居酒屋の開業を考えている方にとって、実際に居酒屋でどのくらい儲かるのか気になる人も多いでしょう。
日本政策金融公庫の「小企業の経営指標調査」によると、黒字で自己資本がプラスになっている居酒屋は435社中54社のみとなっています。
居酒屋で儲かるのは決して簡単ではありませんが、多くの方が失敗するポイントを把握することで、事前にリスクを大きく軽減できます。
当記事では、居酒屋で儲かる方法について解説します。
居酒屋を運営する際に押さえておきたい利益率や年収についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
居酒屋は儲かる?利益率は?
居酒屋は、他の飲食店よりも客単価が高く、原価率が低いメニューを多く出せるため、利益を出しやすく儲かる業態と言えます。
具体的には、居酒屋には以下のような特徴があります。
- コース料理や飲み放題の設定により客単価を一定以上に上げられる
- 客単価が高い団体客が多く来店する傾向にある
- 原価率が低いドリンク類の注文が中心となる
- 原価率が低い枝豆や豆腐などの材料をメニューに組み込みやすい
なお、経済産業省のデータによれば、飲食店全体の平均は8%程度のところ、居酒屋の営業利益率は5%程度です。
「営業利益率」とは、「売上から経費を差し引くと利益が何%残っているか」を示した割合のことで、営業利益ベースだと居酒屋は利益率が高くないと思われがちです。
しかしながら、経費(コスト)を削減する、原価率が低いメニューを多く組み込むなどの工夫により、居酒屋の利益率を高めることは十分に可能です。
居酒屋オーナーの年収は?
日経BP社が発行する「日経レストラン」によれば、居酒屋オーナーの平均年収は627万円です。
国税庁が毎年行っている「民間給与実態統計調査」によると、令和3年度の全給与所得者の平均年収は443万円なので、居酒屋オーナーは平均184万円も年収が高くなっています。
なお、儲かっている店舗であればオーナーの年収は1,000万円を超えることもあり、居酒屋は飲食店の中でも儲かる業態であると言えるでしょう。
居酒屋で儲かる方法とは
居酒屋で実際に儲かるためにはどういった工夫が必要なのでしょうか。
ここからは居酒屋で儲かるための方法について解説していきます。
居酒屋の経営が初めての人や、自分の店舗の利益率・収益性を高めたい人は、ぜひ以下の内容を参考にしてください。
メニューの原価率にメリハリをつける
居酒屋のメニューの原価率は平均30%程度ですが、全てのメニューの原価率が一律で30%というわけではありません。
原価率の高いメニューと低いメニューをうまく組み合わせて、最終的に店舗全体の原価率が30%になるように調整します。
原価率を一律で設定すると、顧客から「割高な店」という印象を抱かれ、集客できなくなる恐れがあります。
競合店の看板メニューや人気メニューの中には原価率が50%を超えているものも少なくありません。
原価率が高いメニューは、お得感があるため顧客の印象にも残りやすく、新規集客やリピート獲得のためにも役立ちます。
SNSでキャンペーンや看板メニューを宣伝する
SNSを使って独自のキャンペーンや看板メニューを宣伝すると集客につながりやすいです。
具体例をいくつかご紹介します。
- 「ハッピーアワー:ビール1杯100円」といったキャンペーンを実施する
- 原価率の高い看板メニューでお得感をアピールする
- 「お好み焼き専門居酒屋」「北海道居酒屋」などの専門性やコンセプトを打ち出す
SNSでは、自店舗のウリをアピールしたり、魅力的なコンセプトを掲げることで、一次的な集客だけでなく、固定客の獲得にもつながるでしょう。
居酒屋経営者の体験談・経験談を参考にする
居酒屋で儲かるためには、すでに成功している居酒屋オーナー・経営者の体験談や経験談を参考にしましょう。
体験談を参考にする際は、できるだけ以下のような条件が似ているお店の体験談を参考にすると良いでしょう。
- 業態
- 価格帯
- 商圏規模
- 店舗の大きさ
フランチャイズに加盟する場合は、業態やメニューが統一されていることに加えて、商圏や売上などのデータが本部に蓄積されているため、体験談を参考にしやすいです。
店舗数の多いブランドであれば、ご自身の商圏に近い店舗の事例を本部に確認することもできます。
居酒屋を成功させるためのポイントは、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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居酒屋・バーで独立開業を目指す方へ
居酒屋の経費削減方法!利益率UPでさらに儲かる
居酒屋で儲かるためには、経費を削減して収益率を上げなければいけません。
なお、居酒屋の経費の内訳は以下の通りです。
項目 | 割合 |
---|---|
食材・仕入れ費用 | 30% |
人件費 | 30% |
家賃 | 10% |
光熱費 | 10% |
広告費・雑費 | 10% |
純利益 | 10% |
ここからは、居酒屋におけるそれぞれの経費削減方法を解説していきます。
仕入れ費用(約30%)
食材の仕入れ費用は、人件費と合わせてFL(Food・Labor)と呼ばれており、経費を抑えるためには緻密な管理が必要です。
家賃などの固定費とは異なり、食材の仕入れ費用はさまざまな方法で調整しやすい経費です。
食材の仕入れ費用の目安は売上見込みの30%ですが、以下の方法でコストカットが可能です。
- 主力メニューのレシピを見直して原価率を下げる
- 食材の流用を徹底してロスを減らす
- コース料理のメニュー構成を工夫する
- 原価率の低いオリジナルメニューやオリジナルカクテルを開発する
- まとめて仕入れをおこない単価を下げる
仕入れ費用を抑えることはもちろん重要ですが、使うべき費用は使うようにして、全体のバランスをとりましょう。
個人店で大量に仕入れるには限界がありますが、フランチャイズであれば本部の仕入れ網を利用して安く食材を仕入れることが可能です。
人件費(約30%)
人件費の目安は、売上見込みの約30%です。
個人開業の居酒屋の人件費で、まず考えなくてはならないのはオーナー自身やオーナーの家族が店舗に入るか否かです。
特に小規模の店舗の場合は、オーナー自身が店舗に入って経営が安定してからアルバイトの雇用を考えるとよいでしょう。
また、居酒屋の人件費は高くなりやすい要因について把握しておく必要があります。
- バイト時給相場が比較的高い
- 22時以降は深夜の割増賃金となる
- スピーディーかつ正確なオペレーションが要求される
店舗の大きさや提供するメニューによっても必要な人員が変動するため、人件費を考えるときは食材の仕入れ費用と合わせて60%以下になるよう工夫しましょう。
家賃・光熱費(約20%)
居酒屋の家賃や光熱費を抑えるには、以下の点に着目してください。
- 見込み売上の20%以下に収まる物件を契約する
- 水を節約する
- 電気のつけっぱなしをなくす
居酒屋に限った話ではありませんが、飲食店を開業する際は、価格のみを重視すると立地条件が悪くなり、期待した売上が出せないこともあります。
そのため、物件選びに迷った時は専門家に相談するなど、慎重に判断することが重要です。
広告費用・雑費(約10%)
販促や広告にはさまざまな方法があるため、かかる費用や効果もそれぞれ大きく異なります。
全体的な利益率を改善するためには、費用をあまりかけずに集客する方法を習得することです。
具体的には以下の方法があります。
■SNS集客
Twitterやインスタグラムなどは無料で利用でき、リアルタイムな情報を拡散することができます。
特に30代以下のユーザーは、SNSを検索エンジンやポータルサイトの代わりに使用することもあり、タグをうまく活用することで集客に結びつけられます。
フォトジェニックなメニューがあれば、拡散されやすいため集客にも結びつきやすいです。
■チラシ
即効性が高く、地域の顧客に確実に情報を届けられるのがチラシのポスティングです。
創業時に費用を抑えたい場合は、チラシを自作することも可能です。
他店のチラシに埋もれないよう、カラーやデザインなどを目立たせるよう工夫しましょう。
■幟(のぼり)・看板
通行人に対して店舗をアピールするために効果的な手法が幟や看板です。
幟や看板を設置するときのポイントは、通行人の目にとまりやすいかを確認することです。
目につくような置き場所を探し、幟・看板の内容が見やすい角度で設置するとよいでしょう。
サイズや素材にもよりますが、特に幟は安く購入できるため、とても費用対効果の高い集客ツールになります。
■雑費
雑費に関しては、ムダが生じないように「何をどれだけ使用したのか」をきちんと記録するようにしましょう。
【注意】儲からない居酒屋がやりがちな失敗例
居酒屋で実際に儲かるためには、逆に儲かっていない居酒屋の失敗ケースを参考にすることで、失敗するリスクを削減できます。
ここでは、儲からない居酒屋の失敗事例を紹介していきます。
原価率をコントロールできていない
原価率は収益性に大きく影響するため、綿密な管理が重要です。
居酒屋の原価は30%前後に抑える必要がありますが、以下の要因で原価率が悪化することがあります。
- 売上の低下
- 原材料の上昇
- ロス率の上昇
また、外因がなくてもそもそも正確な計算ができていないケースもあります。
対策として最初に行うべきことは、まず管理を徹底することです。
そのうえで、どうしても原価率が高い場合は、次のような対策が有効です。
- 食材の仕入れ先の見直し
- メニューの変更
- 価格の改定
- ロス率の改善
店舗の状況にあった集客ができていない
地域や店の状況にあった集客施策が取れていないと、意図した集客ができません。
例えば、コロナ禍で営業が制限された状況下の居酒屋では、テイクアウトメニューやデリバリーメニューを展開することで、低下した集客をカバーすることができました。
また、ランチタイムに営業しないことが多い居酒屋は、ゴーストレストランなどのフランチャイズ契約をすることで既存店舗の売上をアップすることができます。
重要なことは、店舗の人材・立地・食材など様々な状況を考慮して、適切な集客施策を行うことです。
計画・管理が十分に行われていない
原価だけではなく、居酒屋のオーナーは次のような様々な点を管理する必要があります。
- サービスの質を維持するための人材管理・教育計画
- 収益や出費の管理
- 広告や販売促進の計画
こういった管理や計画が十分にできていない原因としては、オーナーの知識不足や学習不足であることが多いです。
オーナーが知識を得るには、信ぴょう性の高い情報を得る必要があります。
例えば、実績豊富なフランチャイズに加盟することで、様々な研修やサポートを受けることができ、居酒屋営業に必要な知識を学んで実際に活かすことができます。
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まとめ
統計では居酒屋のオーナーは社会全体の平均よりも多くの収入を得ています。
しかし、その中でも儲かる居酒屋とそうでない居酒屋が存在するのが現実です。
収益を上げるには、オーナーがノウハウや知識を理解したうえで、緻密に戦略を立てて日々の管理を徹底することが必要です。
知識不足や誤った情報を仕入れないようにするためには、実績があり信頼できるソースから学ぶことを意識しましょう。
一つの選択肢として、様々な地域で成功している居酒屋フランチャイズに加盟することで、ノウハウや情報を得ることができるのでおすすめです。
大半の居酒屋フランチャイズでは、説明会や研修制度が設けられているので、興味のある方はぜひチェックしてください。