ビジネスの契約形態にはさまざまな種類がありますが、その中でフランチャイズとライセンス契約は混同されてしまっている傾向があります。
実際にフランチャイズとライセンス契約の具体的な違いがわからないという方も多いのではないでしょうか?
この記事ではフランチャイズとライセンス契約の違いについて紹介していきます。
フランチャイズとライセンス契約のどちらを選ぶべきかをケース別に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フランチャイズとライセンス契約は何が違うの?
フランチャイズとライセンス契約はまったく異なるビジネス関連の契約形態ですが、具体的にはどういった違いがあるのでしょうか?
それぞれの概要を解説しつつ、具体的な3つの違いについて解説していきます。
フランチャイズとは
本部企業のフランチャイズに加盟して店舗や事業所を展開するのが、フランチャイズというビジネスのスタイルです。
フランチャイズ店を展開していく上でのルールや規約に基づいた契約をし、加盟金や保証金を支払った上で店舗や事業所を経営していきます。
フランチャイズに加盟すると毎月ロイヤリティの支払いが発生しますが、その対価としてビジネスに関するノウハウの提供やサポートを受けられるようになっています。
ライセンス契約とは
ライセンス契約は、企業が保有している商標や商号、ブランド名、ノウハウなどの使用許可を取得してビジネスを展開する方法です。
ライセンスの取得許可を得る際に取得費用が発生しますが、フランチャイズのように毎月ロイヤリティの支払いが発生するわけではありません。
ライセンス契約は「パッケージライセンス契約」として飲食業界でも多くなっています。
フランチャイズとライセンス契約の違い
フランチャイズとライセンス契約は一見するとよく似ているように感じられますが、以下の3つの大きな違いがあります。
- 発生する費用
- 受けられるサポート
- 経営における自由度
それぞれの違いについて詳しく解説していきます。
発生する費用
フランチャイズとライセンス契約でまず異なるのが、発生する費用です。
フランチャイズは、本部の商標使用や、ノウハウ提供の対価として毎月ロイヤリティを支払う必要があります。
一方、ライセンス契約の場合、商標やブランドを使用するためのライセンス料の支払いは発生するものの、毎月の支払いは発生しません。
ライセンス契約の方が毎月のコストを抑制できる契約方法となっています。
受けられるサポート
フランチャイズはロイヤリティの支払いが発生しますが、その見返りとして本部からのサポートを受けながらビジネスに取り組めるようになっています。
一方、ライセンス契約の場合、契約の内容によってはノウハウを提供してもらえることはあるものの、基本的には経営のサポートは受けられません。
経営やビジネスにおける判断など、すべてビジネスオーナーが責任を持っておこなう必要があります。
経営における自由度
本部からのサポートを受けることができないライセンス契約ですが、その分、オーナーが自由にビジネスを展開できるという強みがあります。
契約内容にもよりますが、ライセンス契約の場合、厳しいルールによる制限はありません。
一方、フランチャイズの場合、ルールや規約が細かく設定されており、それらに違反すると契約を解除されてしまうこともあります。
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ライセンス契約のメリット・デメリット
ライセンス契約の主なメリットとしては自由度が高い点があげられます。
ライセンス契約もその企業の商標やブランドを使用する権利を取得するものです。
そのためブランドを毀損されることを防ぐタメにある程度の制約はありますが、フランチャイズほど制約が厳しいわけではなく、比較的自由に経営できます。
一方、成功するかどうかがオーナーの手腕にかかっている点はデメリットになりえます。
ライセンス契約だと基本的にビジネスを展開していく上でのサポートは受けられません。
そのため、経営判断やそれらの判断に伴う責任はすべてオーナー次第ということになります。
毎月のロイヤリティの支払いが発生しない点もメリットかもしれませんが、ライセンス料が非常に高額になってしまうケースも少なくないため、費用面がメリット・デメリットになるかはケース・バイ・ケースです。
実際にライセンス契約を行なっている事例
国内におけるライセンス契約の代表的な事例が、人気コーヒーチェーンのスターバックスです。
スターバックスは、駅や空港、サービスエリアなど特定の商圏に店舗を出店するために、それらの施設を運営する企業とライセンス契約を結び、店舗を出店しています。
フランチャイズだとこれらの特別な商圏に出店する際のハードルが高く、なかなか出店することができません。
そこでライセンスというスタイルを採用し、それらの商圏での出店を判断する権利を有している企業と契約を交わして店舗数の拡大を計ったのです。
この戦略が功を奏し、今では各地域の空港や駅構内、サービスエリアにも続々とスターバックスの店舗が出店されています。
フランチャイズとライセンス契約どちらがいい?
フランチャイズを選んだ方がいいケース
ビジネスに挑戦するのが初めてなのであれば、ライセンス契約よりもフランチャイズを選ぶのがおすすめです。
解説してきたようにライセンス契約には本部によるサポートがありません。
一方、フランチャイズに加盟すれば、本部による研修など手厚いサポートを受けながらビジネスに取り組むことができます。
ビジネスに挑戦するのが初めてという方の場合、確実にサポートを必要とする場面が出てくるので、ライセンス契約よりもフランチャイズを選ぶことでリスクを抑えられます。
ライセンス契約を選んだ方がいいケース
ビジネス経験が豊富な方は、フランチャイズよりもライセンス契約を選ぶべきです。
ライセンス契約は制限が厳しくなく思い通りに経営できるので、ビジネスオーナーの手腕を思う存分に発揮することができます。
また、加盟金やロイヤリティ、ライセンス料を比較した結果ライセンス料の方が安くなる場合もライセンス契約を検討するべきでしょう。
初期費用や月々のコストはできるだけ抑えたいので、より少ない費用で始められるかどうかも判断基準の一つになります。
まとめ
フランチャイズとライセンス契約の違いについて紹介してきました。
フランチャイズとライセンス契約にはいくつか違いがあり、期待できるメリットやデメリットも異なります。
ただ、どちらが優れていると一概に言い切ることはできないので、「どっちのスタイルが自分の理想に近いか」で選ぶべきでしょう。
スターバックスの事例やフランチャイズ・ライセンス契約それぞれのケースを参考にしてみてください。