からあげはメインのおかずとしても、軽食としても、お酒のおつまみとしても食べられるなど、幅広いニーズに対応している点が特徴です。
からあげ屋の開業方法にはさまざまなものがありますが、中でもおすすめなのがキッチンカーです。
キッチンカーは目的に応じて移動して販売できるほか、からあげはテイクアウトにも適しているため、屋外のイベント会場などでの販売にも向いています。
この記事ではからあげ屋をキッチンカーで開業する際のメリットや具体的な準備内容などを紹介しています。将来的に独立を検討している方はぜひ参考にしてください。
からあげをキッチンカーで販売するメリット
数ある料理の中でも、からあげをキッチンカーで販売する場合、さまざまなメリットがあります。
ここでは具体的にどういったメリットがあるのか解説します。キッチンカーの開業に興味があるものの、何を扱うべきか迷っている人は参考にしてください。
老若男女から好まれるメニュー
からあげは子どもから大人まで幅広い世代から好まれているメニューです。
そのため、ターゲットとなる客層が限定されず、幅広い集客につなげられるでしょう。特にイベント会場など、さまざまな人が集まる場所に移動できるキッチンカーとの相性はいいといえます。
移動できる
キッチンカー全般にいえることですが、時間帯やターゲットに応じて販売場所の変更が可能です。
例えば、昼間はビジネスマンをターゲットにしてオフィス街に、夕方は晩御飯のおかずを探している主婦をターゲットにしてスーパーの駐車場に出店するといった形もできます。
先述の通りからあげは幅広い世代から好まれるメニューであるため、出店エリアの選択肢も幅広くなります。
からあげはテイクアウトに適している
からあげはメインのおかずとして食べられるだけでなく、テイクアウトして軽食として食べることも可能です。
例えばカップに入れてからあげを単品で販売するといった形ができるでしょう。さまざまな場面を想定して販売できる点は、からあげをキッチンカーで販売するメリットだといえます。
回転率が高い
からあげは商品を提供するまでのスピードが比較的早く、回転率が高い点が特徴です。これは唐揚げを事前に大量に揚げておき、保管することですぐに提供できるためです。
そのため、短い時間で比較的多くの売り上げを見込むことができるでしょう。
特にランチタイムなどは顧客が集中すると考えられ、いかに回転率を上げるかがポイントとなるため、からあげは大きなメリットとなります。
からあげはバリエーションも豊富
からあげは醤油や塩など定番の味付けのものだけでなく、ザンギやヤンニョムチキン、南蛮風などさまざまなバリエーションがあります。
またトッピングやソースを加えることで味に変化を持たせることも可能です。バリエーションが多いとターゲットも広がるため売上アップにつながりやすいでしょう。
原価を抑えられる
からあげで使用する鶏肉は原価が安いため、利益を出しやすい点が特徴です。
また、調理工程もシンプルでありながら、商品価格は500円やそれ以上に設定したとしても売上が見込めるため、利益率も高くなるでしょう。トッピングやドリンクなどのサイドメニューを充実させることでさらに利益をあげることも期待できます。
からあげ屋をキッチンカーで始める際の資金
からあげ屋をキッチンカーで始める場合、開業資金は300万〜500万円が相場とされています。
費用の内訳としては、車両の購入費や車の内装工事費、設備費、各種資格の取得費などが含まれます。このうちもっとも費用がかかるのは車両の購入費用です。新車を手配するとなると大きさにもよりますが350〜400万円程度はかかります。
開業費用を抑えたい場合は中古車の利用も検討してみてください。
そのほかにも、開業直後のランニングコストとしてガソリン代や駐車場代、材料費なども合わせて用意しておくと余裕を持ってキッチンカーの営業ができます。
からあげ屋をキッチンカーで始めるまでのステップ
ここではからあげ屋をキッチンカーで始めるにあたって具体的にどのような準備をすればいいのか解説します。
開業に興味があるものの具体的なステップがわからないといった人は参考にしてください。
コンセプトの検討
からあげ屋のような飲食店を開業する場合、まずはどのようなお店にするのかコンセプトを検討する必要があります。
例えば、ターゲットは誰なのか、どういったメニューを提供するのかといった点です。
多くの人をターゲットにしたいと考えるかもしれませんが、ターゲットが絞れないと、誰にも響かない恐れがあるため、まずは明確にターゲットを絞り、ターゲットに沿ったメニューを考えることが大切です。
必要な資格・許可の取得
キッチンカーの開業にあたっては、食品衛生責任者や飲食店営業許可などの資格・許可の取得が必要です。これらの資格・許可は比較的簡単に取得できるため、早めに取得するようにしましょう。
なお、飲食店営業許可を得るには食品衛生責任者が必要となるため申請する順番に注意してください。
キッチンカーの手配
キッチンカーの場合、車両の手配が必要となります。
からあげを販売する場合、フライヤーやホットショートケース、冷蔵庫といった各種機材が必要であるため、軽トラックよりも1tの普通車トラック以上のサイズがおすすめです。
軽トラックサイズでも開業できないわけではありませんが、からあげの販売にはさまざまな機材が必要となるため、スペースが足りなくなる恐れがあります。
機材のサイズを確認したうえで、適切なサイズの車両を手配してください。
仕込み場所の確保
地域によってはキッチンカーでの調理ができず、別途仕込み場所を用意しなければならないケースもあります。
仕込み場所を別途用意するのであれば、キッチンカーは軽トラックサイズでも十分でしょう。
仕込み場所の基準は自治体によって異なるため、自分が活動しようとしているエリアを管轄する自治体に確認しておくことが大切です。
設備の調達
キッチンカーでからあげ屋を始めるにあたっては、各種調理設備を用意しなければなりません。具体的には、フライヤーや保温庫、冷蔵庫、シンクなどです。
フライヤーには電気式とガス式のものがありますが、電気式は火力が弱いため、からあげのような揚げものを作るのにはあまり適していません。
また、保温庫があれば、調理済みの唐揚げを温かい状態で保管できるため、顧客からも喜んでもらえるでしょう。
冷蔵庫は事前に仕込んでおいた鶏肉を保管するために必要です。そしてシンクは調理に使用した器具を洗うために使用します。これらの設備の調達も合わせて行っておきましょう。
からあげ屋をキッチンカーでする際のポイント
ここではキッチンカーでからあげを販売する際のポイントを紹介します。基本的なポイントですが、売上アップを図るためには欠かせない部分であるため参考にしてください。
差別化を図る
からあげ屋は近年増加しているため、売上を伸ばすためには他店との差別化を図る必要があります。
例えば、高級な鶏肉を使用して高級志向のからあげを提供する、トッピングや味付けのバリエーションを増やすといったことができるでしょう。
名古屋コーチンや比内地鶏、薩摩地鶏といった有名ブランド地鶏を使用することで訴求点にもなります。
ご当地唐揚げを作る
からあげは醤油、ニンニクなどで下味をつけ、小麦粉をつけた上で揚げるというのが一般的な調理方法ですが、それ以外にもご当地ならではの味付けや調理方法のからあげもあります。
例えば、有名なものとしては北海道のザンギが挙げられます。ザンギは下味をつけたうえで小麦粉と片栗粉を混ぜた衣をまぶしている点が特徴です。
また、長野県松本市が発祥地となっている山賊焼というからあげもあります。こちらは簡単にいうとサイズの大きいからあげです。
そのため、ボリュームを求める人をターゲットにしたい場合などに適しているでしょう。
そのほかにも、コチュジャンやニンニクを使った甘辛いたれが特徴の韓国のヤンニョムチキンなどもあります。
このようにご当地唐揚げを扱うことで他店にはないオリジナリティを出すことができるでしょう。
営業場所に応じてメニューを分ける
キッチンカーの特徴は、移動することで営業場所を変更できる点です。
営業場所を変える際は、場所に応じて販売メニューを使い分けることもポイントとなります。
例えば、ランチタイムのオフィス街で販売する場合弁当として販売し、夕方のスーパーで販売する場合は単品として販売するといったイメージです。
また、イベント会場で販売するときは、5個入り、7個入りなど量を選べるようにすることもポイントとなります。
SNSを活用して集客する
移動しながら販売するキッチンカーの場合、何時にどこで販売するのかといった情報を顧客に伝えておかなければ集客につながりません。
そのため、SNSを活用してリアルタイムな情報を発信できるようにしましょう。
例えば、Twitterでお店のアカウントを作って「今日は12時から●●で販売します」といった情報をツイートするといったイメージです。
また、車の写真を投稿しておけば、顧客は見つけやすいでしょう。
からあげをキッチンカーで販売する際の注意点
からあげをキッチンカーで販売するにあたっては、いくつかの注意点があります。ここでは具体的にどういった点に注意しなければならないのか解説します。
競合が多い
近年では専門店が増えるなど、からあげ屋は競合が多くなっています。
また、専門店だけでなくスーパーのお惣菜やコンビの唐揚げなども競合となります。
そのため、自店の独自性を打ち出し、他店にはないポイントを訴求することが大切です。
調理に必要な機材が多い
からあげは仕込んで揚げるというシンプルな工程ですが、使用する機材は多いため、キッチンカーの大きさに注意しなければなりません。
先ほども触れていますが、使用する機材にはフライヤーや保温庫、冷蔵庫などが必要です。
一度に大量のからあげを作るとなると、2層式タイプのフライヤーが必要になり、さらにスペースを確保しなければなりません。このような点も踏まえたうえで車両を選ぶことが大切です。
まとめ
今回は、からあげをキッチンカーで販売するメリットやからあげ屋を始めるまでの具体的な準備内容などについて解説しました。
からあげは幅広い年代から好まれている食べ物であり、おかずにもおつまみにも、軽食にもなる点が特徴です。
キッチンカーで販売する場合、お弁当にしてランチタイムに販売する、カップに入れて軽食として販売するなど、ターゲットに応じてさまざまな販売形態ができます。
からあげ屋は競合が多いため、他店との差別化を図ることが大切です。