飲食店でも導入されるケースが急増しているタブレット端末。
客席にタブレット端末を設置してお客さんが直接注文できるようにしている店舗や、一般的なPOSレジの代わりにタブレット端末をPOSレジとして導入している店舗もあります。
この記事では、飲食店がタブレット端末を導入するメリット・デメリットについて紹介していきます。
実際にタブレット端末を導入する際の注意点についても解説していくので、これから飲食店を始めたい方やお店にタブレット導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
飲食店がタブレット端末を導入するメリット
飲食店が注文用のタブレット端末やタブレット端末のPOSレジを導入する主なメリットとしては、以下の6つがあげられます。
- オペレーションを簡素化できる
- 混雑時にも対応しやすい
- お客さんが注文しやすい
- 直感的に操作できる
- 設置するのに場所をとらない
- データを取得して分析できる
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
オペレーションを簡素化できる
客席に注文用のタブレットを設置すると、オペレーションを簡素化できるというメリットが生まれます。
タブレットを設置していない飲食店の場合、店員が客席まで行って注文を取らなくてはいけません。
この客席まで注文を取りに行くだけとはいえ、来店するお客さんの多い繁盛店であれば手間と時間がかかります。
また、呼ばれて客席に行ったものの注文が決まっておらず、注文してもらえるまでに時間がかかるケースも少なくありません。
注文用のタブレットを導入してお客さん自身で注文してもらえば、客席に行って注文を取るオペレーションを省けるようになります。
これにより、業務量が大幅に削減され、なおかつ注文を取るためのハンディーの使い方などスタッフ育成にかかる時間も省けるようになります。
注文用タブレットを導入していると、お昼時や週末などの混雑時の負担が軽減されます。
混雑時にも対応しやすい
注文用タブレットを導入していると、お昼時や週末などの混雑時の負担が軽減されます。
混雑時はお客さんが多いので注文のタイミングもかぶりやすく、注文対応に追われることも珍しくありません。
そうなると、来店したお客さんの案内から料理提供、会計など、その他のオペレーションが滞り、トラブルやクレームに発展してしまうこともあるでしょう。
注文用のタブレットを導入していれば、「客席に行って注文を取る」という時間と手間が省けるため、混雑時でもスタッフ間の混乱が生じることなく、スムーズに対応可能になります。
お客さんが注文しやすい
席までスタッフを呼んで注文する店舗では、スタッフが忙しそうにしているとお客さんが注文しづらくなることがあります。
また、スタッフを大声で呼ぶのに抵抗を感じる人も少なくなく、注文しづらい店舗はいくら料理がおいしくても印象が良くありません。
注文用タブレットを導入することで、お客さんがスタッフに気を使う必要がなくなり、大声で呼ぶ必要もなくなります。
いつでも自分の好きなタイミングで注文できるので、注文に対するお客さんの心理的なハードルを下げることができます。
直感的に操作できる
タブレット型のPOSレジはタッチパネル操作に対応しているため、スマートフォンのように直感的に操作できるという強みがあります。
一般的なPOSレジの場合、キー操作となるため、どのキーを押せばいいのかなど一連の操作を覚えなくてはいけません。
タブレット型のPOSレジも具体的な操作方法を覚える必要はありますが、画面に表示されている項目をタップして操作を進めていくだけなので、非常にわかりやすく覚えやすいという強みがあります。
設置するのに場所をとらない
一般的なPOSレジはサイズが大きく、どうしても設置するのに場所を必要とします。
大きな飲食店であれば設置場所に困ることはありませんが、カウンターだけの店舗や客席の少ない店舗だと、サイズのあるPOSレジが邪魔になるケースも少なくありません。
タブレット型POSレジの場合も、お金や釣り銭を保管するスペースこそ必要ですが、一般的なPOSレジのような大きな機械を設置する必要がありません。
そのため、場所を確保するのが難しい小さな店舗でも導入しやすいというメリットがあります。
データを取得して分析できる
タブレット型POSレジには、データを取得して分析できるというタブレット端末ならではの高機能が備わっています。
取得できるデータや分析機能は導入するサービスによって異なりますが、
- 客層
- 単価
- 人気のメニュー
- 不人気のメニュー
などに関するデータを取得でき、店舗の改善やマーケティングに役立てられるようになっています。
飲食店がタブレット端末を導入するデメリット
導入することでさまざまなメリットをもたらしてくれるタブレット端末は、「メリットばかりでデメリットは一切ない夢のようなアイテム」というわけではありません。
デメリットもいくつかあります。
飲食店がタブレット端末を導入する上でネックになる主なデメリットとしては、3点があげられます。
- 導入するのにコストがかかる
- 高齢者など取り扱いに慣れていない客層もいる
- トラブルが発生する可能性がある
それぞれのデメリットについて詳しく紹介していきます。
導入するのにコストがかかる
タブレットPOSレジは一般的なPOSレジよりもリーズナブルで、POSを導入する際のコストを抑えることができます。
そのため、タブレットPOSレジのみを導入する場合であればデメリットにはなりません。
注意しなくてはいけないのが、注文用のタブレットを導入する場合です。
注文用のタブレットには、3つの種類があります。
- 初期費用型
- レンタル型
- 月額費用型
初期費用型のサービスを導入する場合、100〜200万円ほどかかります。
レンタル型の場合は、月に30〜50万円ほどの費用が発生します。
月額費用型の場合、月のコストは2〜5万円ほどに抑えられますが、タブレット端末をこちらで用意しなくてはいけないため、導入費として数十万円のコストが発生することになります。
高齢者など取り扱いに慣れていない客層もいる
スマートフォンやタブレットなどのデバイスは、一般的なアイテムになりつつあるものの、すべてのお客さんが取り扱いになれているわけではありません。
高齢者のお客さんだと、「タブレットなんて触ったことない」という方も多いでしょう。
タブレットの取り扱いに慣れていないお客様には、注文方法を教えてあげる必要があります。
高齢のお客さんが多い店舗であれば、タブレットの操作を教える機会も多くなり、業務効率化というタブレットのメリットが薄れてしまいかねません。
また、タブレットでの注文をわずらわしいと感じるお客さんが来店を避けるようになってしまう可能性もあります。
トラブルが発生する可能性がある
タブレット端末は精密機械です。
そのため、電源が入らなかったり注文できないなどのトラブルが発生する可能性があります。
充電切れや、再起動で対応できる程度のトラブルであればそこまで大きな問題にはなりませんが、店舗側で対応できない技術的なトラブルが発生する可能性もあります。
仮に技術的なトラブルですべての端末が使えなくなってしまえば、スタッフが注文をとるしかありません。
タブレット端末を導入したことでスタッフの数を減らしている店舗の場合、現場の混乱は避けられないでしょう。
飲食店がタブレット端末を導入するときの注意点
実際にタブレット端末を導入することになった場合、いくつか注意するべきポイントがあります。
飲食店がタブレット端末を導入するときの主な注意点としてあげられるのは、以下の2点です。
- どういった機能が備わっているか確認する
- サポート内容について確認する
それぞれの注意点について解説していきます。
どういった機能が備わっているか確認する
タブレット端末に備わっている機能は、導入するサービスによって異なります。
機能が豊富なサービスもあれば最低限の機能しか備わっていないようなサービスもあるので、
- データの取得や分析がおこなえるか
- メニューの追加や削除が簡単におこなえるか
など、欲しい機能が備わっているかどうかを事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
サポート内容について確認する
タブレット端末を導入する上で必ずチェックしておきたいのが、サポート内容についてです。
デメリットの部分でも解説したとおり、タブレット端末は精密機械なので、トラブルが発生してしまう可能性があります。
セルフオーダーシステムやタブレットPOSレジを提供している会社の中には、24時間365日稼働しているコールセンターを設けるなど、サポート内容が充実している会社もあります。
そういった会社であれば、例え営業中にトラブルが発生してもすぐに問題を解決できるので安心です。
逆に、サポートが充実していない会社のサービスを選んでしまうと、いざという時に頼ることができません。
そういったケースを避けるためにも、サポートの有無や内容についてもしっかりとチェックするようにしましょう。
まとめ
飲食店が注文用のタブレット端末やPOSレジの代わりにタブレット端末を導入するメリット・デメリットについて紹介してきました。
タブレット端末の導入には、メリットだけでなくコストや技術的トラブルなどのデメリットもあります。
しかし、タブレット端末を導入することで、オペレーションや経営面で期待できるメリットの方が大きいので、気になっているのであれば導入を前向きに検討するべきです。
導入する際は「備わっている機能」と「保証やサービス内容」をよく確認しながら選ぶようにしてください。