
  • 申請書類を準備する
  • 保健所に書類を提出し、申請する
  • 保健所のチェックを受ける

それぞれの工程について詳しく解説していきます。

1. 営業したい地域の保健所に相談する

キッチンカーで営業許可を得たいのであれば、まずは出店したいと考えている地域の保健所に足を運び、キッチンカーで営業を始めたい旨を伝え、相談してみましょう。

営業許可を取得する上で満たさなくてはならない条件については先ほど紹介したとおりですが、自治体によって条件や求められる設備が異なる場合があります。

何度も申請をやり直したくないのであれば、まずは保健所に相談し、条件について確認しておくことをおすすめします。

ただ、保健所はビジネスの相談に乗ってくれるわけではないので、ビジネスの大枠をある程度決めた上で相談しにいくようにしてください。

2. 申請書類を準備する

保健所に相談して申請できる段階になったら、申請書類を用意し、必要な情報を記入していきます。

申請書類は保健所で受け取れます。

また、保健所によっては書類をWEBサイトからダウンロードすることも可能です。

必要な書類についてもそれぞれの保健所によって異なることがありますが、代表的な書類としては、

  • 営業許可申請書
  • 食品衛生責任者の資格を所有していることを確認できるもの
  • 車検証のコピー

などがあげられます。

3. 保健所に書類を提出し、申請する

書類に必要情報を記入し、すべての申請書類が揃ったら、保健所に提出して営業許可の申請をしましょう。

4. 保健所のチェックを受ける

営業許可のための申請が完了したら全て終わりというわけではありません。

保健所に車両を持ち込み、きちんと条件を満たしているか保健所の担当者にチェックしてもらう必要があります。

チェックの結果、問題ないと判断されれば2週間ほどで営業許可がおりますが、不備が確認された場合は改めてチェックを受けなくてはいけませんので注意してください。

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まとめ

まとめ

キッチンカーでの営業に必要な資格や許可について紹介してきました。

キッチンカーは気軽に始められるイメージがあるかもしれませんが、食品を提供するという性質上、最低限取得しなければいけない資格や許可もあります。

特に営業許可については注意が必要で、営業する地域の保健所で許可を取得することが重要です。

また、営業許可を取得する際の条件もかなり細かく定められているので、今回紹介した内容を参考にしながら準備を進めてください。

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